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米Ondo Finance、トークン化された米国債ファンドをポリゴンに拡大

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Polygonと戦略的提携

機関投資家向けにブロックチェーン対応の投資商品を提供するOndo Financeは13日、暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(MATIC)のネットワーク開発と普及を推進するPolygon Labsとの戦略的提携を発表。その一環として、Polygon PoSブロックチェーン上に、トークン化された米短期国債ファンド「OUSG」をローンチした。

OUSGは、世界最大の資産運用企業ブラックロックの米国短期国債ETF (SHV)に投資するファンドで、年換算利回り(APR)は5.13%(執筆時)。

Ondoは今年2月、イーサリアム・ブロックチェーンでOUSGの提供を開始したが、Polygon Labsとの提携を通して、この商品をポリゴン・ネットワークに拡大する。イーサリアムのL2ソリューションであるポリゴンを利用することで、イーサリアムメインネットの混雑時でも、高速で低コストな取引が可能になる。

レイヤー2(L2)(セカンドレイヤー)

レイヤー2とは、「2層目」のブロックチェーンのこと。取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を図る。

▶️仮想通貨用語集

Polygon Labsの機関資本部門のグローバル責任者であるコリン・バトラー氏は、「ポリゴン上に構築されたOndo Financeは、分散型金融(DeFi)と機関向け金融のギャップを埋めるための重要な一歩だ。」と述べている。

Ondo Financeのジャスティン・シュミット社長/最高執行責任者は、ポリゴンとの提携により、機関投資家がオンチェーン資産へ、よりアクセスしやすくなるとコメント。今後、同社の投資商品「OMMF」(トークン化された米国政府マネー・マーケット・ファンド)と、同社開発の分散型融資プラットフォーム「Flux Finance」をポリゴンで展開する予定だと述べた。

なお、米資産運用大手のフランクリン・テンプルトンは昨年4月、ステラ・ブロックチェーンを使用した、米国初の「オンチェーン米国政府マネー・ファンド」(FOBXX)をローンチ。その1年後となる今年4月末、ポリゴンにFOBXXの展開を拡大している。

トークン化資産市場の拡大

Ondo Financeは、2021年にゴールドマン・サックス出身のNathan Allman氏とPinku Surana氏によって米国で設立された。同社は22年4月にPeter Thiel氏のFounders FundとPantera Capitalが主導するシリーズA投資ラウンドで約26億円を調達。同年後半にはトークンセールで13億円を調達している。

同社は今年2月に米国債をトークン化した最初の企業であり、 Dune Analyticsによると、その時価総額は約191億円(1億3,900万ドル)に達し、トークン化された公共証券市場で最大のシェア(約50%)を占めている。

Polygon Labsのバトラー氏は、機関投資家によるトークン化採用の「大きな動き」があると指摘し、次のように述べた。

今後3ヶ月から6ヶ月の間に、その傾向がより明確になるだろう。なぜなら多くの企業が、これまでトークン化に取り組んできたと公表し始めるからだ。

資産管理会社バーンスタイン(Bernstein)は、トークン化された実物資産の時価総額は、今後5年間で687兆円(5兆ドル)相当まで成長可能だと予測している。

関連:トークン化された米国債の需要が急増、仮想通貨投資家も参入

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