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『デジタル・プライバシーは基本的人権』Nym主導の権利擁護団体が発足

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

基本的権利としてのプライバシー

デジタル世界におけるプライバシーも、現実世界と同様に基本的人権であるという理解を促進するために、プライバシーインフラ構築に特化したNym Technologies(ニム・テクノロジー)主導でWeb3企業が結集し、権利擁護団体「Universal Privacy Alliance」(UPA、ユニバーサル・プライバシー同盟)が設立された。

UPAに参画しているのは、Oasis Network、Protocol Labs、Filecoin、Aztecなど、「プライバシーを強化する技術を構築する」Web3企業。これらの企業を「結集してリソースを共有し、生産的な方法で」政策や規制上の決定に影響を与えることに注力するという。

Nymのハリー・ハルピンCEOは、個人の基本的権利としてのプライバシーについて、以下のように述べている。

プライバシーはオンラインでもオフラインと同様に重要であるにもかかわらず、今日の支配的なインターネット・プラットフォームの多くは、人々の基本的権利よりも監視やデータ収集を優先している。デジタル環境が拡大するに伴って、アクセス可能で安全なプライバシー技術に対するニーズは不可欠なものとなる。

プライバシーを基本設計に

UPAが提唱しているのは、プライバシーを基本仕様としてテクノロジーレベルで組み込むことだ。

UPAは、目標が「似ているが、同一ではない」メンバー企業間で、技術的インフラを再調整することを目的として、以下の3つの原則を掲げている。

  1. プライバシーは基礎である
    プライバシーは国連人権宣言をはじめとする国際規約などで認められているが、デジタル世界におけるプライバシーの権利とプライバシー保護技術へのアクセスは、最も重要な人権問題の一つとなっている
  2. プライバシー・ツールは普通のことだ
    現実世界で当たり前とされるプライバシーレベルを実現するためにも、デジタル世界における交流や取引でプライバシー保護技術は、アクセスしやすく利用可能であるべき。
  3. 仕様としてのプライバシー
    デジタル世界における基本的権利を保証するために、仕様としてのプライバシー(Privacy by Design)は不可欠である。
    強力なユーザー・プライバシーを備えたシステムの設計と構築が妨げられることがあってはならない

UPAの活動

UPAのローンチイベントは、2022年10月にコロンビア共和国の首都ボゴタで開催されたイーサリアム開発者会議「DevCon」にて開催された。その際には、元CIA職員で米政府の監視システムを告発したことで知られるエドワード・スノーデン氏が基調講演を行い、その門出を飾った。

その後、米デンバーで今年2月に開催されたイーサリアム会議「ETHDenver」や11月の「Devconnect」(トルコ、イスタンブールで開催)にて、デジタルプライバシーの問題についてイベントを主催してきた経緯がある。

今回、Nymの本拠地であるスイスでUPAが正式に法人化されるにあたって、創設メンバーのウィル・スコット氏は、次のように述べている。

Unified Privacy Allianceとして正式に発足したことは、ますますデジタル化が進む世界において、プライバシーの権利を擁護するという我々の共同コミットメントを意味する。団結し声を上げることによって、我々は政策立案者を教育し、小規模な組織に力を与え、テクノロジーにおけるユーザー中心のプライバシー慣行を提唱することを目指している。

UPAはまず、エンドツーエンド暗号化の原則に挑戦する欧州連合(EU)のeIDAS(電子識別、認証、信頼サービス)規制とデジタルサービス法に焦点を当てる予定だ。当初の活動資金としては、創設メンバーによる寄付金15万ドル(約2,180万円)が充られるという。

関連:プライバシーインフラ「Nym」が必要な理由、ゼロ知識証明の可能性を探る|WebX

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