仮想通貨VCによる出資額大幅減
暗号資産(仮想通貨)ベンチャーキャピタルのブロックチェーンスタートアップへの出資額は、2022年の約4.8兆円(333億ドル)から、2023年には68%急落して約1.5兆円(107億ドル)となった。The Blockが報道した。
今年は特に、プレシード、シード、シリーズAの資金調達ラウンドでの取引の割合が増加しており、中期および後期段階のラウンドにおける取引は前年に比べて減少していた。
分野に関しては、NFT(非代替性トークン)やWeb3ゲーム、インフラストラクチャー、Web3の分野で引き続き取引数が多かった。一方、データ、トレーディング、エンタープライズなど他のカテゴリーでは取引数が減少した。
2023年には仮想通貨ベンチャーキャピタルによる取引件数も減少している。2022年の2,671件から23年には1,819件となり、32%減少した格好だ。
ただ、全体として、2020年以前と比較すると、投資額と取引件数は多い。2019年と2020年の二年間合計で投資額は約9,100億円(約64億ドル)だった。2023年の一年だけで約1.5兆円(107億ドル)と上回っている。
ポリゴン・ベンチャーズのアビシェク・サクセナ氏は、次のように意見している。
マクロ経済環境、規制の不確実性、最近の仮想通貨業界における破綻の余波を考慮すると、今年、仮想通貨スタートアップへの出資が大幅減少することは予想されていた。
それでも、多くの投資家や起業家は、大幅に資金調達額が急落したことに驚いている。
また、出資活動の低下は、必要な修正として機能する可能性もあると続けた。業界が事業見直しを行い、優先事項に集中できるようにする効果もあるのではないかと見解を述べる形だ。
2023年の大型資金調達事例
今月には、米国のデータセンター・インフラ企業Arkon Energyが、ビットコイン(BTC)採掘事業・AI(人工知能)事業などで約156億円を調達完了した。オルタナティブ投資分野における資産運用会社Bluesky Capital Managementが主導している。
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9月には、ブロックチェーン分野に投資するベンチャーキャピタルBlockchain Capitalが2つの新しいファンドで約800億円を調達したと発表。集めた資金の3分の2をアーリーステージ・ファンドに、3分の1をオポチュニティ・ファンドに割り当てるとしている。
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また、日本政府は2024年に、投資事業有限責任組合(LPS)改正法案を国会に提出し、仮想通貨スタートアップが資金調達を行う際の規制を緩和すると伝えられる。
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投資事業有限責任組合(LPS)とは
未公開ベンチャー企業への投資を目的として組成される投資事業組合の一種。責任が出資した金額のみに制限された状態で投資することができるため、ベンチャーキャピタル(VC)らはLPSの形態でスタートアップ企業へ投資するのが一般的とされる。
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