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国際決済銀行、新たなトークン化プロジェクトを発表  リテールCBDC開発は新たな段階に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

約束手形のトークン化

国際決済銀行イノベーションハブ(BISIH)は23日、2024年に取り組む6つの新規事業計画の第一弾を発表した。計画には、サイバーセキュリティ、金融犯罪対策、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、グリーンファイナンスに関する実験などが含まれる。

BISIHを統括するセシリア・スキングスリー氏は、重要分野としてトークン化を上げている。今回発表された事業計画の一つには、複数の法域にまたがるトークン化プロジェクト「Promissa」が盛り込まれており、同氏は「パートナーという点で、これまでで最も野心的なプロジェクト」と説明した。

Project Promissaは、BISIHスイスセンターとスイス国立銀行、世界銀行の共同実験で、トークン化された約束手形プラットフォームの概念実証(PoC)構築を目指す。国際通貨基金(IMF)はオブザーバーとして、このプロジェクトに参加している。

BISによると、約束手形は国際復興開発銀行 (IBRD)などの多国間開発銀行を含む、多くの国際金融機関で利用され、金融システムで重要な役割を果たしているにもかかわらず、その大半は依然として紙ベースだという。Project Promissaは、分散型台帳技術を活用することで、約束手形の管理を簡素化し、運営の効率化を図る。

BISIHは、2025年初めまでに、PoCを完了することを目標としている。

Project Promissaは、加盟国と国際金融機関間の約束手形の管理の簡素化を目的としているが、将来的には、民間または公的資金をベースとしたトークン化決済システムと統合することで、約束手形関連の支払いや現金化にまで、拡張する可能性も視野に入れているという。

トークン化は鍵となる開発

BISは2023年の年次経済報告書で、トークン化の改革の可能性を活用した「将来の通貨制度のための青写真」を示した。

報告書は、通貨制度は大きな変革の時を迎えているが、非物質化、デジタル化に続く重要な進展はトークン化であると指摘。トークン化を「プログラム可能なプラットフォーム上でデジタル的に債権を表現するプロセス」と定義した。

BISの示した青写真には、CBDCやトークン化された預金、及びその他の金融資産や実物資産がトークン化された債券を1箇所に統合する新しい金融市場インフラとして、「統合台帳」が描き出されている。

BISのヒョン・ソン・シン経済顧問は、統合台帳の概念について次のように述べている。

中央銀行のマネーと商業マネー、さまざまな資産を同じプラットフォーム上に集め、すべてをトークン化して相互作用させることで、まったく新しい可能性が開ける。これは我々が、お金について、どのように考え、どのように取引が行われるかを大きく変えることだろう。

CBDCプロジェクト

新規事業計画にはCBDCプロジェクトも含まれている。

BISIH香港センターは、「Project Aurm」の新たな段階として、リテールCBDCにおける支払いのプライバシーに焦点を当てた研究を開始する。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い

▶️仮想通貨用語集

Project Aurmは、リテールCBDCのプロトタイプを構築するプロジェクト。中央銀行がCBDCを発行して償還するが、流通と決済サービスは民間に委託される。BISIH香港センターと香港金融管理局および香港応用科学技術研究院が協力して実施し、プロトタイプは2022年7月に完成した。

同プロジェクトの新たな段階における目標は、学術界やプライバシー規制当局の専門知識を活用して、CBDCのシステム設計におけるプライバシーについて、中央銀行の理解を促進することだという。個人の金融プライバシーを保護しつつ、責任あるCBDCの開発を目指すBISの取り組みが強調された形となった。

CBDCの導入については、発行元の中央銀行が、一般市民の金融情報にアクセス可能になるケースも想定されるため、プライバシーが著しく侵害されるとして危惧されている。

米国では昨年9月に、下院金融委員会でCBDCによる国民監視を阻止する法案が可決され、今後下院で審議される。直近では、ドナルド・トランプ前米大統領が、11月の大統領選に向けた集会で「CBDCの創設を決して許さない」と述べ、CBDCに反対する姿勢を明確に示した。

関連:CBDCによる監視社会に反対する法案、米下院金融委員会で承認

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