昨年のビットコイン最適配分は19.4%
アーク・インベストメント・マネジメント(ARK Invest)は、その年次レポート「ビッグ・アイデア2024」において、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)に対する強い期待を示している。
キャシー・ウッド率いるARK Investは、ビットコインの長期投資が機関投資家にとって高いリターンをもたらす可能性があると指摘した。
同社によると、ビットコインは過去3年から7年にわたり主要資産クラスを上回るパフォーマンスを示し、平均リターンで約44%を達成。これは、他の主要資産の5.7%に対して約7倍に達するもので、長期的な投資視点がビットコイン投資の鍵であるとARK Investは強調している。
さらに、過去5年のデータに基づくと、ビットコインと他の資産クラスとの相関係数はわずか0.27である。他の資産クラスとの相関性が低いことから、ビットコインは、カウンターパーティーリスクに対する効果的なヘッジとしての機能を果たしていると評価されている。
実際、2023年初頭に、米国の地方銀行が歴史的な破綻を起こした際、ビットコインの価格は40%以上上昇し、カウンターパーティーリスクに対するヘッジとしての役割を浮き彫りにした。
これらの分析に基づき、ARK Investは、リスク調整後リターンを最大化するため、2023年にはポートフォリオにおいてビットコインに19.4%を配分することが最適だったと評価している。
さらに、同社はグローバルな投資可能資産を250兆ドルと推定し、投資会社がポートフォリオの19.4%をビットコインに割り当てる場合、その影響力がビットコインの価格を230万ドルまで押し上げる可能性があるという試算を示した。
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強気相場の初期段階
また、ARK Investはビットコイン価格が約4年ぶりにオンチェーン市場平均「On-Chain Market Mean」を上回ったことに注目しており、この現象は「強気相場の初期段階」を示していると解釈している。この指標はGlassnodeが提供し、ビットコインの取引量や取引所の流動性など、さまざまな要因を総合的に分析して算出される。
2023年末には、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がビットコイン先物取引所のトップに立ち、バイナンスを抜いて世界最大となった。これは、伝統的金融(TradFi)から暗号資産への関心が高まり、ビットコインの市場力学が米国にシフトしていることを示している。
2024年に向けて、ARK Investはビットコイン市場に大きな動きがあると予測。ビットコインETFのローンチ、ビットコイン半減期、機関投資家の参入、規制の進展などが主要な推進力となり、ビットコイン市場のさらなる成長と発展を促すことが期待される。
アークインベストと21sharesによるビットコイン現物ETF「ARK 21Shares Bitcoin ETF」は24年1月17日にSEC(米証券取引委員会)に承認され、市場に導入された。