はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米コインベース「ブロックチェーン技術で年間11兆円規模のクレカ手数料節約の可能性」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「金融システムを低コストに」

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは7日、ブロックチェーン技術を使用することで、米国の消費者はカード手数料を少なくとも約11兆円(740億ドル)節約できた可能性があると述べた。2022年を対象とした分析だ。

1世帯当たりでは、平均で年間約89,000円(600ドル)の節約に相当するとしている。また、店舗など販売事業者は、クレジットカードの取引手数料に約19兆円(1,260億ドル)以上を費やしていたが、ブロックチェーン技術を使用すれば、はるかに低いコストで済んだ可能性があるとも続けた。

この報告は、2023年の「State of Crypto Report」の一環として行われたものだ。コインベースは、次のように述べている。

今回の世論調査によると、米国人の少なくとも5人に3人が、金融システムをより安く、より速く、より簡単にアクセスできるようにアップデートすることを望んでいる。

また、彼らが仮想通貨に可能性を見出している主な理由は、使いやすさ、手頃な価格、合理化され、完全にデジタル化され、従来システムに制約されない性質であった。これは彼らが金融システム改善に望むこととも一致している。

関連「仮想通貨価格の下押し圧力は弱まり始めている」コインベース週刊レポート

アシックスとソラナペイのケース

また、報告書は加盟店が2022年にクレジットカード取引処理に1260億ドル以上を支払い、これが人件費に次ぐ2番目に大きな経費となったと指摘している。一方、仮想通貨決済は従来の方法に比べて著しく安価で、ブロックチェーン手数料は平均でわずか1セント、クレジットカードの平均手数料が1.5%~3.5%であるのに対し、例えばソラナペイを通じた加盟店手数料は平均0.2セントに過ぎない。

出典:Coinbase

アシックスとソラナ(SOL)ブロックチェーンの決済システム「Solana Pay」の提携は、特に注目に値する事例である。限定シューズの発売において、アシックス側の手数料は0.00025ドルまで削減された。1足200ドル×3000足の商業において、従来の金融手段(例:PayPal)だと合計手数料が22,000ドルに上がるところが、わずか6ドルで済んだ。

ブロックチェーン技術が提供する分散型の台帳システムでは、取引の確認と記録がネットワーク参加者全体によって行われるため、中央集権的な仲介者の必要性が減少し、手数料が大幅に減少する場合がある。

関連:VisaがソラナでUSDC決済対応へ

若い世代が仮想通貨に前向き

コインベースは「State of Crypto Report」で様々な意識調査を実施。若い世代の方が仮想通貨に前向きだという結果が示された。

調査方法としては、Bovitzと協力して2023年に18歳以上の米国人1,000人を対象とした調査および18歳から59歳の米国成人30人を対象にインタビューを行った。

また、Morning Consultと協力して大学生および大学院生2,065名を対象とした調査を行うなど、複数社と提携して意識調査を展開している。

「現在の金融システムは自分達のような人々にとって機能している」と回答したのはミレニアル世代の9%のみだった。また、政治家や政策担当者は仮想通貨やブロックチェーンを支援すべきと答えたのは調査対象者全体で33%だったものの、ミレニアル世代では44%と高かった。

また、仮想通貨やブロックチェーンは従来型金融が出来ない方法で、経済的な機会を増やすと答えたのは全体の31%で、ミレニアル世代は42%だった。

なお、ミレニアル世代とは、一般的にミレニアム(新千年紀)が到来した2000年前後以降に社会に進出する世代という意味で、1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代を指す。

米大統領選と仮想通貨の行方

米国の大統領選挙に向けた共和党候補者争いからは仮想通貨支持で知られるロン・デサンティス氏やビベック・ラマスワミが脱退し、ドナルド・トランプ氏が有力候補となっている。

関連仮想通貨支持のラマスワミ候補、米大統領選から撤退

トランプ氏は自身をモチーフにしたNFT(非代替性トークン)の販売で収益を上げてきたが、ビットコイン(BTC)など仮想通貨自体には懐疑的な見方を示している。

米大手ヘッジファンド、スカイブリッジ(SkyBridge)の創業者アンソニー・スカラムーチ氏は、仮想通貨コミュニティに、大統領選では現職のバイデン氏を支持するよう呼びかけた。長期的にはトランプ氏が「法制度に大混乱」をもたらすと主張している。

関連米SkyBridge創業者、仮想通貨コミュニティに米大統領選のバイデン支持を呼びかける

NFTとは

「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
06:25
ストラテジーが約1500億円でビットコイン押し目買い、7月以来の規模に
マイケル・セイラー率いるストラテジーが先週約10億ドルで10624BTCを追加購入した。7月以来の大口購入となった。
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
05:35
ブラックロックもステーキング商品提供へ、イーサリアム現物ETFで
世界最大の資産運用会社ブラックロックがステーキング機能を備えたイーサリアムETFの登録届出書をSECに提出した。グレースケールやフィデリティなど他の発行体も仮想通貨ETFにステーキング機能を追加している。
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧