現物ETFに5,000億円近く流入
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは16日、週刊レポートでビットコイン(BTC)現物ETFによる相場への影響を取り上げた。ジェネシスによるGBTC売却の影響も論じた。
コインベースは、米国で提供開始されたビットコインETFには、開始から最初の1か月間で総額33億ドル(約4,960億円)という著しい額が流入したと指摘している。
ETF承認前の機関投資家を対象とした調査では、期待される流入額中央値は約10億ドル(約1,500億円)だったが、これを大きく上回った格好だ。コインベースは、次のように続けている。
私たちは、特にビットコイン(そして概して仮想通貨一般も)は今後3〜6か月間十分に支えられるだろうと考えている。
ETF承認後の状況や現在進行中の世界的な通貨リフレーションの文脈に適応する機関投資家が増えることが予想されるためだ。
なお、リフレーションとは一般的に、通貨供給が増加し、デフレから抜け出したがまだインフレには達していない状態のことである。
The Blockによると、ビットコイン現物ETFへの日次流入は2週間以上にわたってプラスを維持している。14日には、ブラックロックのiシェアーズビットコイントラスト(IBIT)への流入額は4億9,312万ドル(約741億円)で過去最大だった。
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ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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ジェネシスによるGBTC売却について
コインベースは、テクニカルな売り圧力の要因についても述べた。破綻した仮想通貨融資企業ジェネシスが、裁判所から、GBTCなどの投資信託を売却する許可を得たことを挙げている。
コインベースによると、グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を約3590万株(時価2,500億円相当)、グレースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)を870万株(時価314億円相当)およびグレースケール・イーサリアム・クラシック・トラスト(ETCG)を300万株(時価57億円相当)の売却が許可された。
ジェネシスは、債権者に代わってこれらの株式を原資産であるビットコイン、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)に変換するか、現金にすることができるようになった形だ。
コインベースは、これらの資金の大部分は仮想通貨エコシステム内に残り、市場に与える影響は中立的ではないかと推測している。
ジェネシスの破産計画についての公聴会は2月26日に予定されており、まだ裁判所が債務返済計画を却下したり延期する可能性も残されているところだ。
なお、裁判所はGBTCなどの売却にあたっては、時間をかけて段階的に実施される必要があるとしており、市場への影響緩和を考慮しているとみられる。
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