個人投資家の関心が急上昇
米金融大手JPモルガンのアナリストらは22日、リテール投資家の関心の高まりが、2月の暗号資産(仮想通貨)相場の力強い上昇の原因となった可能性が高いと述べた。関心を高めている3つの要因も挙げている。
また、オンチェーンの累積ビットコイン(BTC)フローを確認すると、小規模なウォレットからのより大きな流入が見られ、これが個人投資家の参加を示唆していると述べている。
コインベースのような仮想通貨取引所でも個人投資家の取引活動が増加していた。上位30の仮想通貨のパフォーマンスを表すGMCI30指数は年初から13%以上、上昇しているところだ。
さらに、仮想通貨市場全体に占める、AI(人工知能)関連銘柄やミームトークンの人気も2月に回復しており、このこともリテール投資家が仮想通貨への関心を高めていることを示唆するとしている。
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ミームコインとは
一般的に、インターネット上で話題になることで人気を集めるコイン。代表的なものにイーロン・マスク氏がSNSで言及することなどで取引量が急増したドージコイン(DOGE)がある。2020年にドージコインを踏まえてリリースされたSHIBA INU(SHIB)も存在。
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背景に3つの要因
JPモルガンのアナリストらは、株式に対してと同様、仮想通貨に対する個人投資家の関心は、昨年末から急増していたと指摘した。
背景として、ビットコイン半減期、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンの次回アップグレード「Dencun」、イーサリアム現物ETFの承認可能性という3つの要因があるとしている。
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その上で、ビットコイン半減期とDencunについては現在すでに「ほぼ織り込まれている」と意見した。また、5月にイーサリアム現物ETFが承認される確率は50%にとどまるとも指摘している。
イーサリアム現物ETFの承認時期については、ブラックロックやアークインベスト、グレースケール、フランクリン・テンプルトンなど9社が上場申請しているところだ。
現時点ではVanEckのETF上場申請について米証券取引委員会(SEC)が決定する期限である5月23日が重要な日付とみなされている。
承認時期については、金融業界でも見方が分かれている。5月23日に承認されるとする意見もある一方、承認は米国の政治状況やイーサリアムの証券性についての判断にも依存し、一、二年後になるのではないかとの予測もある。
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