コインベースが立ち上げた擁護団体
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは6日、仮想通貨の擁護団体「Stand with Crypto Alliance(クリプト支持同盟)」への参加者が100万人に達したと報告した。
As of today, 1 million people have joined #StandWithCrypto as advocates for crypto. That's a lot of voters!
— Brian Armstrong (@brian_armstrong) June 5, 2024
600k of these advocates joined after a Whitehouse veto threat, and thousands mobilized around the back-to-back historic, bipartisan wins in the House and Senate.
Crypto… pic.twitter.com/IEotx8AXm9
バイデン政権が、米証券取引委員会(SEC)の仮想通貨保管についてのガイドラインを覆す法案に対して拒否権を発動する前後で新たに60万人が参加したと述べている。
アームストロング氏は、バイデン大統領が5月31日にSAB121を覆す決議案を拒否したことに言及する形だ。SAB121は、顧客の仮想通貨を保管する企業に対し、それらの資産を貸借対照表に「負債」として計上するよう義務付けるものである。
これを覆すことで、銀行などの金融機関がデジタル資産のカストディアンとして行動することへのハードルが除かれるとされていた。
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アームストロング氏は、100万人超の参加者は多数の有権者を表わすとも述べており、「仮想通貨は超党派のトピックであり、米国で仮想通貨に肯定的な政策を後押しする勢いは高まっている」とも続けた。
「Stand with Crypto Alliance」は2023年8月にコインベースが立ち上げた団体である。明確な規制の構築を後押しすることで、アメリカにおける仮想通貨の将来性を確かなものにしていくことを目指している。
記事執筆時点までに、8,700万ドル(約136億ドル)以上の寄付を集めており、100万人を超える参加者を擁しているところだ。
トランプ氏は「仮想通貨大統領になる」と宣言
米国では、大まかな傾向として民主党に仮想通貨に批判的な議員が多い傾向がある。一方で、大統領再選を目指す共和党のドナルド・トランプ氏は、仮想通貨業界を擁護する姿勢を打ち出しているところだ。
トランプ氏は6日、シリコンバレーの投資家が集まったイベントで1,200万ドル(約19億円)の選挙資金を調達しており、この際に「私は仮想通貨大統領(クリプト・プレジデント)」になると宣言した。
また、大統領に就任できた場合には、「バイデン氏とゲンスラーSEC委員長による仮想通貨反対運動を1時間以内に止めさせる」と話している。
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トランプ氏は、仮想通貨は米国にとって不可欠なツールであり、大いに支持しているとも改めて述べた。トランプ氏は先月、「米国は仮想通貨のリーダーでなければならない。2位はありえない」とも声明を出している。
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また、ビットコインマガジンのデイヴィッド・ベイリーCEOが、トランプ陣営で仮想通貨補佐官を務めているところだ。トランプ氏はビットコインが米政府債務の解決に役立つか関心を示したとされるが、現在のところ仮想通貨をめぐる具体的な政策を掲げているわけではないことには注意したい。
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