7/27(土)〜8/2(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、7/27(土)〜8/2(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場上値の重い展開となり、8月2日正午時点で、1000万円を割り込み、960万円周辺で推移している。
週末にトランプ前米大統領がBitcoin 2024カンファレンスで登壇し、BTCを戦略的準備金として採用する方針や、再選の暁には米政府が保有する約20万BTCを保有し続けると発言したことで、週明けの相場は1050万円周辺から強含む展開で取引を始めたが、米時間に相場が7万ドル水準位タッチすると利益確定の売りが入り反落。
さらに、この日は米政府が2.98万BTCを送金したことで、相場は1050万円を割り込んだ。
30日米時間には、米ハイテク企業の決算を控えたナスダック総合の下落にBTCも連れ安になると、本邦複数メディアが、日銀が31日の会合で追加利上げを検討していると報じたことによるドル円相場の下落も相場の重石となり、BTC円は1000万円割れを試す展開となった。
8月1日未明には、米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利の据え置きを発表し、パウエル議長からは9月の利下げ開始の可能性が示唆されたが、このタイミングでイランの最高指導者ハメネイ師がハマスの政治主導者イスマイル・ハニヤ氏の暗殺を受けて、イスラエルに対する報復攻撃を命じたとNYタイムズが報じ、中東情勢悪化によるリスクオフでBTC円は1000万円を下抜けた。
また、この日の米時間には、7月の米ISM製造業景気指数が市場の予想以上に悪化し、景気後退懸念が台頭。加えて、ヒズボラ指導者ナスララ師もイスラエルに対する報復を宣言し、中東情勢の緊迫化によってBTC円は950万円周辺まで下落した。
一方、この日の米市場引け後に発表されたコインベースの決算が上振れ、相場は米時間序盤の下げ幅を解消した。
ハト派に映ったFOMCだったが、米経済が想定以上のペースで減速している懸念が台頭したことで、米株式市場はリスクオフとなりBTCも影響を受けた。
単に「利下げする」のと「利下げをしなければならない」ではニュアンスに大きな違いがあり、後者の場合は景気後退を意味する。ボラティリティが高く、リスク資産としての性質を持つBTCにとって、ソフトランディングは相場上昇に必要な条件と言えよう。
また、今週はイランとヒズボラがイスラエルに対する報復を宣言しており、中東地域戦争の戦火が広がる懸念が台頭している。
今年4月にもイラク首都のダマスカスにあるイラン大使領事部にイスラエルが攻撃を実施し、イランが報復を行ったが、当時は「イスラエルの攻撃に対する処罰」との大義名分にとどまりそれ以上自体はエスカレートしなかった。
ただ、今回の件でイラン国内では報復を要求する声が一層強まった他、ヒズボラ指導者も「戦いが新局面に入った」と言及しており、地政学リスクはさらに高まる可能性が指摘される。
こうしたなか、本日2日には7月の米雇用統計、週明け6日には米ISM非製造業動向レポートの発表を控えており、米景気動向に相場が振り回されやすい状況は続こう。
BTCにとってのベストケースは景気の底堅さが示されつつ賃金と物価のデータが落ち着くことで、結果次第では再び下降チャネル下限を試す展開も視野に入る。
一方、CMEのBTC先物では7月12日から15日にかけて大きく窓を開けており、米経済の著しい減速が示されれば、相場は窓埋めを目指し6万ドル周辺まで下げる余地がありそうだ。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:今週のビットコインは下値模索も底堅い展開、下降チャネルブレイクなるか|bitbankアナリスト寄稿
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