暴落した月曜日から大量発行
今週月曜日の相場暴落後、仮想通貨テザー(USDT)とサークル(USDC)のステーブルコインが大量に新規発行され、供給量が合計で約30億ドル(4,400億円)増加した。この資金流入の増加は、ビットコイン市場のV字回復と密接に関連している。
ビットコイン・仮想通貨市場では、5日、円のキャリートレードの巻き戻し(レバレッジ解消)や、JumpクリプトのETH大量売りの影響から一時的な打撃を受け、先物市場の大規模ロスカット(強制清算)が発生したが、その直後に買い戻しで大きく反発した。ビットコインは一時49,000ドル台まで急落したものの、強い反発でV字回復を見せ、金曜日には62,000ドル台まで続伸した。
この強い反発の背景には、USDTとUSDCの新規発行による機関投資家や大口投資家の資金再流入があった。
オンチェーンデータによると、月曜日以降、USDTは13億ドル分、USDCは16億ドル分の新規トークンが発行され、クラーケンやコインベース、OKXなどの主要取引所へ入金されていた。
1.3B $USDT has been transferred from #TetherTreasury to exchanges since the market crash on Aug 5! pic.twitter.com/BYtMqgVRyZ
— Lookonchain (@lookonchain) August 9, 2024
ステーブルコインの新規発行および取引所への入金は買い圧力のサインとされており、過去にも大口投資家や機関投資家による押し目買い目的でのUSDT・USDCの大量新規発行が、相場の大幅下落の後に行われることが多々あった。
直近の事例として、7月上旬にはドイツ政府のビットコイン売却やマウントゴックス返済による売り圧への懸念が影響し、大幅に下落したのち、押し目買いを目的としてUSDCが新規で大量発行され、その後ビットコインは反発し、月末には再び69,000ドル台まで上昇した。
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一方で、米景気後退リスクや中東情勢の不安など、依然として懸念材料が残る中、ビットコインはさらに下値を探る可能性もあるかもしれない。
CryptoQuantの9日のX投稿によれば、64,000ドル〜65,000ドルの価格帯は、短期的な大口ビットコイン保有者の実現価格として機能しており、この水準がレジスタンスとなる可能性がある。(CryptoQuant:市場価格が実現価格より速く上昇すれば、上昇トレンドを支持する。しかし、市場価格が実現価格より低ければ、この指標は下落を支持する。)
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