最高裁が支持
ブラジル最高裁の1つの法廷は2日、X(旧ツイッター)に対するサービス停止命令を支持したことがわかった。国内外のメディアが報じた。
ブラジルでは8月31日から実際にXが使用できなくなっている模様。X側が法的代表者の任命や罰金の支払い、コンテンツ制限などの全命令に従うまではサービス停止が継続される。
今回の内容を巡っては先月末に、アレクサンドル・デ・モラエス判事が「全ての裁判所命令が遵守され、罰金が適切に支払われ、新しい法的代表者が国で任命されるまで、Xの業務を直ちに完全かつ全面的に停止する」よう命じたことがわかっていた。
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ブラジルの最高裁判所には小法廷が2つある。今回モラエス判事のサービス停止命令を支持したのは、この内1つの小法廷で、5名の判事が全員一致で支持したという。
Xは先月17日以降、ブラジルで法的代表者を欠いた状態にある。これは、Xを率いるイーロン・マスク氏がモラエス判事からの「検閲命令」を理由に、即座に同国での業務を停止すると発表したためだ。ただし、サービス自体は引き続き利用可能だった。
この検閲命令とは、モラエス判事が4月にXに対して、一部のアカウントをブロックするよう命じたもの。2022年の選挙で敗北した元大統領ジャイル・ボルソナロの政権維持を支援した「デジタル民兵」に関する捜査の一環だった。この時、マスク氏が命令に従わなかったため捜査対象に含められていた。
モラエス判事は現在、偽情報を拡散するデジタル民兵の取り締まりを強化しているという。
ユーザーにも罰金
暗号資産(仮想通貨)の投資家やコミュニティにとって、Xは不可欠な情報収集ツール。今回のサービス停止によるブラジルでの影響が懸念される。
AP通信は「世界で何が起きているかわからない」と話すユーザーの声を報じた。ブラジルはXにとって、最も大きなマーケットの1つだ。
今回の裁判命令を機に、VPN(仮想専用線=Virtual Private Network)への関心が高まっているようだが、こういった手段で命令を回避してXを使用した個人や企業にも罰金が課される。
今回Xには1,830万レアル(約4.7億円)超、VPNなどを使ってXにアクセスしたユーザーには最大5万レアル(約130万円)の罰金が課されるという。
マスク氏がモラエス判事を「犯罪者」と呼ぶなど、X側は裁判所の対応を批判している。審理終了後にXが上訴することも可能な状況にある。
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