9/07(土)〜9/13(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、9/07(土)〜9/13(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、先週から一転して小確りとした展開となっており、13日正午時点で、820万円周辺で推移している。
週明けのBTC円は、米国勢参入後に安値拾いの買いが広がり、800万円を回復したが、翌10日に5.8万ドル水準にタッチすると失速。その後は手掛かり不足のなか、800万円台前半で揉み合う展開が続いた。
11日朝方には、日銀の中川順子審議委員が追加利上げに前向きな姿勢を示したことで、市場にやや緊張感が走り、BTCは800万円割れを試した。また、この日開催された米大統領選のテレビ討論会で、トランプ氏が劣勢に立たされたことも相場の重石となり、BTCは一時800万円を割り込んだ。
11日の米時間に発表された8月の米CPIは、前年比でおよそ3年ぶりの低水準となったが、これを受けてFF金利先物市場では来週のFOMCでの大幅利下げ観測が後退し、BTC相場の上値を圧迫した。しかし、この日はゴールドマンサックスが主催したイベントでエヌビディアのフアンCEOが登壇し、半導体需要が依然として強いことを強調すると、米ハイテク株が上昇し、BTCも連れ高となった。
翌12日の米PPI発表後には、FF金利先物市場の大幅利下げ観測がさらに後退したが、WSJが50bp利下げの可能性はまだ残っていると報じ、米国債相場は上下に振れた。BTCもこれにつれて一時は不安定な値動きを演じるも、連日の米ハイテク株の上昇に支えられている。
先週の米雇用統計の下振れを受けて、BTCドルは下降チャネル下限を試したが、終値ベースでは同水準を維持し、週明けからは安値拾いの買いが入った(第2図)。米国の景気後退懸念も今週は落ち着き、12日までにFF金利先物市場が織り込む9月の50bp利下げの確率は14%まで急低下していた。
12日のWSJの報道を受けて、その確率は一気に40%台まで上昇したものの、米株式市場やBTC市場が混乱することはなかった。この件についてはWSJのフェドウォッチャーの発言が切っ掛けであり、経済指標が景気の弱さを示したことが原因ではなかった為、為替と債券市場は敏感に反応した一方、株やBTCの反応は薄かった格好か。
BTCはドル建てで前週の下げ幅を奪回しているとは言え、心理的節目の6万ドル回復には至っておらず、底堅くも復調したとは言い切れない状況だ。18日のFOMCまでに米消費者信頼感指数(13日)や米小売売上高(17日)の発表を控えており、景気の底堅さが示されればもう少し水準を戻す余地が生まれそうだ。
来週のFOMCでは、市場の主な関心は利下げ幅が25bpか50bpになるかと言える。50bpの利下げが決定された場合、市場の反応としては、「FRBが政策金利を高い水準で長い間維持し過ぎた」と受け止められる可能性があり、BTCにとっては下値リスクと指摘される。
また、今回のFOMCでは四半期ごとに更新される経済見通しにも注目したい。仮に失業率やGDP成長率の見通しが大幅に下方修正されれば、景気への懸念が再燃するだろう。
よって、BTC相場が復調するには、25bpの利下げと底堅い経済の見通しが維持される必要があると言えよう。
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前回のレポート:今週のビットコインは下落 景気後退懸念でリスクオフムードが波及|bitbankアナリスト寄稿
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