はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

FOMC後に上昇加速したビットコイン相場をプロが解説|寄稿:仮想NISHI

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

*本レポートは、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。

ビットコインマーケットレポート(9/13〜9/19)

ビットコインは9月7日以降、上昇基調にある。

市場では8月以前の予想を上回る0.5%の利下げが9月上旬から示唆されたことなどにより、ビットコインは下落基調から反転した。

実際に米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)において0.5%の利下げを公表した。

今後のイベントとして、「ビットコインのメジャー SQ」とよばれる多くの取引所での先物の清算、米大統領選挙、2022年11月に破綻したFTX トレーディング社の顧客資産返済などの材料が控えている。執筆時点では6万2千ドル付近。

足もと

9/17以前はFOMCへの警戒などから、未決済建玉(OI)の動きが少なく価格もやや横ばいに推移していたものの、9/18以降はOI が増加しておりデリバティブ市場への資金流入が見られる。

ファンディングレートを見るとニュートラルなポジション(下画像赤枠)と見受けられるが、ボラティリティが上昇する可能性がある。

外部環境

直近でビットコインは、どの主要アセットとも強い相関がなく、独自の動きをしている。(S&P500:+0.14、ゴールド:▲0.21、原油:+0.32)

ただし9月初旬以降は、米国債利回りは景気後退の予兆とされる逆イールド(米2 年債利回りが10 年債利回りを上回る状態)が解消され、現在は平常状態の順イールド(米 10 年債利回りが2 年債利回りを上回る状況)となり、さらにその差も拡大している。

米国債利回りの逆イールドの解消はドルペッグステーブルコインの発行妙味を高めており、代表的なステーブルコインであるUSDT、USDC の発行量は9 月以降増加に転じている。

ステーブルコインは、暗号資産を買うための手段となりやすく、発行量増加は暗号資産市場にはポジティブに働く可能性がある。

さらに、2022 年11 月に破綻したFTX トレーディング社の顧客への現金弁済が行われる計画や、米大統領選挙後は暗号資産市場が上昇するアノマリーなどがあり、クリプト市場はポジティブなイベントが控えている。

現物市場

成行売買動向を見ると、本日未明より現物・デリバティブ市場で買いが旺盛にみられる(下画像赤枠)状況となっている。

また、デリバティブ市場を上回る比率で現物が買われていること(下画像青枠)も見受けられる。

デリバティブ市場

取引価格が現物価格よりも若干低く、やや売られすぎの状態が見られる。

先物市場

9/28前後にCME や多くの民間取引所がSQ を迎える「ビットコインメジャーSQ」が控えている。CME を見ると価格差益を狙う「Leveraged Funds」にショートポジションの割合が高まっており、ショートカバー(売建玉の買戻し)が発生する可能性がある。

オプション市場

現物渡しで取引されるオプション市場では、現在価格(6万2千ドル)より高い価格帯である10万ドルが最大建玉(下画像赤枠)となっており、さらにPCR が低下基調(下画像青枠中黄線)であることから、市場参加者の投資心理が強気に変化していると捉えることができる。

オンチェーン環境

ハッシュレートは過去最高値近くの水準であるものの、次回難易度予想は▲8.69%の大幅な易化予想。

直近のクリプト指標

9/20 日銀政策金利:24 年9 月結果 公表

日銀総裁 定例記者会見

9/23 アメリカ・PMI(購買担当者景気指数・速報値)9 月 公表

総括

FRBが9/19のFOMC で0.5%の利下げが発表され、ビットコインの上昇基調が加速している。

さらに米国長短金利差の拡大が、ステーブルコインの発行量増加を通してビットコインに追い風になっていることに加え、今後ビットコインメジャーSQ、米大統領選挙、FTX トレーディング社の顧客資産返済など、ポジティブなイベントが多くなっている。

画像出典:Tainoko Lab

関連:ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとのメリット比較や関連銘柄の買い方も紹介

寄稿者:仮想NISHI仮想NISHI
「暗号資産もSBI」を掲げる、暗号資産取引所SBI VCトレードのクリプトアナリスト。BTC Status Alert制作協力者、DECOCHARTの企画・監修者としても、日本の業界に必要な投資関連情報の配信に携わっている。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/05 木曜日
16:57
リミックスポイント、1000BTC以上の保有目標を発表
リミックスポイントは6月4日に32.81BTC(5億円相当)を追加購入し、保有量が713.5BTCに到達。新株予約権による資金調達で累計1,000BTC以上の取得を目指すと発表した。
15:24
バイナンス、4銘柄を監視対象に追加 価格急落
バイナンスがBIFI・FIS・KMD・MDTの4銘柄を新たに監視対象に追加。FIS・KMDは急落。監視タグの意味や取引制限も解説。
14:00
Consensys関連ウォレット、460億円相当イーサリアムを大量購入か=アーカム
オンチェーン分析によるとConsensys関連ウォレットが6月4日にGalaxy Digitalから約3.2億ドル相当のイーサリアムを購入。うち1.2億ドル分は既にステーキング運用開始。
13:35
米上院、FRB監督担当副議長にボウマン氏承認 仮想通貨業界歓迎
米上院が48対46でミシェル・ボウマンFRB理事の監督担当副議長就任を承認。ルミス上院議員は「仮想通貨にとって明るい未来の兆し」と評価、業界団体も支持を表明。
13:15
4回目半減期から1年経過 ビットコイン、市場成熟と基盤強化進む=レポート
ビットコインが4回目半減期から1年が経過した。フィデリティレポートによると価格上昇は過去サイクルより控えめだが、ドミナンスやハッシュレートなどの指標からその基盤は強化され、市場が成熟している兆候が見られる。
11:59
ビットコイン10万ドル台で調整、トランプ関税とウクライナ情勢が重石 週末の米雇用統計に注目
暗号資産(仮想通貨)市場はトランプ大統領の鉄鋼・アルミ関税やウクライナ情勢悪化で不安定な展開を見せる。金曜発表の米雇用統計がFRB政策を左右する重要指標として注目される中、10年超保有のクジラが利確売りを進める一方、機関投資家は積極的な押し目買いを展開している。
11:35
モスクワ取引所、ビットコイン先物の取引開始
ロシアのモスクワ証券取引所が仮想通貨ビットコインの先物取引を開始した。ロシアでは、中央銀行による規制緩和で仮想通貨商品提供が活発化している。
11:05
ETHの売却や運用などの財務管理方針、イーサリアム財団が発表
イーサリアム財団は、運営の財務管理方針を発表。仮想通貨イーサリアムの売却・運用に関する方針や運用の現状・計画についても説明している。
10:05
30%減少したビットコイン流動性、需要増が価格上昇の地ならしに=シグナム分析
シグナムの最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの流動性供給が30%減少と発表。ETF需要増加や政府の準備金検討により価格上昇の条件が整いつつあると分析している。
09:45
仮想通貨の現物保管義務化法案可決、カリフォルニア下院
カリフォルニア州下院が6月5日、取引所の休眠仮想通貨を3年後に現物のまま州管理下に移管するAB1052法案を可決。従来の現金化方式から大幅変更で投資家保護を強化。
08:45
ステーブルコイン大手Circle、IPO申し込み25倍超過
仮想通貨ステーブルコインUSDC発行企業Circleが25倍の応募倍率でIPO完了、当初予想を上回る11億ドルを調達。時価総額69億ドルでニューヨーク証券取引所に上場予定。
08:10
政府系ファンドと協議、イーサリアムの金融システム構築に向けた進展=ジョセフ・ルービン
イーサリアム共同創設者ジョセフ・ルービン氏が政府系ファンドとの協議を公表し、イーサリアムが新たなグローバル金融システムの基盤なる可能性について力説した。シャープリンクなど、イーサリアム財務戦略を採用する企業も増えつつある。
07:50
BTCを60/40ポートフォリオに追加する際の重要点、Bitwiseが解説
Bitwiseの最高投資責任者は、60/40ポートフォリオに仮想通貨ビットコインを加えた際のリターンを試算した結果を公開。その際の重要ポイントを解説した。
07:25
ビットコインの新規クジラが3カ月で60万BTC買い占め、古参は売却継続=アナリスト
Cryptoquantアナリストの分析によると新興ビットコインクジラが3月から6月にかけて60万BTCを積み増し。一方で1万BTC以上保有の大口は2017年から売却継続とWilly Woo氏が指摘。
06:40
米上場のK-POPメディア企業、「韓国のメタプラネット」目指し710億円規模のビットコイン戦略発表
ナスダック上場のK-POPメディア企業K Wave Mediaが最大5億ドルの株式売却でビットコイン企業準備金戦略を開始。日本のメタプラネットをモデルとした戦略で株価は2倍以上上昇。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧