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米FRBパウエル議長、利下げに慎重姿勢示す 景気は堅調であるとの見方

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利下げに慎重姿勢示す

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は9月30日、全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次会合で講演し、これから時間をかけて利下げを行っていくと表明した。

投資家の懸念事項の1つである雇用については、多くの指標が堅調さを示していると説明。例えば失業率は、自然失業率の推定範囲内に十分おさまっているとの認識を示している。

FRBは9月に行ったFOMC(連邦公開市場委員会)の会合で、2020年3月以来、4年半ぶりの利下げを決定。通常の0.25ポイントの倍となる0.5ポイントの大幅利下げを行った。

FOMCとは

「Federal Open Market Committee」の略。米国の金融政策を担う最重要機関を指す。

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パウエル氏は今回も「9月の利下げ決定は、緩やかに経済が成長し持続的にインフレ率が2%に向かう状況で、政策スタンスを適切に再調整することにより労働市場の強さを維持することができるという、我々の確信の強まりを反映している」と改めて主張している。

一方で、今後の金融政策はあらかじめ決定しているわけではないことを今回も強調。これからも各種データや進展する見通し、リスクバランスを考慮しながら、FOMCの会合ごとに判断していくとした。

8月の失業率の4.2%という数値については、労働市場は明確に冷え込んでいるとしながらも、歴史的に見れば低い水準にあると説明。インフレ率については、8月の米個人消費支出(PCE)価格指数(総合:2.2%、コア指数:2.7%)を引き合いに出し、最近のデータは目標の2%に近づいていることを示していると述べた。

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CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatchツールによれば、次回11月のFOMCの会合で再度0.5ポイントの大幅利下げを行う可能性は本記事執筆時点で36.2%。前営業日の9月27日には53.3%あったが、大きく減少した。

出典:FedWatch

投資家は今後の利下げの幅とペースを注視しており、パウエル氏ら要人の発言や各種データに暗号資産(仮想通貨)相場が大きく反応する可能性がある。

FRB理事の異なる意見

FRBのミシェル・W・ボウマン理事も同日、銀行関連のイベントで講演を行った。ボウマン氏は9月のFOMCの会合で0.5ポイントの大幅利下げに唯一反対票を投じており、0.25ポイントの利下げを行うべきだと主張していた。

今回の講演でボウマン氏は、会合での投票や経済状況、金融政策について自身の見解を説明。会合後に発表した声明と同じ内容も含まれるとも述べながら、自身の考えについて語った。

ボウマン氏は、インフレを抑制して、労働市場を冷ますことに進捗が見られたために政策金利を調整するというFOMCの判断には同意すると説明。一方で、インフレに懸念が残る中で経済が強固であるのならば、最初はより小さい幅で利下げを行うべきだと考えていると話した。

例えば、8月のPCEコア指数の2.7%は、目標の2%を大きく上回っていると指摘。インフレ率が下がってきていることは歓迎はするが、目標にはまだ遠いと主張した。なお、FRBはCPI(消費者物価指数)よりもPCEを重視している。

他にも、0.5ポイントの利下げを決定することが「FOMCのメンバーは景気が悪化していると考えている、または大幅に減速する可能性があると考えている」という印象を与えかねないとも考えたと話した。

ボウマン氏は、現在の景気が大きく減速していることを示す明確な兆候はないとし、この点からも0.25ポイントの利下げから始めるべきだと考えたなどと語っている。

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