はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、未登録証券訴訟で仮想通貨ウォレット会社Rivetzに勝訴

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECに有利な判決

米連邦地方裁判所は9月30日、暗号資産(仮想通貨)ウォレット会社Rivetzに対して米証券取引委員会(SEC)が提起した未登録証券販売に関する訴訟で、SEC側の主張を支持する判決を下した。

マサチューセッツ州地裁のMark Mastroianni判事は、SECの略式判決の申し立てを認め、RivetzのSteven Sprague最高経営責任者と協議して、差し止め命令及び金銭的救済を求める判決案を提出するようにSECに命じた。

略式判決とは正規の事実審理(裁判)を省略して、提出文書に記された論拠に基づき、裁判所が判決を下すものだ。

SECは2021年9月、Rivetzが2017年7月から9月にかけて行ったICO(新規仮想通貨公開)を通じて、違法かつ未登録の証券を販売したとして提訴した。

SECの訴状によると、Rivetzは「RvTトークン」を提供/販売することで1,800万ドル(約25.9億円)を調達したが、RvTトークンは販売当時、エコシステムが存在せず、いかなる商品やサービスの購入にも使用することができなかった。また、RvTトークンの提供及び販売は、SECに登録されておらず、登録免除の対象にもなっていなかった。

Sprague氏は「RvTトークンは、投資契約ではなく、機能的なソフトウェア製品であり、ICOは証券法の登録要件の対象となる証券の販売には関係していない」と主張した。

一方、SECはRvTトークンは一般的なERC-20 トークンを超える機能を持っておらず、ICOの経済的側面がハウィーテストの条件を満たしていると指摘。投資契約として販売されたと主張した。

ハウィーテストとは

米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件(1946年)に由来する。 法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。

▶️仮想通貨用語集

ICOを証券法違反と判断

Sprague氏が以下のような行為を通じて、投資家にRvTトークンの価値を宣伝し、投資機会として売り込んだとSECは指摘。この行為は証券登録の規定に違反していると主張した。

  • RvTトークンが将来、仮想通貨取引所で取引可能になると強調
  • RvTトークンの再販の可能性について説明
  • Sprague氏の経営者としての能力とスキルを宣伝
  • 企業努力の結果としてRvTトークンの価値が上がると主張

裁判所は、Sprague氏が、米国でICOを個人的に宣伝し、ICO前にSECに登録申請書を提出していないことを知っていたことは、「議論の余地のない事実」だとして、SECの略式判決の申し立てを認め、Sprague氏の申し立てを却下した。

仮想通貨メディア「バンクレス(Bankless)」は、この判決が、ICO時代のプロジェクトが7年後の今も、SECの厳しい監視下にあることを示唆していると指摘。「SECは業界に対する”攻撃”の処理に何年も遅れをとっており、プロジェクトの告発には当分の間、かなりの遅れが続くだろう」と付け加えた。

Mango DAO:70万ドルでSECと和解

仮想通貨企業に対するSECの未登録証券販売の告発は続いている。

直近では9月27日、SECはMANGO DAO(分散型自律組織)とブロックワークス財団(Blockworks Foundation)が、MNGOトークンの未登録販売をめぐる訴訟で和解に達したと発表した。

両組織は、民事罰金70万ドル(約1億円)の支払いとMNGOトークンの破棄、取引所におけるトークンの上場廃止、さらに取引所に対するトークンの販売を控えることに合意した。一方、不正行為に関しては、認めることもなく否認することもなく、裁判所の承認を待つ形だ。

SECは両組織が2021年8月に、未登録のMNGOトークンの募集と販売を通じて、7,000万ドル(約100億円)を調達したことが、証券法違反にあるとして告発していた。

SECは「DAOという名称であっても、証券法の適用から免除される理由にはならない」と強調している。

関連:米SEC、Mango Marketsハッカーを提訴

リップル社裁判

SECが証券法違反を主張して仮想通貨企業に対して起こした訴訟で、最も注目された一つが、リップル社に対する訴訟だろう。

今年8月7日、担当した連邦地裁判事は、リップル社に対し、機関投資家向けに販売した仮想通貨XRPが証券取引法に違反していると認定し、1億2,500万ドル(約180億円)の罰金を科した。

この金額はSECが求めた20億ドルの制裁金を大きく下回っている。判事は今後、証券法に違反しないようにリップル社に命じた。

ブルームバーグのETF専門家James Seyffart氏はSNSで「SECはこれを、1億2,500万ドルのペナルティを得た勝利と呼ぶに違いない。しかし、本当はリップル社の勝利だ。そして、SECの強制執行による規制というスタンスは損なわれた」とコメントした。

関連:裁判所がリップル社に183億円の罰金、仮想通貨XRPめぐるSECとの裁判で

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/18 木曜日
22:21
ステーブルコイン「$U」がBNBチェーンとイーサリアムで始動
ユナイテッド・ステーブルズが新ステーブルコイン「U」をBNBチェーンとイーサリアムでローンチ。USDC、USDT、USD1で1対1裏付け。PancakeSwap等の主要DeFiプロトコルと初日から統合、AI経済向けにEIP-3009とx402をサポート予定。
18:27
ユニスワップ、1億UNI焼却提案の最終投票開始へ 流通量の16%
分散型取引所ユニスワップが1億UNI焼却を含む「ユニフィケーション提案」の最終投票を12月19日に開始。可決されれば手数料スイッチが起動し、UNIトークンは収益を生む資産へと転換する。
17:22
YO Labs、トークン化ゴールド「yoGOLD」の事前預入を受付開始
YO Labsがトークン化ゴールド(XAUt)で利回りを獲得できるイールドボールト「yoGOLD」を発表。金を預けて利回りを得られる。現在、事前預入を受付中。
16:43
トランプ大統領、次期FRB議長に「大幅利下げ支持」と宣言 
トランプ米大統領が次期FRB議長について「大幅な金利引き下げを支持する人物」と表明。金利1%以下を主張し、FRBの独立性を巡り議論を呼んでいる。QT終了や史上最大の税還付シーズンと相まって、仮想通貨市場への影響が注目される。
15:08
ハイパーリキッド、約1557億円相当のトークンをバーン認定へ 供給量13%削減目指す
分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッドが約1,557億円相当のHYPEトークンをバーン認定する提案を発表。承認されれば流通供給量の13%が永久除外される。取引手数料の99%を自動買い戻しに充てるアシスタンスファンドのトークンが対象で、秘密鍵のないアドレスに保管され引き出し不可能。バリデーター投票は12月24日締切。
13:45
ソラナ、テストネットで耐量子署名を導入 量子コンピュータ対策で業界をリードか
ソラナ財団は量子コンピュータの脅威に備え、テストネットに耐量子署名を導入した。Project Elevenとの提携により実証実験に成功し、実用的な量子耐性が確認された。
13:15
仮想通貨詐欺対策強化 米上院議員、セーフクリプト法案を提出
米上院議員がビットコインなど仮想通貨関連の詐欺に対策する法案を提出した。米財務省や規制当局が連携するタスクフォース設置を目指している。
12:35
バイナンス、7つの個人・団体をブラックリスト入り
バイナンスが7つの個人・団体をブラックリスト指定。詐欺行為の通報者に最大500万ドルの報奨金。内部情報漏洩事件を受け、上場プロセスの透明性を強化。
11:55
ビットコイン一時9万ドル回復も急反落、市場の脆弱性露呈と日銀会合への警戒感が台頭
ビットコインがFRBハト派発言で9万ドルまで急騰後、88,500ドル付近に反落した。過去2日間でBTC・ETHのETFから10億ドル超の純流出を記録し、市場構造の脆弱性が露呈。日銀利上げ観測と米CPI発表を控え、短期的な下押し圧力が継続する見通し。
11:25
米SECが「仮想通貨証券」の保管規則を明確化、ブローカーディーラー向けに指針を提示
米SECが仮想通貨証券の保管に関する見解を発表しブローカーディーラーが物理的保管とみなされる条件を明確化した。分散型台帳技術の評価や秘密鍵の保護、緊急時の対応計画などが求められている。
10:53
イーロン資産が93兆円突破、トム・リー「CEO個人価値のトークン化」構想とは?
イーロン・マスク氏の資産が史上初の6000億ドル(約93兆円)を突破。スペースX急騰が背景に。一方、トム・リー氏が提唱する「CEO個人価値のトークン化」構想が注目を集めている。企業価値から経営者の影響力を分離して投資できる革新的手法とは。
10:45
ブータン、ビットコインを特別行政区「GMC」に拠出へ
ブータンの特別行政区GMCは、ブータンが国としてGMCの長期的な発展を支援するために最大1340億円相当の仮想通貨ビットコインの拠出を誓約したと発表。今後の計画について説明した。
10:30
「ビットコインは脆弱な構造の中で推移」グラスノードの最新レポート
グラスノードの最新レポートによると、仮想通貨ビットコインは需要衰退で脆弱な構造の中取引されている。今後は10万ドル回復が上昇の鍵だと分析している。
10:10
ビットコイン乱高下、日銀政策決定会合を控え警戒感高まる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で約80万円の乱高下となった。米株式市場の取引開始前、FRBのウォーラー理事が今後も利下げを継続すべきとの見解を示したことを受け、リスク資産全般が買われ、一時は9万ドルを突破した。
09:45
カリフォルニア州知事がトランプ大統領の仮想通貨関連恩赦を批判、CZ氏ら含む
米カリフォルニア州のニューサム知事がトランプ大統領による仮想通貨関連の恩赦決定を批判している。バイナンス創設者CZ氏やシルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏、ビットメックス共同創設者らへの恩赦が対象となっている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧