はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ブテリン氏、イーサリアムのアップグレード「パージ」を解説 狙いはネットワークの肥大化軽減とプロトコルの簡素化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアムの課題

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は26日、ネットワークの方向性を示すブログシリーズの最新投稿で、「パージ」(The Purge)アップグレードについて解説した。

パージは、ノード実行における計算コストの削減とプロトコルの簡素化に関連するアップグレード。ブテリン氏は、イーサリアムの課題の一つが、時間の経過に伴うブロックチェーンプロトコルの肥大化と複雑さの増大であり、履歴データとプロトコル機能の増加によって発生していると指摘した。

出典:Vitalik blog

同氏はパージの主な目標として、以下の二点を挙げている。

  • クライアントのストレージ要件の削減:ノードが全履歴、さらに最終的にはステートを永続的に保存する必要性を削減するか、無くすようにする
  • プロトコルの複雑さを軽減:不要な機能を大幅に削減する

一方で、ブテリン氏はネットワークの肥大化や複雑化を軽減する努力と同時に考慮すべき点として、ブロックチェーンの特性である永続性を維持することの重要性を強調した。

イーサリアムのこの道筋をより一般化された形で把握し、長期的に安定した最終的な結果に向かうことが、イーサリアムの長期的なスケーラビリティ、技術的な持続可能性、さらにはセキュリティの究極の課題である。

関連:イーサリアムの2024年ロードマップ、共同創設者ブテリン氏が共有

履歴の有効期限

現在、イーサリアムのノード運営には、データを同期させ維持する実行クライアント用に約1.1テラバイトのディスクスペースが必要で、さらにPoSコンセンサスアルゴリズムの実行用に数百ギガバイトのストレージが必要とされている。

ブテリン氏は、ノード間のデータ・ストレージにおいて、全てのノードが完全なネットワーク履歴を保持するのではなく、データのごく一部のみを保持する分散化されたアプローチを提案している。

同氏は、「このアプローチによって、必ずしもデータの堅牢性が低下するわけではない」と述べ、以下のように説明した。

ノード運営をより手頃な価格にすることで、各ノードが履歴のランダムな10%を保存する10万ノードのネットワークに到達できるとすれば、各データは1万回複製されることになる。これは、各ノードがすべてのデータを保存する1万ノードのネットワークとまったく同じ複製係数になる。

ブテリン氏は、イーサリアムはすでに「全ノードが全履歴を永久に保存するというモデル」から離れつつあるとして、EIP-4444に言及した。

EIP-4444は「ノードは1年以上経過したデータは保存しなくても良い」とする提案だ。同氏は長期的な目標として、各ノードにすべてのデータ保存を課す調整期間(約18日間)を設定し、その後、分散型方式で、古いデータを保存するノードで構成されたP2Pネットワークを構築することを提案した。

関連:イーサリアムのステーキング集権化への対応策、ブテリン氏が解説

状態の有効期限

ブテリン氏は、履歴の有効期限に加えて、「状態の有効期限」を提案している。

履歴とは異なり、アカウント残高やスマートコントラクトのストレージなどの状態データは、設計上期限切れになりにくい。作成された状態オブジェクトごとに、イーサリアムのデータは増加していくため、クライアントのストレージ要件は年間約50GBずつ増加し続けるという。

そこで、ブテリン氏は最近アクセスされていない状態オブジェクトについて、時間の経過とともに自動的に期限切れにすることを提案し、二つのアプローチを紹介した。

  • 部分的な状態の有効期限
  • アドレス期間ベースの状態の有効期限

関連:ブテリン氏の100ドル損失体験から学ぶ、イーサリアムの課題と未来

プロトコルの簡素化

ブテリン氏は、「プロトコルが美しくシンプルであれば、バグが発生する可能性が低くなり、新たな開発者が参加する可能性も高まる」と指摘。しかし、時間の経過とともにプロトコルは複雑化するため、その複雑さを軽減する方法について説明した。

プロトコルを簡素化するためには、単一の大きな修正はなく、多くの小さな修正が必要となると同氏は言う。その一つの例として、すでにほぼ完了した「SELFDESTRUCT 」オペコードの削除を挙げた。

そのほか、データ形式の移行と一致、古いトランザクションタイプの削除、ビーコンチェーンコミッティの削除、ガスルールの簡素化などが挙げられた。

より急進的なアプローチ

ブテリン氏は最後に「より急進的なアプローチ」として、以下を提案した。

より急進的なイーサリアムの簡素化戦略は、プロトコルはそのままにして、その大部分をプロトコル機能から、コントラクト・コードに移行することだ。

最も極端なバージョンは、イーサリアムL1を「技術的に」単なるビーコンチェーンとし、誰もが独自のロールアップを作成できる最小限のVM(仮想マシン)を導入することだという。

より穏健なアプローチとしては、ビーコンチェーンと現在のイーサリアムの実行環境との関係はそのままにして、EVMを入れ替えるという方法があると説明した。

関連:イーサリアム(ETH)将来価格・今後の見通し|ETF承認後の最新動向

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/14 土曜日
09:50
ユーロポールら、違法プロキシ摘発 5億円超の仮想通貨押収
ユーロポールと米司法省が違法プロキシ「SocksEscort」を摘発。163か国36万台超のデバイスを乗っ取り、不正IPアドレス提供で仮想通貨詐欺などを助長していた。
09:20
メタコンプ、アリババ出資で累計55億円調達 ステーブルコイン決済基盤のアジア展開を加速
シンガポールのメタコンプは3月にアリババが参加したプレA+ラウンドを完了し、3カ月間の累計調達額が3500万ドルに達したと発表した。
08:20
米財務省、北朝鮮IT労働者の不正活動で制裁措置
米財務省は、北朝鮮のIT労働者の不正活動に携わったとして6名の個人と2社に制裁措置をとったと発表。仮想通貨ビットコインなどのアドレスも制裁対象リストに追加されている。
07:10
仮想通貨富豪のネイビス島開発に「贈賄」疑惑か、住民への月額100ドル支給提案に波紋
ビットコイン初期投資家のオリヴィエ・ジャンセンス氏が、カリブ海のネイビス島で進める「デスティニー・プロジェクト」が物議を醸している。政府承認を条件とした全住民への月給支給提案に対し、野党から「公的贈賄」との厳しい批判が上がった。
06:30
USDCが調整済み取引量でUSDTを上回る、みずほ証券がサークルの評価引き上げ
みずほ証券が2026年3月13日付リポートで、サークルのUSDCが2026年累計調整済み取引量においてテザーのUSDTを7年ぶりに逆転したと報告した。
06:00
著名投資家ドラッケンミラー、ステーブルコインが15年以内に決済の「主流」になると予測
億万長者投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏が、ステーブルコインの将来性を高く評価。今後10〜15年以内に世界の決済システムが同技術に移行するとの見解を示した。
05:40
イーサリアム財団、組織指針「EF使命文書」を公開 エコシステムにおける役割を明文化
イーサリアム財団は3月13日、組織の使命と原則を明文化した「EF Mandate」を公式ブログで公開した。検閲耐性・オープンソース・プライバシー・セキュリティからなるCROPS原則を中核に据え、財団を「多数いるステワードの1つ」と位置づける内容となっている。
05:00
大手銀HSBCとスタンダードチャータード、香港のステーブルコイン発行ライセンス第1陣取得へ
HSBCとスタンダードチャータード銀行が香港金融管理局(HKMA)によるステーブルコイン発行ライセンスの第1陣として認可される見通しで、香港が仮想通貨ハブ構築に向けた規制整備を加速させている。
03/13 金曜日
21:20
TOKEN2049 Dubai、2027年4月に延期 地域情勢の不透明さ受け開催断念
世界最大級のWeb3カンファレンス「TOKEN2049 Dubai」が、地域の安全保障や国際的な移動・物流への影響を理由に2027年4月21〜22日へ延期。登録済みチケットは自動移行、TOKEN2049 Singaporeへの振替も可能。
18:05
JPYC向け会計監査ツール「JPYC Explorer」提供開始 アステリアと暗号屋が共同開発
アステリアと暗号屋が日本円ステーブルコインJPYC向けの会計監査ツール「JPYC Explorer」を共同開発。自社管理型フルノードによる取引検証で、監査法人・上場企業のブロックチェーン監査に対応する。4月1日提供開始、月額50万円から。
17:51
米上院院内総務、クラリティ法の4月以前の前進は困難と示唆=報道
米上院のスーン院内総務は、仮想通貨市場構造法案「クラリティ法」が4月以前に上院銀行委員会を通過する可能性は低いと示唆。ステーブルコイン利回り問題をめぐる業界間の対立が審議の遅延に影響している。
16:44
ガーナが仮想通貨規制サンドボックスを始動 11社が参加
ガーナ証券取引委員会は仮想通貨取引プラットフォーム11社を規制サンドボックスに認定した。昨年12月に成立したVASP法に基づく初の実践的措置で、各社は12カ月間、監督下で運営を行う。
15:10
地銀系証券で国内初 十六TT証券がST取扱い登録完了、3社スキームで不動産ST販売へ
十六TT証券が2026年3月5日付でSTの取扱い変更登録を完了。地銀系証券会社としての事例で、東海東京証券・BOOSTRYとの3社による取次スキームも発表された。
13:20
米SEC、トークン化証券のイノベーション免除を限定的範囲で策定中
米証券取引委員会(SEC)のヘスター・パース委員が3月12日の投資家諮問委員会会合で、トークン化証券を対象とするイノベーション免除の策定が進んでいると説明した。包括的な免除は採用せず、投資家保護を維持した限定的な枠組みにとどめる方針で、アトキンス委員長も正式検討に近く入ると述べた。
13:00
仮想通貨の開発者が急減のデータ、AIへ流出か? 要因探る
仮想通貨のアクティブ開発者数が2025年比で減少しているというデータが話題を呼んでいる。AI分野への流出や市場低迷に加え、様々な要因が提示された。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧