はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

大手仮想通貨取引所でビットコインキャッシュ強制決済が実行|7800万円の巨額損失事例も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所OKExの緊急措置
先週行われたビットコインキャッシュのハードフォークに伴い、仮想通貨取引所OKExはBCH先物取引の停止、清算という強制措置を14日に施行した。この「異例の対応」が多くのユーザーの反感を買っている。
信用の下落
OKExの緊急措置後、ビットコインキャッシュの価格は大きく下がっており、今回のOKExの発表は、BCHに影響を与えただけでなく、取引所の信頼にも悪影響を及ぼす結果となっている。

批判相次ぐOKExの緊急措置

ここ数週間の仮想通貨業界において、最も注目度の高かったニュースはビットコインキャッシュのハードフォークだろう。先週金曜日未明に決行された時価総額4位の仮想通貨におけるハードフォークでは、Bitcoin ABC派および、Bitcoin SV派が対立しチェーン分裂が生じ、現在でも「ハッシュ戦争 」が繰り広げられている。(実際のネットワーク状況はこちらを参照

そうしてビットコインキャッシュのハードフォークを間近に控えた先週14日OKExは急遽、同取引所が提供する先物取引を同日日本時間17時5分に停止し、同日18時に清算を開始することを公式Twitterアカウント(@OKEx)で明らかにした。

OKEx側は「市場操作や相場操縦などの不正リスクを抑える為にこのような対応をした」と公式見解を発表しているが、十分な事前通告が無かったことや、先物取引が強制的に決済されたことについて、ユーザーからは批判の声が上がってきており、実際大きな損失を被った人々も存在している。

大手取引所OKExへの揺らぐ信用

そのような被害を受けた投資家の中にはQiao Changhe氏がいる。Changhe氏は、今回のOKExによる先物取引の強制清算によって70万ドル(約7800万円)の損失を出したと大手海外メディアBloombergに報告した。

Changhe氏は、以前エネルギー先物取引トレーダーを務めており、現在はケイマン諸島に登録されたConsensus Technologiesを経営している。

同氏は、今回の強制清算によってOKExに対する信頼を無くしたため、自身が運用する500万ドル(約5.6億円)規模のファンドの中からOKExでの運用資金を大幅に減らし、他取引所を代わりに使用していくと不満を露わにした。

OKExはその信用性を失っている。先物契約は、リスクヘッジの為にあるのに、無意味なものとなってしまった。

Changhe氏以外でも4人の匿名大規模トレーダーが今回の不満感を示しており、今回の緊急発表で受けた被害を理由に、OKExでの運用資金を減少させる、または他の仮想通貨取引所への移行を考えている。そのうち一人は実際に地元香港の金融規制局である証券先物事務監察委員会に被害届も出しているそうだ。

また以前Haitong International Securities Groupの運営ディレクターを務めていたAndrew Sullivan氏も今回のOKExの対応を、「違法ではなかったとしても、極めて異例の対応」だったと述べている。

さらに、ビットコインキャッシュの先物が清算された翌日の11月15日には、市場が不安定でボラティリティが高くなりやすく、重要な局面の中、OKExにて2時間以上も注文が通らないという技術的な障害も発生した。

このように異常事態が重なりつつある傾向で仮想通貨取引所OKExは、信頼を損なっていると言っても過言ではなく、今後の信用回復に注力すべきであると言えるだろう。

苦しい状況続くビットコインキャッシュと仮想通貨市場

仮想通貨ビットコインキャッシュのハードフォークによる影響もあり、時価総額4位のビットコインキャッシュは大きくその価値を下げている。そして、今回のOKExによるBCH先物取引の停止、清算も、その価格下落を促進させた一因となっていることは間違いないだろう。

実際に14日のチャートを見てみるとOKExの発表直後、ビットコインキャッシュは約-10%の下落を記録し、OKExの発表の影響が高いと見られている。

また20日現在、ビットコインキャッシュの価格はハードフォーク前の14日価格と比較すると約-40%近い下落幅を記録している。このような下落トレンドは2018年に入ってから珍しいものの、ハードフォーク後、特に顕著となっている。

出典:CoinMarketCap

ビットコイン価格は重要ラインと呼ばれていた6400ドル、5500ドルのラインをここ2週間で切っている。

追い討ちをかけるかのようにビットコイン価格は本日未明に5000ドル台を下回り、昨年10月の水準まで低下している。

出典:CoinMarketCap

ハードフォーク前後に苦しんでいるのは仮想通貨取引所だけではなく、仮想通貨市場全体だと言えるだろう。

CoinPostのLINE@

早くも4,000人突破。スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれるLINE@。

CoinPostの関連記事

BCH急落の要因|仮想通貨取引所OKExのビットコインキャッシュ先物取引、急遽18時で取引を終了
仮想通貨取引所OKExでのビットコインキャッシュ(BCH)先物取引が、日本時間17時5分に停止したこと、また18:00に清算が開始されることを急遽発表した。

仮想通貨ビットコイン急落で年初来安値更新|下落要因と専門家の意見
ビットコイン価格は11月15日、前日比で15%以上の下落を記録し、年初来安値を更新、米ドル建でも6000ドルを大きく割った他、仮想通貨市場全体も全面安となり、1日で2兆円以上の時価総額が減少した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧