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中央銀行がビットコインを準備資産に加えるべき7つの理由=米シンクタンク報告書

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

準備資産としてのビットコイン

米非営利シンクタンクのビットコイン政策研究所(BPI)は24日に公開した報告書で、中央銀行が準備資産として、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の保有を検討すべき理由を解説した。

「準備資産としてのビットコイン」と題した報告書で、著者のMatthew Ferranti氏は、中央銀行が金の保有を拡大している現状に言及。中央銀行が金の保有を選択する主な理由が、ビットコインを準備資産の一部にビットコインを配分する根拠にもなりうると主張した。

金と類似点のあるビットコインは準備資産であり、一部の中央銀行にとっては、ビットコインを準備金に加えることを検討する価値があると考えている。

Ferranti氏は、中央銀行がビットコインを保有する論拠として、以下の七つの点について議論を展開した。

  1. 歴史的立場
  2. 危機時におけるパフォーマンス
  3. 長期的な価値の保存/インフレヘッジ
  4. 効果的なポートフォリオの分散化
  5. デフォルトリスクがないこと
  6. 高い流動性
  7. 地政学的な分散化の役割

現代経済における電力の役割とビットコイン

Ferranti氏は、金は細かく分割でき、かつ化学的な耐久性があり、多様な額面で容易に鋳造できることから、長期にわたる価値の保存手段として機能してきたと指摘した。

一方、産業革命により、通貨の作成と検証には、金の鋳造のような物理的な作業ではなく、「電力の消費」という選択肢が加わったと主張。「現代経済における電気の中心的な役割を考えると、産業革命後の価値貯蔵手段の生産は、基本的に電気の消費と結びついている」との考えを披露した。

そして、ビットコインは電力を消費するマイニングによって発行され、取引の検証が行われることから、ビットコインには自己認証性があり、金が悩まされてきた偽造という課題も解消されると述べた。

ビットコインのパフォーマンス

Ferranti氏は、準備資産の重要な特徴として、「他の資産のパフォーマンスが悪化した場合に、プラスのリターンを生み出すことで一種の保険となること」を挙げている。

ビットコインは歴史的に、米国の銀行破綻と大規模な米国金融制裁に関連する2種類の経済危機で良好なパフォーマンスを示したと同氏は指摘。また、ビットコインは、供給量に上限があり、4年ごとに半減期を迎えることから、インフレヘッジの役割を果たすと主張し、ビットコインの価格上昇は、実際にはインフレの到来を予測している可能性があると述べた。

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効果的なポートフォリオの分散化

Ferranti氏は、ニューヨーク連邦準備銀行の調査結果を引用し、「ビットコインの価格は、インフレ関連のニュースを除き、あらゆる種類のマクロ経済ニュースとは無関係である」と結論づけた。

ビットコインは金や外貨などの従来の準備資産との相関が低いことから、ビットコインはポートフォリオの分散化に効果的であると、同氏は主張している。

デフォルトリスク

Ferranti氏は、ビットコインがデフォルトするリスクがない理由として、以下の三つを挙げた。

  1. 株式や債券のように将来のキャッシュフローに対する請求権を表していない
  2. マイニングプロセスがビットコインの安全性を暗号的に保証している
  3. 「選択的デフォルト」とみなされる金融制裁に耐性がある

高い流動性と地政学的リスク

Ferranti氏は、ビットコインの流動性は、米国債券市場ほどではないものの、数十億ドル規模の取引に対応でき、金の流動性に匹敵すると述べた。

また地政学的緊張が高まる時期には、ビットコインは他の仮想通貨市場から一線を画すと次のように主張した。

仮想通貨市場の大きな価格変動を調べたところ、ビットコインの急騰のみが地政学的リスク指数の急騰に依存していることが研究者によって明らかになった。これはビットコインが、仮想通貨の中で独自の地位を占めていることのさらなる証拠となっている。

Ferranti氏は、ビットコインや金が準備資産として、必ずしも全ての中央銀行に適しているわけではないとしながらも、「ビットコインには、インフレ、地政学的緊張、資本規制、国家の債務不履行、銀行破綻、金融制裁に関連するものなど、中央銀行がさまざまなリスクを分散するのに役立つ独自の投資特性がある」とまとめた。

金が準備資産である限り、ビットコインも準備資産だと言える。

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