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ゲンスラー委員長下の米SECによる提訴、仮想通貨企業の負担は計656億円に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米SECの執行措置

米証券取引委員会(SEC)は1日時点で、2021年にゲーリー・ゲンスラー氏が委員長に就任して以降、暗号資産(仮想通貨)関連企業を提訴することで企業に合計で約4.3億ドル(656億円)を負担させている。

このデータを公開しているのは、米国で仮想通貨やブロックチェーンの普及をサポートする非営利組織「Blockchain Association(BA)」のウェブサイト。BAは10月31日、SECの規制によって、非常に多くの雇用が失われ、イノベーションや投資が抑制されていると改めて非難した。

SECとは

「Securities and Exchange Commission」の略。株や債券など証券の取引を監督する米政府機関のこと。SECのミッションは「投資家を保護すること」「公正で秩序のある効率的な市場を維持すること」「資本形成を促進すること」である。

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BAの公式サイトに公開されているこのデータを作成しているのは、リサーチや分析などを行う企業「HarrisX」とBAの共同プロジェクト。対象のウェブページやそのプロジェクトの名称は「Regulation by Enforcement(執行措置による規制)」だ。

BAが31日にSECを改めて非難した大きな理由は、米大統領選が現地時間5日に迫っているためとみられる。告訴された企業が支払った金額以外にもこのウェブページには複数のデータが公開されており、その中には「有権者の3分の2が、SECは議会によって明確な規制が整備されるまで執行措置を待つべきだと考えている」という調査結果もある。

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BAのクリスティン・スミスCEOは、SECの対応について以下のようにコメントした。

SECが行なっている執行措置による規制は、米国が技術でリーダーシップをとることを妨げており、SECが保護すべき投資家を守れてもいない。

我々は、米国で仮想通貨やブロックチェーン技術の可能性が全て実現されるようにこれからも闘っていく。米国における技術の真の発展は、SECの指導者を変えることで始まる。

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その他のデータ

ゲンスラー氏が率いるSECはこれまで、コインベース、バイナンス、リップル社など多くの仮想通貨企業を提訴してきた。BAのデータによれば、ゲンスラー氏が委員長に就任してから2023年までにSECがデジタル資産業界で行なった執行措置の数は104だ。

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上述したように、対象のウェブページでは有権者のデータも公開しているが、これはHarrisXが10月25日から28日までの間に行なった調査に基づいている。

調査結果によれば、米国がデジタル資産の規制で他国よりも遅れていると考えている有権者は回答者の36%おり、進んでいると答えた割合の20%を上回った。

一方、有権者はデジタル資産業界に対するSECのアプローチに一定の満足感を示しているとの報告もある。例えば、執行措置に関して情報を得た後、3人に2人の有権者が「1つの業界を攻撃して不公平な対応を行なっているのではなく、公平な対応だと感じている」と答えたという。

また、SECの執行措置が投資家を保護していると思うかという質問に対する回答結果は以下の通りとなった。

  • 保護している:26%
  • 保護していない:21%
  • わからない:53%

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