ディートン氏破り再選
暗号資産(仮想通貨)に批判的なことで知られるエリザベス・ウォーレン議員は5日、仮想通貨推進派のジョン・ディートン氏を破って再選した。
ディートン氏は、仮想通貨の法規制動向について知らせるウェブサイト「CryptoLaw」を運営している弁護士で、2021年にはリップル社のXRPを証券とみなす米証券取引委員会(SEC)の主張に異議を唱える請願書を提出していた。
関連:仮想通貨支持のディートン弁護士、上院議員選出馬へ ウォーレン議員に対抗
一方でウォーレン氏は、選挙キャンペーンで「仮想通貨に反対する勢力(anti-crypto army)」を結成するとも述べている人物だ。
2023年5月には「デジタル資産マネーロンダリング防止法」を議会に再提出。これは顧客確認ルールを含む銀行秘密法の要件を、ウォレットプロバイダー、マイナー、バリデーターにも義務付ける内容を盛り込むものだ。
これに対して仮想通貨業界からは、自己管理型でオープンソースのソフトウェアが銀行と同様のコンプライアンス義務を果たすことは不可能だとの懸念が上がっている。
関連:米コインベースがウォーレン議員の主張に猛反発「法的遵守のための努力を曲解している」
仮想通貨めぐり応酬も
10月に開催されたディートン氏とウォーレン氏の討論では、仮想通貨もトピックの一つとなった。
この際、ウォーレン氏は、ディートン氏が当選すれば「彼の仮想通貨仲間は見返りを求めるだろう」と述べた。リップル社のガーリングハウスCEOや、仮想通貨取引所ジェミナイ創設者のウィンクルボス兄弟らが、ディートン氏の選挙キャンペーンに寄付していることを背景にした発言とみられる。
一方でディートン氏は、なぜ仮想通貨を攻撃の的にするのかと疑問を呈し、ウォーレン氏に次のような言葉を向けた。
ウォーレン議員は、仮想通貨を攻撃するのと同じようにインフレを攻撃してほしい。仮想通貨をターゲットにしているのと同じように、国境の安全確保についても攻撃してほしいものだ。
これを受けてウォーレン氏は、ただ仮想通貨が、すべての銀行や証券会社が従っているのと同じようなルールを遵守するようにしたいだけだと話した。
共和党、上院選で過半数に
一方、共和党の仮想通貨支持派のバーニー・モレノ候補は、否定派の民主党議員シェロッド・ブラウン氏との上院選で勝利を収めた。共和党は今回おの米上院選で過半数議席獲得し、民主党から多数派奪還した。
また、草の根ロビー活動を行う米国の「Stand with Crypto」によると、上院選挙では仮想通貨支持派が14議席、反対派が9議席を獲得。さらに、下院の方では、仮想通貨支持派が213議席、反対派が105議席を獲得したという。
米国では5日に大統領選が行われ、現在開票が行われているところだ。記事執筆時現在では、これまでに共和党トランプ氏は230人の選挙人を獲得し、民主党ハリス氏は182人を獲得したと伝えられる。
関連:「アルトコイン相場は米大統領選トランプ氏勝利の方が追い風に」Bitwise幹部が分析