社債収益でビットコイン購入へ
米ナスダック上場の大手マイニング企業「マラソン・デジタル・ホールディングス」は18日、転換社債を販売し、得た資金の一部で暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を買い増すと発表した。しかし、この発表は好感されずに株価は18日に14%下落した。
適格な機関投資家に対して、2030年満期の転換優先債を総額7億ドル(約1,080億円)、私募で提供する予定だ。最初の購入者には、債券の元本総額を最大1億500万ドル(約162億円)まで追加購入するオプションを付与する見込みである。
この債券はマラソンの無担保優先債務となり、2025年3月1日から毎年3月1日と9月1日の半年ごとに後払いで利息が支払われる。マラソンは、資金の使途について次のように説明した。
当社は、債券の売却による純収益の最大2億ドルを使用して、2026年満期の既存の転換社債の一部を非公開取引で買い戻す。
残りの純収益は追加のビットコインの取得と一般的な企業目的(運転資金、戦略的買収、既存資産の拡大、追加の負債およびその他の未払い債務の返済など)に使用する予定だ。
マラソンは7月、ビットコインについて完全な「HODLアプローチ=フル保有」を再開し、採掘したすべてのビットコインを売却しない方針を発表。定期的に公開市場でビットコイン購入も行っていくと述べていた。
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26,747 BTCを保有
マラソンは13日、2024年7~9月期の業績を報告した。同期に2,070 BTCを採掘し、6,210 BTCを購入。保有するビットコインを26,747 BTC(時価3,700億円相当)まで増やしている。
Our #bitcoin holdings reflect our confidence in the long-term value of BTC and our belief that it is the world’s best treasury reserve asset. pic.twitter.com/mLh8ZyjVfj
— MARA (@MARAHoldings) November 14, 2024
収益は1億3,160万ドル(約203億円)で、アナリスト予想の1億5,160万ドルを下回った。純損失は1億2,480万ドル(約193億円)で、1億9,970万ドルの純損失を報告した第2四半期からは改善している。
マラソンは7月以降の事業進捗状況として、オハイオ州で222メガワットの施設を買収し、マイニング能力を372メガワット増加させたと述べている。また、グリーンフィールドで、150メガワット級の施設を開発する敷地を確保した。
10月時点のハッシュレートは40.2エクサハッシュ/秒(EH/s)に増加し、9月比9%増となった。なお、エクサハッシュとは1秒間に100京回のハッシュ計算ができる能力である。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
▶️仮想通貨用語集
BTC保有戦略を取る企業増加
ビットコインを財務資産として保有する企業は最近増加している。その筆頭は、331,200 BTCを保有する米マイクロストラテジーだ。
米ナスダック上場の医療機器メーカー、セムラーサイエンティフィック社や日本企業としてはメタプラネットもこの戦略を取り入れている。
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