はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインSV、仮想通貨暴落の要因「ハッシュ戦争」の終了を宣言|BSVは時価総額7位にランクイン

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインSV派の重鎮がハッシュ戦争終了を宣言
ビットコインSV派の中心人物の一人で、ビットコインSVブロックの20%をマイニングしているCoinGeek社のCEOであるCalvin Ayre氏がチェーンにリプレイプロテクションを導入することにより、ハッシュ戦争を終了すると同社ブログで発表した。同氏はプロトコルレベルでのリプレイプロテクション導入は2019年の第1四半期頃になるだろうと予想している。
ビットコインSVがCoinMarketCap時価総額7位にランクイン
また27日午前3時頃、仮想通貨データサイトのCoinMarketCapがビットコインSV(BSV)を新通貨として表示を開始し、BSVは現在、時価総額7位にランクインしている。

ハッシュ戦争終了か

日本時間11月16日に決行されたビットコインキャッシュのハードフォークで分岐したチェーンの一つ、ビットコインSV派の中心人物であるCoinGeek社 CEOのCalvin Ayre氏(以下、エア氏)がビットコインABCとビットコインSVの永続的な分裂(スプリット)を改めて発表した。

エア氏は26日、「本来のビットコインの帰還|ビットコインSVはスケーラビリティと企業の利用をもたらす」と題したCoinGeek社ブログで以下の発言をした。

今後、完全に分岐(スプリット)する為にはさらに措置を取る必要がある為、BSVとABC間で調整期間が設けられる。

と述べた上で、既にPoloniexやBitAsiaEx等の仮想通貨取引所ではBCHを2つの新通貨に分岐できると触れたものの、プロトコルレベルでのソリューションは2019年の第1四半期頃に発信したいと期待を示した。

またエア氏がCEOを務め、ビットコインSVのブロック約20%をマイニングしているCoinGeek社は公式プレスリリースにて、BCHハッシュ戦争の終了を宣言した。

出典:CoinGeek

リプレイプロテクション導入

CoinGeek社はハッシュ戦争終了の為にはリプレイプロテクションが必須だと述べ、ビットコインSVプロジェクトのテクニカル・ディレクターを務めるSteve Shadders氏は以下のように言及した。

安定性の一つの側面はリプレイプロテクションだ。ABC側は安定性を優先順位の高いものとして挙げていない為、ビットコインSVは両チェーンのユーザーや企業からの信頼回復を図るべく尽力していくつもりだ。

しかし(リプレイプロテクション導入には)ビットコインSV側がビットコイン・エコシステムと連携する必要がある為、タイムライン(具体的な日程)は準備が整ってから発表するつもりだ。

「オリジナル」ビットコイン

エア氏はビットコインキャッシュのハッシュ戦争への経緯を以下の通り説明した。

ビットコイン・コア(ビットコイン: BTCが)がセグウィット通貨になった(本来のBitcoinの道から逸れてしまったという主張)昨年、我々のミッションは常に本来の、オリジナル・ビットコインをどのように存続して、成功させることだ。

ABC側のBCHは先週行われた数々の変更・アップデート(SV分裂後複数のアップデートを行っている)により、本来のビットコインからかけ離れてしまい、今ではアルトコイン・プロジェクトと化している為、もうBCHの汚れたブランドと関わるつもりはない。

ビットコインSVはサトシのビジョンを保とうとしており、本来あるべきビットコインなのだ。これからは既に活気に満ちているビットコインSVのエコシステムを構築する為に全ての労力を注ぐ。

ABC側が損傷されたBCHというティッカーシンボルを得たかもしれないが、BSVはBCHのエコシステム(ユーザー、開発者等)をぞろぞろと引き寄せている。今後BCH(とBTC)にチェーン上で戦うのではなく、仮想通貨市場で追い越したいと思う。

今後の影響

今回の宣言はあくまでも宣言に留まるため、完全にハッシュ戦争が終了するかどうか、定かでは無いが、ABC、SV陣営共にハッシュ戦争による資金の浪費は厳しい状況に追い込まれていることが予想される。

実際にSV側もリプレイプロテクションの実装アップデートが実際に行われれば、ハッシュ値に関係なく取引所側の入出金が可能になるが、SVが真のビットコインであるといった動きも、コミュニティからどのように受け入れられるかという問題も浮上している。

記事下部でも記載しているが、CoinGeekは11月28日から11月30日にかけてカンファレンスを開催する予定であり、エアー氏は今後の展開について同カンファレンスで語る予定であるとしており、ここでの発表が注目されている。

ビットコインSVに対する開発者の展望

ハードフォーク後に時価総額4位のビットコインキャッシュから分裂したビットコインSV(BSV)は、仮想通貨データサイトであるCoinMarketCapで本日午前3時頃から表示が開始されており、現在ライトコイン(LTC)やテザー(USDT)を追い越し、時価総額7位に居座っている。

出典:CoinMarketCap

ビットコインSVは昨日(26日)からの1日で+34%の上昇を記録している。(画像は午前10時時点のもの)

出典:CoinMarketCap

スケーラビリティの重要性

またSV派、及び仮想通貨ビットコインSVの開発に携わるチームはロードマップ内で以下の4点を基本的な柱として掲げている。

安定性

スケーラビリティ(拡張性)

安全性

ゼロ承認トランザクション

以上4点の中でも、エア氏や、同じくSV派の中心人物であるクレイグ・ライト氏は特にビットコインSVのスケーラビリティに注力している模様で、他通貨よりもトランザクションスピードが優れている点を強調している。

ハードフォーク前に様々なツイートを発信していたライト氏は海外仮想通貨メディアとのインタビュー内でビットコインSVは「2年以内で全てのブロックチェーン取引やPayPalの1000倍の取引量を処理できる」と述べ、「1秒で100〜200万TPS」を目指すと自身のビットコインSVに対する展望を語った。

ビットコインSVはビットコインキャッシュの32MBのブロック容量からさらに4倍となった128MBのブロック容量を誇っており、ブロック容量を増やす理由として以下のサトシ・ナカモトによる発言に忠実であり続けることを挙げている。

現在Visaクレジットカードのネットワークは1日で1500万のインターネット取引を可能にしている。ビットコインでは既に存在するハードウェアより多くのトランザクションをはるかに低いコストで可能だ。ビットコインにはスケーラビリティの上限はない。

(2009年4月)

BCHハードフォークの影響

日本時間11月16日に決行した仮想通貨ビットコインキャッシュのハードフォークにより、Bitcoin ABCとBitcoin SV、2つのチェーンに分裂していた。

ハードフォーク前、エア氏と並び、SV派の中心人物で「サトシ・ナカモト」を自称したクレイグ・ライト氏はチェーンスプリットの可能性はないと語っていた。

しかしハードフォーク前後から仮想通貨市場は懸念材料が増え急落を記録。

ハードフォーク前にビットコインが6000ドルを切ると、翌週には5000ドル、さらには4000ドルと仮想通貨市場の50%以上のドミナンスを占める仮想通貨は急激な暴落を記録した。

この下落は全面的なもので、以前は時価総額2位だったスマートコントラクト・プラットフォームのイーサリアム価格は25日、ドル建てで2桁まで転落した。

イーサ価格が2桁に!

ハッシュ戦争にかかっている膨大なコストや価格への影響はこちらから。

ビットコイン再度急落で底値見えず|仮想通貨市場続落の背景を探る
ビットコイン価格は11月25日早朝、12%以上の急落を記録し、昨年9月以来米ドル建で4000ドルを大きく割った他、仮想通貨市場全体も全面安となり、約1時間半で1兆3千億円以上の時価総額が縮小した。要因と考えられるビットコインキャッシュのハッシュ戦争を考察。

ハッシュ戦争|ハードフォーク後の主な動き

さらにビットコインABC側は21日に新たなアップデートをリリースしていた。

これによりビットコインABCチェーン上で新たなチェーンが出現した際にも、10以上のブロックを遡るチェーンに関しては拒否されるようになっている。

その後SV派のCoinGeek社CEOであるエア氏は23日にブログを更新し、「本来のビットコインはビットコインSVとして生き残る」と題した内容を公開、以下のように言及している。

もうビットコインキャッシュの名称(ティッカーシンボル)にはこだわらない。ビットコインSVは”本物のビットコインキャッシュ”ではなく、本来のビットコインだ。

nChainもABCチェーンがリプレイプロテクションを導入しチェーンスプリットを決行すれば喜んで、ABC側への介入を止めると述べている。これは「勝ち」の定義が異なる双方にとって、ウィンウィンの状態となっている。

…現段階(23日時点)ではABC側がリプレイプロテクションを導入することによりチェーンを完全に分裂することは双方にとって「WIN」となると考えている。

本物のビットコインはビットコインSVとして、本来の経済モデルを尊重しながら生き延びる。

同様に、ABC側は他の新通貨・チェーンモデルに続き、自分達の可能性を示していける。仮想通貨市場で、ユーザーが行動によってどの通貨が良いか投票できる。

なおカルヴィン・エアー氏が率いるCoinGeekは11月28日から11月30日にかけてCoin Geek Week Conference と題したカンファレンスを開催する予定で、エアー氏は今後の展開について詳細を知りたい方は同イベントで「ビットコインの再誕を祝いながら新たな発表を聞ける」とブログ内で述べている。

Coin Geek Week Conferenceでは今回予告されたリプレイプロテクション導入に関する新情報公開の可能性がある為、引き続きビットコインSVの動向に注目したいところだ。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者5,000名突破しました。乱高下する仮想通貨市場における、効率の良い情報収集にぜひご活用下さい!

CoinPostの関連記事

仮想通貨ビットコインキャッシュ最新状況|なぜ分裂通貨BCHSVが50%価格上昇したのか
23日、SV陣営の有力な支持者であるCalvin Ayre氏がCoingeekのHPに見解を示した。表明内で、ビットコインSVが「オリジナルビットコイン」であり、「オリジナル・ビットコインキャッシュ」ではないとAyre氏は主張し、BCHの名称を引き継ぐことには執着はないと述べた。
ジハン・ウー氏インタビュー:仮想通貨ビットコインキャッシュハードフォーク後の現状
世界最大級の仮想通貨マイニング企業Bitmain社のジハン・ウー氏が日経CNBC主催のイベントに登壇し、BCHのハードフォーク関連と、人事異動やIPO申請などについて言及した。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/14 土曜日
13:55
相次ぐ小規模企業による大規模な仮想通貨投資発表、VanEck専門家は株価操作の可能性を指摘
時価総額数億ドルの小規模上場企業が数百億ドル規模の仮想通貨アルトコイン購入計画を発表する事例が相次いでいる。VanEck専門家は一部を株価操作目的と分析し、投資家に注意を促している。
13:10
ビットコイン保有企業の増加でシステミックリスク上昇=コインベース分析
米コインベースが最新レポートで、現在228社が仮想通貨ビットコインを82万枚保有していると指摘し、こうした財務戦略でシステミックリスクも上昇していると説明した。
11:38
イーサリアム専門家らがETH価格を「大幅に過小評価」と主張、長期目標8万ドルも
イーサリアム技術者らが新報告書でETHを「デジタル石油」と位置付け、ビットコインとの比較で機関投資家向けに大幅な過小評価を訴える。ステーキング収益や供給上限機能により長期的な価値上昇を予測。
10:44
ブラジル下院委員会、ビットコイン戦略準備金法案を可決 
ブラジル下院委員会が仮想通貨ビットコイン戦略準備金法案を可決。外貨準備の最大5%をビットコインで保有する「RESBiT」創設を目指し、中央銀行デジタル通貨の担保活用も検討。
09:50
「ドン・キホーテ」運営のPPIH、オンチェーンでデジタル証券発行へ 若年層支援の仕組み
ドン・キホーテ運営のPPIHは、セキュリタイズジャパンと提携し若年層支援の仕組みを持つデジタル社債を発行する。majicaポイントなどで利息支払いし、若者に特典を付与する。
09:30
ソラナ現物ETF承認へ前進か、複数企業がSEC要請でS-1書類を修正提出
米SEC要請を受けフランクリン・テンプルトンやフィデリティなど複数企業がソラナ現物ETFのS-1書類を修正提出。ステーキング機能組み込みも検討され承認に向け前進。
08:20
ホスキンソン氏、エイダをビットコインやステーブルに替えることを提案
カルダノ創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、1億ドル相当の仮想通貨エイダをビットコインや複数のステーブルコインに替えることを提案。背景や目的を説明し、売り圧を懸念する声にも応えている。
07:30
現在最注目の仮想通貨関連法案、来週火曜日に米上院で最終採決見込み
米上院が来週火曜日にステーブルコイン規制法案「GENIUS法」の最終採決を実施。米ドル裏付け義務化や年次監査要件など包括的な規制枠組みを設定する重要法案の行方に注目。
07:05
今年最大規模の流入、ビットコイン長期保有ウォレットに3万超BTC=アナリスト分析
月11日にビットコイン蓄積ウォレットへ3万BTC以上が流入。2025年最大規模で、史上最高値圏でも長期投資家の積極的な買い増しが継続している状況が明らかに。
06:30
ウォルマート・アマゾンが独自ステーブルコイン検討、競争激化でビザとマスターカード株価急落
米大手小売企業がステーブルコイン発行を検討中。年間数十億ドルの決済手数料削減が狙い。競争激化でビザ・マスターカード株価下落、大手銀行も共同発行で対抗策を模索している。
05:55
米ナスダック上場企業、1000億円規模のビットコイン購入を計画 SPAC調達で
著名仮想通貨投資家ポンプリアーノ氏がProCapBTCのCEO就任を協議中。SPAC合併により750億ドルを調達し、全額ビットコイン購入に充当する計画が明らかになった。
05:35
米SharpLink Gaming、670億円でETH大量購入 イーサリアム財団に次ぐ世界2位の保有企業に
米上場企業SharpLink GamingがETH176,270枚を670億円で購入し、イーサリアム財団に次ぐ世界第2位の保有企業となった。Consensys主導の私募増資で最大ETH保有戦略を推進。
06/13 金曜日
21:13
​​セガとDJTが満を持してリリースする『魁 三国志大戦』 BCGの新潮流を切り拓けるか?
セガの「三国志大戦」がWeb3テクノロジーを取り入れた新作『魁 三国志大戦』として生まれ変わった。CoinPostでは、開発を担うdouble jump.tokyoの創業者である上野 広伸氏にインタビューを実施。開発背景や作品の魅力を語ってもらった。
18:35
MEXC関連企業、ソラナ開発者育成で新プログラム アジア太平洋地域で展開
MEXC IgniteXとSuperteamが戦略的提携を発表。Solana Summit APACで「IgniteX Solana Talent Lab」を始動し、APAC地域のブロックチェーン人材育成を推進。
17:00
超富裕層の投資戦略が大転換、株式から仮想通貨などへシフト=BNYレポート
米大手金融機関BNY Mellonが公開した最新のファミリーオフィスの投資動向調査レポートで、超富裕層による投資戦略の大きな転換が明らかになった。上場株式への投資から、プライベート市場や仮想通貨を含むオルタナティブ投資へと積極的なシフトが進んでいる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧