はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ソラナの数億円規模のサンドイッチ攻撃に対策案を提示 リサーチャーが集権化を懸念

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

集権化を懸念

暗号資産(仮想通貨)の研究開発企業Temporalのリサーチャーであるベン・カバーストン氏は11日、「arsc」という名称のボットがソラナ(SOL)のブロックチェーンで、サンドイッチ攻撃によって1日あたり何百万ドル(数億円)規模の利益を得ていることを指摘した。

現在の状況が続くとソラナの分散性に非常に大きな脅威になるとの見方を示し、2つの対策案を提示。そして、これからデータ収集を行い、近く正式な提案を行う予定であると説明している。

サンドイッチ攻撃とは、他の投資家の注文を前後で挟んで自身の注文を行うことで、不公平に利益を得る行為のこと。他のユーザーの注文を見てから自身の大規模な買い注文を差し込んで価格を上昇させ、その後に売り注文を行うことで不公平に利益を得ることが可能になる。

関連サンドウィッチ攻撃とMEV、分散型取引市場の脅威と対策について解説

サンドイッチ攻撃で得られる利益は「MEV(Maximal Extractable Value:最大抽出可能価値)」に分類される。MEVとは、トランザクションのブロックへの追加・削除・入替を通じて得られる最大価値のこと。カバーストン氏は投稿で、この2つの用語を使って説明を行っている。

同氏は、ソラナ上で取引量が増えたことで、MEVも増加していると指摘。そして、現在は、サンドイッチ攻撃によって得られる価値が、優先手数料などの他のMEVを全て組み合わせた価値を超えていると説明した。

最もカバーストン氏が懸念しているのは、MEVの集権化だという。現在の傾向が継続した場合、arscは1年から2年以内に、ソラナで最大のバリデータになると予測していると述べた。

対策案の内容

カバーストン氏は、長期的な対策については計画があるが、短期的に分散化のリスクに対応する必要があると主張。そして、集権化を遅らせる、または防げる可能性のあるアプローチを2つ提案した。

1つ目はバリデータのホワイトリストやブラックリストを作成し、「良いバリデータ」にトランザクションを送るようにすること。一方、このアプローチには、攻撃と防御が繰り返されるだけになってしまったり、支持を得て集権化を防ぐのに時間がかかったりする課題があるとした。

2つ目は、パブリックなメモプールを再導入すること。これによってバリデータやステーカーの間でMEVが再分配されるようになり、分散性が維持されると述べた。

メモプール

ブロックチェーン上の未処理のトランザクションが待機する場所。英語表記は「Mempool」で、日本語では「メモリープール」と呼ばれることもある。

▶️仮想通貨用語集

しかし、2つ目にも結局はサンドイッチ攻撃を助長しうるという課題があることを指摘。過去には、ソラナでMEVのインフラを構築する企業Jito Labsが、ソラナのユーザーに負の影響を与えるとして、メモプール機能を停止した経緯がある。

カバーストン氏は、現在は個人的には2つ目のアプローチを支持するとし、近く正式な提案を行うとした。

関連ソラナ財団、サンドイッチ攻撃関与のバリデータを支援プログラムから除外

ソラナの動向

ソラナを巡っては、ソラナ財団のステーキングエコシステムのトップであるベン・ホーキンス氏が11日、1つのブロックで処理できる計算量の制限を4,800万CU(compute unit)から5,000万CUに上げることでコア開発者が同意したと発表した。

少しの増加だが、将来的に拡張性を向上させるための慎重で重要な動きであると説明。そして、今後も制限を増加させていく予定であると述べ、ソラナの拡張性向上に継続して取り組んでいくとした。

関連11月のソラナ総括 オンチェーン活動急増、他チェーンプロジェクト進出も|Soylana Japan

関連ソラナ(SOL)おすすめ取引所、手数料・ステーキング・出庫機能を徹底比較

関連おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/04 木曜日
08:02
アンソロピックが来年IPO検討か、評価額3000億ドル超目指す=報道
AI企業アンソロピックが早ければ来年にもIPOを検討している。マイクロソフトとエヌビディアから合計150億ドルの出資確約を得ており、オープンAIと上場を競う。
07:35
DeFi保険サービス「Firelight」、XRPのステーキング機能をローンチ
DeFiの保険サービスを開発するFirelightは、Firelight Protocolをローンチ。まずは仮想通貨XRPをステーキングできる機能を提供する。
07:00
イーサリアム「フサカ」実装完了、レイヤー2取引手数料削減
仮想通貨イーサリアムの「フサカ」アップグレードが実施された。PeerDAS技術の導入によりバリデーターの処理負担が軽減され、レイヤー2の取引速度向上と手数料削減が実現。次期アップグレード「グラムステルダム」の準備も進行中だ。
06:35
フランクリン・テンプルトンもソラナETFを上場、ステーキング報酬を付与
米大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンがソラナETFをNYSEアーカに上場した。最大100%のステーキングで報酬を付与。コインベースが管理を担当。
06:10
ソラナスマホの独自仮想通貨「SKR」、来年1月発行予定 30%がエアドロップに
スマホ製造のソラナ・モバイルがネイティブトークンSKRを2026年1月に発行すると発表した。ローンチ時に30%がエアドロップされる。
05:45
ストラテジーがMSCI指数残留へ協議、ドル準備金確保は弱気相場への備え
ストラテジーのセイラー会長は指数プロバイダーMSCIとの協議を認めた。同社は14.4億ドルの米ドル準備金を確保しており、クリプトクアントはビットコインの長期的な下落に備えた戦術的転換と分析。
12/03 水曜日
17:03
XRP現物ETF、2週間弱で約1200億円規模に到達 仮想通貨史上2番目の速さ
XRP現物ETFが上場13日で8億ドル超の流入を達成し、ビットコインETFに次ぐ史上2番目の速さを記録。ソラナETFを大きく上回るペースで、アナリストは最大1兆円超の市場規模を予測。
16:25
バイナンス(海外)、15種類の現物取引ペアを停止へ 12月5日実施
バイナンス(海外)は流動性レビューに基づき、12月5日に現物取引ペア15種を停止すると発表。停止は特定ペアのみで、対象トークンの上場廃止を意味しない。取引ボットも同時に終了予定。
15:14
ゲンスラー前SEC委員長「仮想通貨は投機的」 ビットコイン除く全トークンに警告
ゲンスラー前SEC委員長がブルームバーグのインタビューで、ビットコインを除くすべての仮想通貨を「極めて投機的」と評価。退任後も投資家保護の重要性を強調し、規制の観点からビットコインのみをコモディティとして区別する姿勢を維持している。
15:00
HashPortウォレット、Pontaポイントでステーブルコインの購入が可能に
HashPortは12月1日、HashPort WalletでPontaポイントをBase上のUSDCやcbBTCに交換できる「オンランプ」機能と、暗号資産をau PAYギフトカードに変換する「オフランプ」機能を開始した。
13:40
カルシが米CNNの公式パートナーに、予測市場のリアルタイムデータを報道に統合
米予測市場プラットフォームのカルシがCNNと提携し公式予測市場パートナーになった。カルシのリアルタイムデータがCNN番組全体に統合され、政治的・文化的イベントの確率情報を報道に活用する。ソラナ上でのトークン化予測市場も開始した。
12:45
ストラテジーCEO「米ドル準備金でビットコイン売却回避」、配当戦略を語る
米ストラテジー社CEOが今後の準備金や配当戦略を詳細に説明した。米ドル準備金で当面の配当資金を確保し、ビットコイン売却を回避する。レンディング参入の可能性も示唆した。
12:14
イーロンの「Xマネー」決済システム開発で人材募集 ソラナが支援表明
イーロン・マスク氏のX Moneyが決済プラットフォームの技術責任者を募集。ソラナが協力を表明し、仮想通貨統合の可能性に注目が集まる。WeChat型スーパーアプリ実現への動きを解説。
10:32
「資産トークン化が金融のあり方を変革」ブラックロックのフィンクCEOらが論説
ブラックロックのフィンクCEOらが現実資産(RWA)トークン化の可能性を様々な観点から解説した。トークン化の2つの大きな利点や規制当局の役割などにも言及している。
10:15
Trust Wallet、予測市場へのアクセス機能をローンチ
仮想通貨ウォレットのTrust Walletは、予測市場にアクセスできる機能をローンチ。まずはMyriad、ポリマーケット、カルシの3つの予測市場に対応する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧