- 仮想通貨市場停滞も強気予想する仮想通貨有識者2名
- BCH分裂から半月、BitcoinABCの主要メンバーであるロジャー・バー氏が、仮想通貨の明るい展望をBloombergのインタビューで答えた。 その他業界の専門家に関する見解も。
ロジャー・バー氏、下落相場も強気姿勢を保つ
12月に入ってから、ビットコイン価格は4000ドル(約45万円)のラインを抜けきれていない。
下落相場が続いている2018年の中でも11月は仮想通貨市場にとって特に厳しい時期となり、1ヶ月間で最大-44%の大幅な暴落を記録した(約7年ぶりの月間下落幅)。
仮想通貨市場も全体的に苦しい状況を通り、イーサリアムに限っては価格が2桁台まで低下し、時価総額でリップル(XRP)に時価総額で追い越されている他、多くのマイナーがマイニングコストに埋もれてしまい、マイニングマシンの大体的な停止を余儀なくされている。
また12月12日に予定されていたBakktのビットコイン先物取引の開始が1月24日まで延期された事で、年内に期待されていた好ファンダメンタルズが無くなったとする見方も出ていた。
11月初頭では、2017年特に顕著だった年末にかけての価格上昇の傾向、いわゆる「クリスマス・ラリー」に期待が高まっていたが、結果的に予想が裏返った形となってしまった。
このような状況に相場がある中で、BCH分裂でも主要メンバーになっていたBitcoin.comのCEOで仮想通貨初期の2011年頃から「ビットコインの伝道師」として界隈で認知されているロジャー・バー氏が東京都内で大手メディアブルームバーグとのインタビューに応じた。
バー氏は以前から仮想通貨に対して強気な態度を持っている姿勢と「ビットコインキャッシュがビットコイン」と発言する事で一般的に認知されているが、相場が苦しい状況にあるにも関わらず、依然として仮想通貨に対する明るい展望は崩れていない。
私はファンダメンタルズを見るタイプだが、長期的な将来は今までにないほど明るい。
仮想通貨の認知度、採用、そして世界レベルでの発展はこれまでに以上に進んでいる。
私は仮想通貨、特にビットコインキャッシュに関しては強気(Bullish)です。
また本稿執筆時点では3900ドル台を推移しているビットコイン価格の底値に関する予想を以下の通りに語った。
(底値は)誰も知らない。それが仮想通貨の面白いところでもある – 誰も価格が上がるか、下がるか、または推移を続けるか(完全には予想)できない。
さらにインタビュアーから度重なるハッキングや詐欺行為の多発に関して意見を問われると、バー氏は独特な主観を明かした。
(そのような行為)はさらに仮想通貨の認知度を高めるだけだ。大手企業が仮想通貨のスペースに参入して、しかもハッカーが盗む程価値があるという意味だ。
価値が無ければハッカーがわざわざ時間をかけてまで仮想通貨を盗む訳がないのではないか。
仮想通貨業界におけるハッキング、盗難や51%攻撃などの不正行為は2018年に相次いで発覚した。
日本国内だけでもコインチェック事件や以前テックビューロ社が運営していたZaifなどの仮想通貨取引所が被害に遭った事件などは記憶にまだ新しいかもしれない。
しかしそのような事件は、逆に言えば仮想通貨がそれだけ価値があるものを象徴するとバー氏は興味深い見解を示した上で、今後さらに仮想通貨はサトシ・ナカモトが唱えた通り、通貨として利用されるべきだと言及した。
仮想通貨取引所QUOINEのCEO栢森氏
また日本の金融庁から仮想通貨交換業者としての登録を受けている取引所であるQUOINEのCEO、栢森加里矢氏もブルームバーグとのインタビューに応じ、仮想通貨市場の今後の展望や日本の仮想通貨に関する規制状況を語った。
多くの人が4000ドルがテクニカル面での底値だと言っていたが、実際誰にもどこが底であるかは分からない。
と述べる栢森氏の説明はバー氏と共通している。
しかし各国の規制面での厳格化、BCHのハードフォーク、マイニング業者のマイニングマシン停止などが仮想通貨市場を苦しめる要因であるとインタビュアーが複数の原因を挙げると、「マイナーが多く倒産すれば、それは均衡が近づいている事を意味する」と語り、
底値に到達する時期は近い。
と述べている。また現在の市場には価格の流動性と、機関投資家の参入が仮想通貨復活には欠かせないとしたものの、年末に期待されていた「クリスマス・ラリー」は11月の下落とBakktの延期で無くなり、年内はこのままの状態で価格の推移が続くと栢森氏は予想。
されど、昨年12月に記録したビットコイン価格の最高値(約230万円)を2019年の終わりまでには更新するであろうと強気な価格予想を明かした。
早くも期待される2019年
前述した通り、8月の発表以来、期待が高まっているBakktのビットコイン先物取引は早くても1月24日までに延期されているが、栢森氏も述べていた通り年内の価格上昇は諦め、市場の視野は既に2019年に移っている見方もできる。
機関投資家と米SECからの仮想通貨に対する信頼獲得につながるとされているBakktのビットコイン先物に加え、世界2位の出来高を誇る証券取引所のナスダックは日本時間昨晩、正式にビットコイン先物を2019年前半に上場する計画を発表した。
また他にも、仮想通貨取引所ErisXがナスダック、フィデリティ、ビットメイン等の大手企業21社から総額31億円の出資を受けた事が本日公開されており、米CFTCからの認可が2019年の1月から3月頃から下りる事が期待されている。
さらに米国証券取引委員会から認可に最も近いとされているVan Eck社のビットコインETFに対するSECの最終判断も2月末頃には判明する為、2019年には仮想通貨市場が再び回復する見方を支えるファンダメンタルズ材料も揃っている印象が見られる。
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