ビットコイン事業を加速
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)のインフラを開発するBlockstreamは5日、国内企業のDiamond Handsとフルグル合同会社の2社と業務提携したと発表した。
Blockstreamのグローバルなビジネス展開を加速することが提携の目的。規制当局や企業らと連携しつつ、日本でサービスを提供していくと説明した。
Blockstreamはカナダに本社を持つ企業で、創設は2014年。ビットコインのL2「リキッドネットワーク」などを開発している。
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Diamond Handsは日本で事業を展開するビットコイン専門企業。ユーザーと企業のために、画期的で実用的なビットコイン関連のプロダクトやソリューションの提供に取り組んでいる。
フルグルは、ビットコインとライトニングネットワークの未来を切り開くスタートアップに投資しているフルグルベンチャーズの日本企業。フルグルベンチャーズは、Blockstreamの筆頭株主である。
日本市場の4つの注目点
Blockstreamは日本市場の注目点について、まずは「国内企業のビットコインへの関心の上昇」を挙げた。アメリカでのビットコインETFの承認をきっかけにして世界的にビットコインへの注目度と需要が高まっており、日本企業によるビットコイン保有や、ビットコイン関連事業への参入が今後加速するとみているという。
2つ目は「ビットコインL2事業の盛り上がり」。ライトニングネットワークやリキッドネットワークなどのビットコインのL2の採用が進んでいて、日本でも取引所や大規模な企業・機関において、L2技術の実装やアプリケーション開発の事例が出始めていると指摘した。
3つ目は「RWA(現実資産)領域への注目」。日本ではステーブルコインを含むRWAの領域に特に注目が集まっており、世界的に見ても先進的な取り組みが行われているとして、その中でもビットコインを利用したトークン発行にも今後注目が集まっていくと考えているとした。
RWAとは
「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。
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4つ目として挙げているのは、ビットコイン特化のコワーキング・イベントスペース「Tokyo Bitcoin Base(T₿B)」。今年4月に東京・四谷でグランドオープンする予定のT₿BにBlockstreamの日本拠点を移し、国内のビットコインコミュニティの活性化にも寄与するとした。
事業内容
日本での事業内容については、まずは「ビットコインを利用したRWAトークン発行支援」を行うと説明。リキッドネットワーク上でのステーブルコインやRWAトークン発行の設計や実装を支援するとした。
2つ目は「ビットコインの技術監修・実装支援」。同社はビットコイン開発企業として世界トップの技術力と知見を有するとし、安全なビットコイン管理体制の構築、ビットコインL2開発などに関する技術監修や実装支援を行うと述べている。
最後の3つ目は、「セルフカストディアル型のプロダクトの提供」。セルフカストディアル型とは、秘密鍵を自身で管理できることを意味する。Blockstreamは、ビットコインやリキッドネットワーク上の資産を安全に管理できるセルフカストディアル型のプロダクトを提供するとした。
今回の提携ではDiamond Handsの東晃慈CEOが、Blockstreamの日本のブランドアンバサダーに就任することが決定。日本におけるブランド認知の向上や国内企業とのパートナーシップ拡大などをリードしていくという。
関係者のコメント
今回の提携について、BlockstreamのアダムバックCEOは以下のようにコメントしている。
規制の明確化が進み機関投資家の関心が高まる今こそ、Blockstreamが日本に直接進出する絶好の機会です。
日本は当社にとって最も重要な市場の1つであり、信頼するパートナーであるフルグルベンチャーズおよびDiamond Handsと協力することで、日本の企業や個人がビットコインを活用し、安全でスケーラブルかつ分散化された金融の未来を築けるよう支援していきます。
また、東氏のコメントは以下の通り。
世界的なビットコイン企業Blockstreamとフルグル合同会社と提携して、Blockstreamの日本市場における事業開発をリードできる機会を非常に楽しみにしています。
Blockstreamは世界的に著名な開発者が所属し、ビットコインの理念を重視する特別な企業でもあります。その点でも、自分の今までの日本のビットコイン業界での経験や知見、コネクションを最大限に活用し、今後日本市場で目に見える結果を出していければと思います。
また、今回の提携は日本のビットコイン、暗号資産市場全体にとっても重要な意味を持つと考えており、日本企業によるビットコイン保有やビットコイン事業への参入が今後加速するきっかけになると確信しています。
最後に、フルグル合同会社の川合林太郎代表は以下のコメントを寄せた。
第2次トランプ政権の発足を受け、我が日本でもビットコインとビットコインブロックチェーンの機運が高まる中、ビットコイン事業の代名詞ともいえるBlockstreamの国内向け事業のパートナーに日本のビットコイン界を牽引し続けてきたDiamond Handsを迎えることを真にうれしくそして心強く感じております。
昨年同コミュニティと共催したBitcoin Tokyo 2024は大盛況の内に幕を閉じることが適いました。ブロックストリームの日本展開も必ずや成功することと信じています。
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