はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

今週のビットコイン乱高下で推移、米中貿易摩擦が重石に|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2/1(土)〜2/7(金)の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週、2/1(土)〜2/7(金)の週次レポート:

今週もビットコイン(BTC)の対円相場は底堅くも上値の重い展開となっており、7日正午時点で、1490万円周辺で推移している。

週末にカナダ(加)とメキシコ(墨)が対トランプ関税への報復措置を発表したことで、週明けのBTCは1500万円を割り込み、下値を広げる展開となった。

もっとも、この日の米国時間に両国首脳がそれぞれトランプ氏と電話会談を行い、米国との国境警備を強化することを条件に米国の関税適用を一月延期で合意したと報じられ、相場は急反発を演じ1600万円にタッチした。

しかし、翌4日には中国が対米報復関税を来週10日から発動すると発表し、地合いは再び緩んだ。その後は目星い材料に欠ける中、日銀による追加利上げ観測からドル円相場が下落し、円建てBTCの上値を圧迫。

5日の全米供給管理協会(ISM)非製造業景気指数(PMI)の下振れもドル円を押し下げ、4日からの円建てBTCはジリ安に推移し、1500万円の維持に失敗した。

6日未明には、バイデン政権下で米連邦預金保険公社(FDIC)が暗号資産(仮想通貨)事業者を顧客に持つ米銀行に圧力をかけていたことを明かす文書が公開され、こうした規制の改定方針が発表されると、BTCは下げ止まり、東京時間に徐々に戻りを試した。

一方、相場が1500万円を回復すると、戻り売りが入り失速。7日の米雇用統計を控え警戒感からその後は売りが加速すると、ドル円の下落も再び重石となり、一時は1400万円台中盤まで水準を下げた。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

ドル円相場の下落による為替の影響で4日からジリジリと水準を下げた円建てのBTC相場だが、ドル建てでは4日以降、値固めの様相を呈している(第2図)。

トランプ米大統領によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税の発表をうけて、先週末から下げに転じたBTCだが、結局カナダとメキシコは米国側の要求を飲む形で関税適用延期に漕ぎ着け、週明けは反発した。

中国の対米関税は10日から適用される訳だが、カナダとメキシコと比べれば米中両国の経済に多大なダメージを与えるとは思えない。

カナダとメキシコは対米輸出が輸出全体の70%以上を占めるのに対して、中国の対米輸出の依存度は15%程度だ。逆に米国も対中輸出は全体の18%ほどとなっており、その依存度は近年低下傾向となっている。

もちろん、GDP世界トップ2の米中による関税の応酬がエスカレートすれば、市場にとってはリスクだが、現時点では大きな売り材料にはならないとみている。

ただ、週明けの市場の反応を見るまでは積極的にリスクを取りづらいことに変わりはない。また、米中貿易戦争に関しては、トランプ大統領も習近平国家主席も解決に向けた協議に前向きな姿勢を示しておらず、この先の潜在的なリスクとして存在し続けるだろう。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】
出所:Glassnodeより作成

一方、米国経済に目を向けると、先週の個人消費支出(PCE)価格指数は市場の予想とほぼ合致、12月のJOLTs求人件数は低下、ISM非製造業PMIは市場予想比で下振れとなり、今週のFF金利先物市場では6月に米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを決定する可能性を徐々に織り込む動きがあった。

依然として急速なインフレと労働市場の減速が期待できる訳ではないが、若干の減速兆候が見え始めてもおかしくないか。

7日の雇用統計が労働市場の減速を示し、10日の中国による対米関税発動を無事に通過できれば、来週はリスク先行度が上向き、BTCは戻りを試すだろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

関連:ビットバンクプラス公式サイト

過去のレポート一覧

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
12:00
XRPの買い方|おすすめ取引所と購入手順を図解【初心者向け】
暗号資産(仮想通貨)XRPの特徴から買い方、将来性、リップル社の最新動向や取引所の選び方も紹介します。ドナルド・トランプ次期米大統領の思惑やSECゲンスラー委員長交代による規制環境の変化、価格への影響を分析。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧