はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

Web3の最重要課題を解決する、アカウント抽象化技術を搭載したNERO Chainとは?|NERO Chain寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

はじめに

Web3サービスや暗号資産の活用がここ数年で急速に広まる一方で、実際に使ってみると「ガス代が高い」、「専用のウォレットを準備するのが面倒」、「秘密鍵の管理が不安」など、様々な壁を感じる人も多いのではないでしょうか。

こうした課題の背景には、ブロックチェーンが持つ”構造的な制約”が深く関係しています。そこで注目されているのが、アカウント抽象化をはじめとする新技術を備えたNERO Chainというプロジェクトです。 本記事では、ブロックチェーン業界が直面する課題の本質をわかりやすくひも解きつつ、NERO Chainの技術や将来性を紹介していきます。

ブロックチェーン上の最重要課題とは?

ここでは、Web3・ブロックチェーン領域が抱える”最も重要”とされる課題を整理し、その背景を簡単に説明します。

1. 「Blockspace」の限界

通常ブロックチェーンは取引データを「ブロック」にまとめて記録していきますが、ブロック一つあたりに書き込めるデータ量には限りがあります。この限られたデータ領域を指して「Blockspace(ブロックスペース)」と呼びます。 たとえば大勢の人が同時に取引をしようとすると、ブロックスペースの取り合いが起こり、ガス代が高騰したり、取引が遅延するなどの問題が発生します。

利用者が増加するにつれて、システムの処理能力や拡張性に関する課題が顕在化しており、多くのユーザーにとって大きな懸念事項となっています。

2. 「ゼロサム」によるガス代高騰

ブロックスペースは基本的に「限られた資源」なので、混雑時には高いガス代を払ったユーザーの取引が優先されます。これは限られた枠を奪い合う「ゼロサム」の構造と似ています。皆が使いたいときほどコストが上がり、プロジェクト開発者やユーザーにとっては、安定した運用が難しくなる要因の一つです。

3. ユーティリティ不足によるトークン価値の低下

ブロックチェーン上で発行されるトークン(アプリケーショントークン)は、本来なら「特定のdApp(分散型アプリケーション)の中で何かに使える」ことで価値を持ちます。しかし実際には、

* ガス代支払いに使えない(支払い用にネイティブトークンを別で用意しなければいけない)

* 使えるサービスが限定的

* 結果的に投機や価格変動目的でしか使われない

という状況に陥りやすく、多くのトークンが実用性(ユーティリティ)の乏しさから十分な価値を生み出せていません。

アカウント抽象化技術を搭載したNERO Chainとは?

こうした課題を解決するアプローチを掲げているのがNERO Chainです。NEROは、L1(レイヤー1)技術とWeb3プロジェクトの開発で豊富な実績を持つグローバルチームによって構築されており、日本にも拠点を置きながら積極的に開発・サポートを行っています。

NEROが目指す「Blockspace 2.0」

NERO Chainは「Blockspace 2.0」という新しい考え方を提唱しています。これは、ブロックスペースを単に「取り合う」だけでなく、アプリケーション側が自由に設計・コントロールできる環境を整えることで、

* ユーザーが利用しやすいガス代設計

* プロジェクト独自トークンのユーティリティ向上(特にガス代支払いにも使用可能にする設計)

* 持続的なビジネス構築

を実現しようというものです。この”Blockspace 2.0″を支える技術と機能が、アカウント抽象化とPaymasterというものです。

NEROが実現する解決策とメリット

1. アカウント抽象化とは?

一般的なブロックチェーンでは、ガス代支払いのために「特定のネイティブトークン(例:ETH)」が必要です。一方、アカウント抽象化(Account Abstraction)という技術により、アカウントのしくみ自体を柔軟にプログラムできるようになります。 これによって、「どのトークンでガス代を払うか」「どのように認証を行うか」などをアプリケーションごとに自由に設計できるようになるのです。

2. Paymasterがもたらす柔軟なガス代設計

NERO Chainでは、Paymasterと呼ばれる機能を標準装備することで、開発者が設定すればERC-20系のステーブルコインや各プロジェクトの独自トークンでもガス代を支払えるようになっています。 また、事業者側がユーザーのガス代を一部または全部負担するモデルも実装しやすくなるため、ユーザーは「自分がわざわざネイティブトークンを買いにいかなくても、使いたいサービスを利用できる」という利便性を得られます。 これにより、ガス代高騰や使い勝手の悪さが原因でユーザーが離れてしまうリスクを軽減し、プロジェクトは自らの価値提供に集中できるようになります。

関連:Paymasterがもたらすブロックチェーンの新時代、ガス代問題を解決する革新的な仕組み|NERO Chain寄稿

3. アプリケーショントークンのユーティリティ強化

NERO Chainの仕組みを使えば、これまで投機対象になりがちだったアプリケーショントークンに実用的な役割を与えやすくなります。

* プロジェクトトークンをガス代として使えるようにする

* サービス利用やガス代割引の特典を設定する

* 他のプロジェクトとのコラボでクロスユーティリティを実現する

など、トークンに多角的な使い道を持たせることで本来の価値を高められるのです。

将来的な展開:Blockspace 2.0がもたらす未来像

NERO Chainが目指す「Blockspace 2.0」の世界では、各プロジェクトが以下のような進化を遂げることが期待できます。

1. ユーザーフレンドリーなWeb3体験

  • ガス代の支払い方法が多様化し、”ウォレットに特定トークンを用意する”手間が軽減。
  • dApp利用時のハードルが下がり、多くのユーザーがWeb3サービスを気軽に体験できる。

2. 持続可能な経済圏の拡大

  • トークンが実用性を持つことで、投機に終わらない持続的な需要が生まれる。
  • トークン価格が安定しやすくなり、プロジェクトは長期的な視点で事業を育てられる。

3. 真のブロックチェーン活用

  • ブロックチェーンを”裏側”に隠し、ユーザーは意識せずに恩恵を受けられる。
  • ゲームやSNS、金融など幅広い領域で、ブロックチェーン技術が自然に浸透する。

これらの変化によって、dApps(分散型アプリケーション)とブロックチェーンの利害を一致させ、ユーザーにも開発者にも持続的にメリットがある仕組みが構築されると期待されています。

まとめ

ブロックチェーン業界が抱える課題の本質は、ブロックスペースの制約やトークンのユーティリティ不足に起因する構造的な問題にあります。混雑時にガス代が跳ね上がるゼロサム構造や、実用性の乏しさで価値を失うアプリケーショントークンなど、多くのプロジェクトがこれらの問題に悩まされてきました。

こうした課題に対し、NERO Chainはアカウント抽象化とPaymasterを活用するBlockspace 2.0というアプローチを提唱しています。

柔軟なガス代設計やトークンのユーティリティ強化を通じて、ユーザーが負担を感じずにWeb3サービスを利用できる環境を実現し、これによりプロジェクト側も持続的なビジネスモデルを構築できる道を切り開こうとしているのです。

今後、NERO Chainが提案する新しいブロックチェーンの形が進化していくことで、私たちが当たり前のようにWeb3サービスを使いこなす未来が、ますます近づきます。

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/22 土曜日
13:40
豪政府、仮想通貨のイノベーション促進政策へ 4つの計画を発表
オーストラリア財務省が仮想通貨を含むデジタル資産のイノベーション促進策を発表した。取引所規制やステーブルコイン枠組みなど4つの戦略で世界的リーダーを目指す。
13:05
トランプ大統領のサックス特命官、UAE高官と仮想通貨・AI投資協力を協議
米ホワイトハウスのサックス特命官がUAEタヌーン氏と会談。AI、仮想通貨、技術投資について協議し、「スターゲート」プロジェクトへの70億ドル投資準備が報じられた。両国の技術・経済分野での協力強化へ。
11:25
日本の物価3%高騰、仮想通貨市場に与える影響も
2月の日本インフレ率が3%に達し、日銀追加利上げ観測が強まる中、仮想通貨市場への影響が懸念される。米国の2022年インフレ時のFRB利上げがもたらした仮想通貨ベア相場の教訓から、投資家の警戒感が高まっている。
10:40
「関税と決算発表が仮想通貨市場の鍵」米コインベース週次レポート
米コインベースの最新レポートが仮想通貨市場の現状と見通しを示す。世界貿易政策の不確実性と決算発表の影響、さらに増加する機関投資家の仮想通貨投資意欲を解説している。
09:45
MegaETH、毎秒2万取引を処理可能なパブリックテストネット開始
イーサリアムスケーリングの新アプローチ「MegaETH」がパブリックテストネットを開始。10ミリ秒ブロックタイムと2万TPSを実現し、最終的には10万TPSを目指す。
08:40
バイナンス、22銘柄の上場廃止投票を開始
仮想通貨取引所バイナンスは、コミュニティ共同ガバナンスメカニズムによる上場廃止投票の第1回を開始。ジャスミー、ジーキャッシュ、FTXトークンなど22のデジタル資産が対象となっている。
07:55
コインベース、デリビット買収交渉が最終段階に
Deribitを買収へ 米仮想通貨取引所大手コインベースが、ビットコインとイーサリウムのオプション取引で世界最大のデリビット(Deribit)の買収交渉を進めていると、ブルーム…
07:25
「3600万超のアルトコインがビットコインの地位を強化」アナリスト考察
仮想通貨ビットコインアナリストJesse Myers氏が「アルトシーズンが永久にキャンセルされた」と主張。3600万超のアルトコインの出現がビットコインのドミナンスを強化する3つの理由と「キャッチ22」パラドックスを解説。
06:25
ストラテジー社、ビットコイン追加購入のため調達額を1000億円に引き上げ
仮想通貨ビットコイン追加購入のために、ストラテジー社は優先株発行規模を当初計画から45%増の7億2250万ドルに引き上げた。
06:02
米SECの仮想通貨タスクフォース始動、規制アプローチの転換点に
米SECが初の仮想通貨タスクフォース円卓会議を開催した。ゲンスラー時代の「執行による規制」からの脱却を図り、パース委員主導で新たな規制枠組みを模索していく。
03/21 金曜日
17:11
GMOコイン、ステーキングの報酬率向上とソラナなど手数料半額キャンペーン発表
GMOコインがポルカドット、コスモス、ソラナのステーキング報酬率を大幅に向上。最大で前年比2倍超の報酬率を実現し、2025年4月には手数料半額キャンペーンを実施。暗号資産保有だけで効率的に報酬を得る。
16:18
SBI北尾会長が語る仮想通貨市場の未来と戦略|FIN/SUM2025
SBIホールディングス会長がFIN/SUMで野心的成長目標を発表した。「今世紀最大の革新的技術はブロックチェーン」と断言し、急成長する仮想通貨市場を背景にデジタルスペース戦略を展開する。リップル(XRP)と提携する中、今後の展望を示した。
13:50
ストラテジーのセイラー会長が語る「ビットコインの21の真実」とは
ストラテジー社会長マイケル・セイラーがデジタル資産サミットで語った『ビットコインの21の真実』を詳説した。イデオロギー、デジタル商品、エネルギーネットワークに始まり、「新たな太陽系」としての見解など、セイラー氏のビットコイン観は果てしなく大きい。
12:00
米通貨監督庁、仮想通貨企業に対する「チョークポイント2.0」終了へ
米OCCが評判リスクの調査を終了すると発表した。トランプ政権下で進む仮想通貨規制緩和の一環として、銀行の仮想通貨企業へのサービス提供拡大が期待される。
11:16
ビットコイン市場、FRBの金融政策とSECのPoW判断は好材料 流動性低下に警戒感も
ビットコインは8.4万ドル台で推移。FOMCでのFRBによる量的引き締め(QT)ペース緩和と2025年の利下げ示唆、SECによるプルーフ・オブ・ワーク仮想通貨の非証券判断という二つの追い風が市場を下支えする。一方、Glassnodeレポートは市場流動性の急速な低下を警告した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧