![](https://imgs.coinpost-ext.com/uploads/2025/02/gold-surge-amid-tariff-war.jpg)
世界情勢などが要因に
金先物価格(GCW00・COMEX)が2月10日、過去最高値となる1オンス=2,966ドルを記録した。現物では14日に2,942.25ドルに到達。現在は利確売りによって2,900ドルへ下落。背景には、ウクライナ戦争の長期化や米トランプ大統領の関税拡大政策への懸念、グローバルな脱ドル化の動きが加速させていることがある。
![](https://imgs.coinpost-ext.com/uploads/2025/02/Screenshot-0007-02-15-at-8.24.39-640x413.png)
出典:グーグル
一方、ビットコイン(BTC)は1月20日に史上最高値である10.8万ドルを記録後、調整局面に入り、9.7万ドル前後で推移している。過去1カ月間の推移を見ると、ドル指数が2.13%下落する中、金価格は7.29%上昇した。
仮想通貨投資企業ビットワイズの欧州リサーチ部門責任者のアンドレ・ドラゴシュ氏はThe Blockの取材で、マクロ経済環境の変化により、投資家が米国債から金やビットコインなどの代替的な価値保存手段にシフトしていると指摘する。
2024年第4四半期の中央銀行による金の純購入額は、過去10年で最高水準に達した。また、COMEX(商品取引所)の金在庫が急増していることから、米国の投資家による金需要も顕著に高まっているという。
この傾向は2022年のウクライナ侵攻とそれに伴うロシアの外貨資産凍結以降、加速している。ドラゴシュ氏によると、SWIFT(国際銀行間通信協会)取引におけるドルの使用は増加しているものの、外貨準備に占めるドルの割合は低下しており、インフレなどによって価値保存手段としてのドルの信頼性が低下している。
米10年国債利回りは最近の4.79%から4.5%に低下。最大の保有国である中国と日本が米国債の保有を減らしていることで、長期的な需要に対する懸念が高まっている。
関連:米国等が進めている「ビットコイン準備金」構想|世界・日本の状況は?
また、中央銀行の間でビットコインへの関心も高まっており、ある外国の中央銀行がビットワイズに対し、米国債の一部をビットコイン現物ETFに振り替える検討を行っていることが明らかになった。チェコ国立銀行も同様の検討を進めているという。
さらに、スタンダードチャータード銀行のデジタル資産リサーチ部門責任者ジェフ・ケンドリック氏は、ロシア・ウクライナの和平合意への期待から原油価格が下落し、トランプ氏の関税リスクが後退すれば、ビットコインを含むリスク資産は上昇する可能性があると指摘。ビットコイン価格は近く10.2万ドルを試す展開になるとの見方を示している。
関連:米CPIとトランプ外交が引き起こす仮想通貨市場の乱高下|仮想NISHI
関連:アーサー・ヘイズ独占インタビュー|ビットコイン短期75,000ドル、年末250,000ドル予測の展望は?