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仮想通貨相場は弱含み、ETP(上場投資商品)は5週間ぶり流出超過へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-0.19%の1BTC=96,100ドルに。

BTC/USD日足

テクニカル分析の観点からは、昨年10月以降の上昇トレンドは維持されているものの、直近は上値の重い展開が続いている。

FRB(米連邦準備制度)の金利引き下げやトランプ大統領就任に伴う米政府の“ビットコイン準備金”を巡る思惑が後退した事による利益確定売りと、トランプ政権の関税政策を巡る不透明感が、上値を抑える要因となっているものと見られる。

サポートライン(下値支持線)の92,000ドルを明確に割り込まない限り、現在のレンジ内での推移は調整局面と捉えることができるとの見方がある。一方で、BitMEX創業者のアーサー・ヘイズ氏は、短期的には75,000ドルまで下落する可能性が高いと分析している。

関連:資金流入が細り低ボラティリティの仮想通貨市場|仮想NISHI

関連:アーサー・ヘイズ独占インタビュー|ビットコイン短期75,000ドル、年末250,000ドル予測の展望は?

流出超過へ

資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、先週の上場投資商品(ETP)への資金流入は、純流出に転じた。

機関投資家は先週、仮想通貨関連商品から4億1500万ドル以上を引き揚げた。流出超過は5週間ぶりとなり、これは米国大統領選後から19週間続いていた資金流入の流れが反転した可能性があることを示している。

米大統領選後に続いていた機関投資家による仮想通貨投資の大規模な買い入れが終息を迎えたとの見方も浮上した。

過去19週間で仮想通貨の上場投資商品(ETP)には約300億ドルもの資金が流入したが、これは2024年1月に上場したビットコイン現物ETF(上場投資信託)の最初の19週間における160億ドル規模を大きく上回るほどの規模である。

資金流出の背景については、パウエルFRB議長の議会証言でより強硬なタカ派的姿勢が示されたことと、予想を上回る米インフレ指標の発表が影響したと分析している。

地域別の動向を見ると、最大の流出は米国からの4億6,400万ドル。一方で、ドイツ、スイス、カナダではそれぞれ2,100万ドル、1,250万ドル、1,020万ドルの流入が記録された。この対照的な動きは、タカ派的な金融政策の影響が主に米国市場に限定されていたことを示唆している。

仮想通貨別では、ビットコインが4億3000万ドルの大規模な資金流出に見舞われた一方、アルトコイン市場では、ソラナ、XRP、Suiがそれぞれ890万ドル、8500万ドル、600万ドルの資金流入を記録。投資資金の一部はビットコインからアルトコインへシフトしたようだ。

一方、米大手金融機関JPモルガン・チェースが、仮想通貨ETFへの投資を大幅に拡大していることが、米証券取引委員会(SEC)への最新の13F報告書で明らかになった。2024年5月の76万ドルから約3割増加し、現在はビットコインとイーサリアムのETFに総額101.6万ドルを投資している。

JPモルガンの投資拡大の決定は、こうした短期的な市場変動に影響されない長期的な投資戦略の一環とみられる。

この動きは、他の大手金融機関の投資拡大傾向とも一致している。ゴールドマン・サックスは同じく13F報告書で、ブラックロックのIBITを12.7億ドル(2,407万株)、フィデリティのFBTCを2.88億ドル(353万株)保有していることを公表。前四半期比でIBITが88%、FBTCが105%の増加となっている。

関連:ビットコインは今後どうなる?2025年の価格予測と3つの注目材料

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