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ビットコインを購入
南アフリカで上場する投資企業Altvest Capital(以下、Altvest)は21日、戦略的な資金管理の一環として初めて暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を購入したことを発表した。
ビットコインを購入し始めた目的は、財務の回復力の強化、株主に提供する価値の保護、世界で最も認められた分散型のデジタル資産へのエクスポージャーの獲得だと説明。また、現時点では他の仮想通貨を保有していないが、今後もデジタル資産領域を注視していくとは述べている。
Altvestの役員会は包括的なリスク評価を行い、代替資産投資に関する自社の理念にビットコインは合っていると判断した。ビットコインはマクロ経済のリスク、特に南アフリカの通貨「ランド」の下落のヘッジ手段として活用でき、長期的に成長も見込めると評価している。
また、他にも発行上限が固定されていること、完全な分散型の資産で検閲耐性があること、ストラテジー社などの企業らによる購入が進んでいること、流動性が高いこと、南アフリカや世界で規制が明確化されてきていることなどもビットコインを選んだ理由に挙げた。
AltvestのWarren Wheatley CEOは今回の発表で以下のようにコメントしている。
ビットコインは基本的に他のデジタル資産とは異なる。真の意味で分散し、希少性が高く、世界的に認められており、当社の投資理念に合った唯一のデジタル資産だ。
ビットコインは、経済が不安定になることや法定通貨の価値が下落することへのヘッジ手段として機能すると同時に、戦略的な準備資産として資金のポートフォリオの強化に役立つと我々は考えている。
また、同社は、ビットコインを購入し始めたことに加え、2025年2Q(4月から6月)か3Q(7月から9月)にビットコインに投資できる金融商品をローンチできるように、規制当局の認可を待っている。この金融商品は機関投資家と個人投資家にビットコインのエクスポージャーを提供するものだ。
なお、Wheatley氏は、仮想通貨メディア「Cointelegraph」に対し、今回は規制への懸念もあるため、1BTCを購入したと明かした。また、今後は、技術に精通したルワンダやケニアの上場企業がビットコインを購入し始めるのではないかとの見方を示したという。
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アルトコインについて
Altvestは、今後もデジタル資産領域を調査していくとは述べているが、現時点では他の仮想通貨を購入する計画はないと説明。多くのデジタル資産がそれぞれ特徴を持っていることは認識しているが、同社の理念に沿わない点があるとし、4つの根拠を挙げた。
まずは、インフレしたり、供給の仕組みが中央組織に管理されたりしている場合があること。もう1つは、中央集権的なガバナンス構造に依存している銘柄があるとした。
他にも、流動性の水準、市場の成熟度、規制の不確実性も考慮したと説明。こういった点からビットコインが同社の理念に合った唯一のデジタル資産であると判断した。
Altvestは、アフリカの上場企業でビットコインを購入したのは同社が初だと強調している。
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