
累計5億9,000万ドルを調達
ドナルド・トランプ一族が進めるDeFi(分散型金融)プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)は14日、最新のトークン販売ラウンドを完了した。プライベートラウンドも含め、これまでの合計で約5億9,000万ドル(約880億円)を調達している。
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WLFIの総供給量は、1,000億トークンに設定されている。今回のラウンド後、このうち25%まで販売が完了した。
WLFIは昨年10月に200億トークンの新規公開販売を開始した。総供給量の20%を1トークンあたり0.015ドルでホワイトリストに登録された投資家に販売している。
米国の規制リスクを回避するため、アメリカ国内での販売は現在、適格投資家のみに制限されていた。
WLFIトークンの保有者は、プロジェクトの行方についてガバナンス投票を行ったり、プロトコルのアップグレード、資金配分、パートナーシップなどの提案が可能となる見込みだ。
WLFIは、分散型金融へのアクセス大衆化を促進することや、ドル建てステーブルコインの普及促進などにより、米ドルの世界的地位を強化することをミッションとしている。
DeFi(分散型金融)とは
ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。
資金調達にあたっては、特に暗号資産(仮想通貨)トロン(TRX)創設者のジャスティン・サン氏が昨年11月、WLFIに3,000万ドル(約45億円)を出資しており、大きく貢献している。その後、サン氏はWLFIのアドバイザーに指名された。
また、1月には投資プラットフォームのWeb3Portも1,000万ドル(約15億円)の投資を行った。Web3Portは、これからもWLFIと投資やエコシステム開発などの面で協力することを模索していきたいとしている。
様々な仮想通貨からなる準備金を計画
WLFIは2月、同プロジェクトの財務基盤として機能する準備金「マクロ・ストラテジー」を設立することも発表した。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、その主要な仮想通貨を組み入れることを示唆している。
また、現実資産(RWA)トークン化プラットフォーム「オンド・ファイナンス(ONDO)」と提携し、オンドの発行するトークン化資産を準備金の一部に採用することも検討している。
さらに今月には、仮想通貨スイ(SUI)との提携も発表されたところだ。次世代のブロックチェーンアプリや資産の開発で協業していく他、SUIを準備資産に加える計画である。
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WLFIへの批判も
WLFIについては、様々な批判も向けられているところだ。トランプ大統領の利益相反の可能性の他、トークンが譲渡不可能であることからは、投機的な価値を求める投資家には魅力が薄いと指摘されている。
またWiredによると、仮想通貨アナリストのノエル・アチソン氏は昨年10月、トランプ一族のブランドは注目を集めるだけに、失敗した場合は規制当局や投資家が仮想通貨エコシステム全体に懐疑的な目を向けるリスクもあると意見していた。
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