はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

トランプ関税不安の中、アナリストが見る今年の仮想通貨相場の行方|TEAMZ WEB3 AIサミット

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

業界トップアナリストが見る仮想通貨相場の行方

2025年4月16日、TEAMZ WEB3/AIサミットの最終セッションとして「2025年の仮想通貨市場展望:次の強気相場は来るのか?」が開催された。

本セッションでは、業界を代表する専門家6名が登壇し、トランプ政権の関税政策や量子コンピューター、Web3とAIの融合など、現在の市場状況から今後の展望まで幅広い視点で議論が展開された。

市場の現状分析

セッション冒頭、ハイパーリズム(hyperrhythm)CSO阿部喜一氏は、「単に価格が上がる下がるという表面的な部分だけではなく、自然的に価格が上がるような制度的な構造の変化が重要」と指摘。日本においても税制改革や金融商品化の動きが進むことで、金融機関や保険会社、年金企業などの大きなプレイヤーが市場参入しやすくなり、それが強気相場形成に繋がるとの見方を示した。

CoinPostに市況記事を寄稿するエックスバンク専務取締役アナリストの仮想NISHI氏は、「トランプ大統領によるビットコイン購入に関する発言や、関税政策による不確実性の増大によって、現状では機関投資家は仮想通貨市場から資金を引き上げる傾向にある」と現状を分析した。

関連記事:トランプ関税ショックで金融市場に動揺波及、仮想通貨相場大幅下落

関連:ビットコイン乱高下、米GDPマイナス成長と利下げ観測で|仮想NISHI

アナリストたちの見解

マネックス証券の松島真倫氏は「トランプの関税政策の影響で、マーケット全体が様子見の状況。7月頃にはその状況が明確になると考えると、2025年前半はやや不透明な状況が続くが、7月以降、後半にかけて相場が再び上昇していく可能性がある」と指摘した。

毎週末CoinPostに市況記事を寄稿するビットバンクの長谷川友哉氏は「オンチェーンデータから見ると、ほぼすべての投資家層の資金が市場から流出している状況。ビットコインの上昇には新たな資金流入が必要だが、マクロ経済の不透明感が解消されることが大前提となる」と説明した。

一方で仮想NISHI氏は「マイクロストラテジー社などビットコインを大量保有する企業の損益分岐点(約67,400ドル)を下回る水準が続くと、これらの企業がビットコインを売却せざるを得なくなり、売りが売りを呼ぶ負のスパイラルに陥る可能性がある」と下落リスクを指摘した。

関連:ビットコイン10万ドルも視野、貿易摩擦懸念緩和が支援材料に|bitbankアナリスト寄稿

ブロックチェーンの進化と社会的影響

ジャパンオープンチェーンの近藤秀和氏は技術的な側面から「中長期的には量子コンピューターの発展がビットコインに与える影響を注視している。また、イーサリアムについてはファウンデーションの指導者交代による安定化が見られ、今後さらに価値が高まると期待できる」と述べた。

また、近藤氏は「日本で今年中に政府系コインが登場する可能性があり、これは社会的に大きなインパクトをもたらす。我々のプロジェクトではTPSを現在の1000回/秒から1万回/秒に高める取り組みを進めており、その高速化が進めば爆発的な普及が期待できる」と語った。

関連記事:ビットコイン・仮想通貨への量子コンピューター脅威、実現は「数十年先」 アナリスト指摘

2025年末の価格予測

アナリストによる2025年末の価格予測では、松島氏と長谷川氏が「最大20万ドルまで上昇する可能性がある」と上昇シナリオを支持。松島氏は「夏頃までは不透明感が強いが、アメリカのFRBメンバーの中で緩和姿勢を取る人が増えてきていることから、夏以降に利下げが再開される可能性がある」と説明した。

対して仮想NISHI氏は「今年中に最高値を更新することはないだろう」と予想。「トランプ大統領の発言により株価が大きく変動する状況では投資資金が入りにくく、米中貿易の輸出量も減少していることから、スタグフレーションのリスクがある。アメリカが追加でビットコインを大量購入するような動きがない限り、最高値更新は難しい」との見方を示した。

関連記事:ストラテジー社が大量保有するビットコインの売却リスク懸念について分析=beincrypto

Web3の将来

パネリストたちは価格動向以外にも、Web3の将来性について言及。阿部氏は「Web3のネイティブ経済が今後さらに発展すると思う。特に注目すべきは、AIと暗号資産の関係。AIが決済や資産保有を行う際、法定通貨よりも暗号資産の方が使いやすいという側面がある」と指摘した。

仮想NISHI氏は「価格が下がっている時こそ面白いものが生まれる。DeFiが登場したのは2018年の相場低迷期、NFTが流行し始めたのは2019-20年のFTX事件前後の時期。価格が低迷している時ほど、落ち着いた研究開発が進み、次世代のブレークスルーが生まれる」と語った。

松島氏も「Web3というトレンド、つまりあらゆる資産がブロックチェーン上に移行していく流れは続く。現在はステーブルコインが中心だが、ブラックロックがNFTトークンを発行するなど、中長期的なトレンドとして進展していく」との見方を示した。

関連記事:CoinExが展望するAIとWeb3の未来|2つの最先端技術の融合がもたらす変革とは

まとめ

本パネルディスカッションでは、市場分析、技術的側面、制度的変化など多角的な視点から暗号資産の未来が議論された。専門家たちの間でも価格予測は分かれたものの、暗号資産とブロックチェーン技術が社会に根付き、継続的に発展していくという点では意見が一致していた。

特に、金融機関の参入や制度整備の進展、Web3エコシステムの拡大、AIとの連携など、短期的な価格変動を超えた中長期的な発展に対する期待が示された。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
17:11
SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
15:08
みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
13:50
米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。
13:00
米ストラテジー社に集団訴訟 ビットコイン保有リスクを軽視と主張
米国でストラテジー社に対する集団訴訟が提起された。ビットコイン投資戦略を過大評価しリスクを軽視したと主張している。新会計規則適用後の損失計上が争点の一つになっている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧