はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

CoinExが展望するAIとWeb3の未来|2つの最先端技術の融合がもたらす変革とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

AI(Artificial Intelligence:人工知能)は、人間の予想を遥かに超えるスピードで進化し続けています。例えば2023年時点ではOpenAIがリリースした生成AI「ChatGPT」が大きな注目を集めており、様々な業務における代替可能性や潜在的リスクについての議論は熱を帯びるばかりです。

AIはテック業界をはじめとして、すでにマーケティング・製造・金融などの業界でも活用されており、今後は医療や福祉の分野でさらなる普及が進むと予測されます。また、ブロックチェーン関連技術との融合により、Web3市場にも大きな変化をもたらすでしょう。

そこで本記事では、香港で設立・2023年現在はイギリスに本拠地を置くグローバルな暗号資産取引所「CoinEx」が考える「AIとWeb3の未来」についてレポート。AIとWeb3の融合で生まれる新たなビジネスモデル等について、ご紹介します。

参考:AI技術の爆発的な普及でWeb3+AIがぶつかる新しいビジネスモデルとは?

1.AIの進歩は、既に人間の想定を超えて加速している

OpenAIの調査によると、ここ10年でAIの処理能力は人間の想定を遥かに超えた速度で進化しています。統計によると、AIのキャパシティは「3〜4ヶ月ごとに2倍」という指数関数的な増加を記録。こういった加速度的な能力の向上により、以前は不可能だとされていた高度な処理が次々と実現されるようになりました。

そもそも、AI・機械学習の概念が確立され始めた時期は1950年代まで遡ります。1956年に開催されたダートマス会議で、米国の計算機学者John McCarthy氏らが「人工知能」という用語を初めて提唱し、計算機を用いた人間の知性を模倣・再現する試みを開始しました。

それから半世紀以上にわたって研究が進められた後、コンピューターの処理能力とデータ容量の増加が進んだ2000年代以降に実用化が加速。例えば、GoogleやMicrosoftといったテック大手は、10年以上前からAIや機械学習を導入しています。

とはいえ、これまで個人がAI技術を直接活用する機会は多くありませんでした。しかし2022年11月に専門技術を必要とせず利用できる対話型AI「ChatGPT」がリリースされ、AIの一般化が爆発的に進行しました。その他にも、医療では画像診断AIやゲノムの解析、金融業界ではクレジットカードの不正検知や審査に活用され始めるなど、AIの普及は加速するばかりです。

このような「AI革命」ともいえる進歩は、AIが人間の進化のスピードをはるかに上回るペースで進歩し、最終的には人間の知能を超えた域に到達することを示唆しています。次章では「Web3業界」において、AIがどのような形で影響を与えていくのか具体例を解説しましょう。

2.AIが「Web3業界」に与えるインパクトとは

AIは、暗号資産・ブロックチェーンなどに関わるWeb3業界にも大きな影響を与えてゆくでしょう。本章では、AIとWeb3という2つの最先端技術が融合して生まれる「インテリジェントブロックチェーン」「インテリジェントdApps」「メタバース」について考察します。

2-1.インテリジェントブロックチェーン

まず考えられるのが、AIとブロックチェーンを融合した「インテリジェントブロックチェーン」です。分散型の金融システムを実現する技術として誕生したブロックチェーン技術とAIは非常に相性が良く、融合すれば両分野において大きな進歩が見込めます。

AIと融合した次世代のブロックチェーンでは、機械学習を用いた機能をインフラストラクチャの核となる部分にビルトインした仕様になると考えられます。結果、ネットワーク全体のセキュリティ強化や、ブロックチェーン上のトランザクション自動化などを大きく促進するでしょう。

2-2.インテリジェントdApps

ブロックチェーン上で実行される分散型アプリケーション「dApps」もまた、核となるシステムに機械学習モデルを組み込むことで、大きな進化を遂げると考えられます。

既にNFT分野においては機械学習の導入が急速に進められており、徐々に他のdAppsサービスにも普及していくでしょう。2023年時点のNFTは、静止画アートや、あらかじめプログラムされた動作のみ実行可能なゲームキャラクターなどが一般的です。

しかしAIを搭載することで、実際に知性や感情を持っているように振る舞うNFTが実現できるでしょう。例えばゲームキャラクターであれば、所有者の感情によって態度を変える・過去に行った対話を記憶している等、本物の人間と同じように会話が成立するNFTが生まれるかもしれません。

メタバースにおいては「管理の自動化」「コンテンツ開発」などの側面でAI関連技術が大きく活用されてゆくでしょう。

ビッグデータを学習させたAIを活用して業務自動化を図る「AIOps(Algorithmic IT Operations)」のような技術を応用すれば、メタバースの監視・統括やリアルタイムでのユーザーインタラクション処理といった定型業務を、24時間365日休まず実行できるシステムを設計可能です。また、画像や動画生成AIによって、メタバース内にユニークでハイクオリティなコンテンツを継続的に供給する、といった活用方法も考えられます。

2-3.インテリジェントプロトコル

さらに近い将来、スマートコントラクトやプロトコルに機械学習を統合した「インテリジェントプロトコル」が生まれるでしょう。インテリジェントプロトコルは、特にDeFi(分散型金融)の分野での活用が期待できます。

既存のDeFiシステムを強化できるほか、より合理的でフェアな資金の貸出・融資サービスを実現するプロトコルの開発も可能でしょう。例えば、AIを活用したデータ解析によって集計されたウォレット保有者のスコアに基づき、世界中のウォレットから得た融資を均等に分配する融資プロトコルなどが考えられます。

このように、AIとWeb3の親和性は高く、この2種類の技術が融合することで生まれる可能性は計り知れないほど大きいです。そこで続いては、こういった変革から生まれ得るビジネスモデルについて考察します。

3.AIとWeb3の融合で生まれる新たなビジネスモデル

CoinExによれば、AIとWeb3の融合により、いくつか新たなビジネスモデルが誕生するとのこと。大きな変化が生まれる分野の代表例としては、以下が挙げられます。

  • デジタルアート
  • 分散型AIマーケットプレイス
  • 分散型データマーケットプレイス

既存のシステムにAIが新たに加わることで、どのような変化がもたらされるのか、各項目を見ていきましょう。

3-1.デジタルアート

デジタルアート市場は、AIとWeb3が融合することで大きな市場を生み出すかもしれません。

デジタルアート市場の主要なコレクターはAI市場・Web3市場に高い関心を寄せている傾向があるため、今後AIとWeb3が普及するにつれて、デジタルアートのニーズも高まる可能性があります。一方でデジタルアートを作成できるアーティストは限られており、需要に比した供給の少なさからアートの価値高騰が起こりやすくなると考えられます。

3-2.分散型AIマーケットプレイス

また、AIモデルをオープンに取引できる「分散型AIマーケットプレイス」も今後大きな発展が期待できる画期的な市場です。

これは、中央集権的なデータ管理の制約を受けない分散型マーケットプレイスで、AIモデルを購入・レンタル・リースできるほか、開発者であれば出品も可能というビジネスモデルです。こういった誰もが自由に取引に参加できるAIのマーケットプレイスが普及すれば、個人がAIの開発や進歩に貢献できるようになり、AI市場の貢献を大きく後押しするでしょう。

ブロックチェーン技術により開発者・購入者の透明性やセキュリティを確保しつつ、DAOによる取引手数料の公平な収益分配といったインセンティブ構造なども実装可能です。

3-4.分散型データマーケットプレイス

さらに、企業が保有する膨大なビジネスデータを売買できる「分散型データマーケットプレイス」も生まれる可能性があります。スマートコントラクトで定められたルールに従って自動で取引が実行されることで、プライバシーの機密性を維持しつつ提供データの移転を可能にします。

分散型データマーケットプレイスにおいて、AIは膨大なデータのノイズ除去や、各ユーザーが関心を持つ分野のデータを提案するアルゴリズムなどの面で活用されるでしょう。

4.暗号資産取引所CoinExの概要

今回、AIとWeb3の将来像について考察したのは、2017年に設立されたグローバルな暗号資産取引所「CoinEx」です。

「暗号資産取引をより簡単に」をモットーに掲げ、暗号資産取引への参入障壁を下げるユーザーフレンドリーな設計が魅力。200以上の国と地域、そして500万人以上のユーザーに、スワップサービス・スポット取引・証拠金取引・ストラテジックトレーディング・先物取引・自動マーケットメーカー(AMM)・金融サービスなどを提供しています。取引銘柄数は726種類、取引ペアは1142ペアと、豊富な取り扱い数を誇るのも特徴です。

コールドウォレットやマルチシグニチャを駆使した、設立以来ハッキングや不正アクセスなどの被害が報告されていない万全のセキュリティ対策と、万が一の場合には100%資産保護の保証があるため安心して取引ができるでしょう。

CoinExの最近の動向としては、香港ユーザー向けの暗号取引サービス「BitHK」を立ち上げるなど、その規模は拡大中です。

5.AIとWeb3の融合は、今後数年でさらに加速する

AIの進化は凄まじく、人間の想定を遥かに凌駕しています。多くの分野での活用が進むとされており、Web3も例外ではありません。

AIとWeb3は相性が良く、ブロックチェーンやdAppsの開発、メタバースの構築などにAIの処理能力の高さや、優れた自動化能力を活用できるでしょう。新たなビジネスモデルが誕生する可能性も秘めており、NFTアートに加えて、新たな検索プラットフォームや、分散型AIマーケットプレイスの誕生が期待されています。

AIがさらに進化すれば、今では考えられないような活用方法が生まれるでしょう。AIとWeb3の融合は、今後も目が離せないトレンドです。

「AI技術の爆発的な普及でWeb3+AIがぶつかる新しいビジネスモデル」については、CoinExのブログでも説明しています。

詳細:https://www.coinex.com/blog/ja_JP/3118-what-new-business-model-will-web-3-and-ai-collide-with

関連:暗号資産取引所CoinEx4周年 CEOが語る最新トレンドと今後のビジョン

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
18:00
JPYC株式会社、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
JPYC株式会社が、2026年2月27日に東京都内で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など「通貨の進化と社会実装」をテーマに、産官学のリーダーが議論を行う。
17:48
仮想通貨のインサイダー規制導入、市場成熟へ IEO投資上限も提案|金融審議会
2025年12月10日公表の最新の金融審議会報告書で暗号資産(仮想通貨)が金商法の規制対象になることが明記された。IEO投資上限のほか、コード監査義務化、インサイダー取引規制など投資家保護を抜本強化する。交換業者への影響と今後の展望を詳解
17:11
シルクロード関連ウォレット、10年ぶりに突如活動 4.7億円相当ビットコインを送金
10年以上休眠していたシルクロード関連の仮想通貨ウォレット約312個が突如活動を再開し、約4.7億円相当のビットコインを送金。今年は5月にも大規模な移動が確認されている。米政府は押収資産を戦略準備金として保有する方針を示すも、売却疑惑も浮上。
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧