- 初の国会法案、仮想通貨に法的定義を
- 米時間木曜日、米国会下院議員Warren Davison氏とDarren Soto氏は『トークン分類法 2018』という米国初仮想通貨を法的に定義する法案を正式に提出した。最大の特徴は、仮想通貨を有価証券から分離させること。この動きは、全体仮想通貨業界に極めて良い知らせと期待されている。
米国会に新しい法案、仮想通貨に定義を
米時間木曜日、米国会下院議員の共和党Warren Davison議員と民主党Darren Soto議員は先日報道された、仮想通貨を有価証券という定義から分離させる法案を、下院(House of Representatives)へと、正式に提出した。
当法案は、『トークン分類法 2018』と名付けられており、仮想通貨を【デジタル・トークン】と明文化している。
そして、このデジタル・トークンの非中央集権の性質を以下のように定義する。
- デジタル・ユニットとは、経済・財産・アクセスの権利を代表するコンピューター上で閲覧可能なフォーマットである
- デジタル・トークンはデジタル・ユニットとして作られ、トランザクションの検証手段に用いられる
- デジタル・ユニットの生成/供給ルールは個人や団体によって変更されることができない
- 第三方機関を必要とせず、個人間で取引できる
- ネットワーク上におけるコンセンサスの仕組みが設けられる
- デジタル・トークンは、所有権・債券利息のような、企業を代表する金融利害関係を代表しない
つまり当法案の重要点は、仮想通貨が有価証券(エクイティ)と定義されないことである。
さらに、法案を提出したWarren Davidson議員(下院金融サービス委員会のメンバー)は、このように米国における仮想通貨業界に対する展望を述べた。
この法案は、シンガポールやスイスのようなブロックチェーン経済に積極的な国々と競争できる市場を米国に与えるだろう。もちろん、近い将来他の仮想通貨関連法案も提出されると思うが、この法案は、活発な市場を米国に止まらせるための必要不可欠な第一歩だ。
現在、米国内では仮想通貨に対する明確な規制が定められておらず、仮想通貨業界からは不安が続いていた。米国の株式など有価証券を規制する証券取引委員会(SEC)は複数のICOが未登録有価証券に該当するとして取締の摘発をしていた。
しかしその反面、先物取引などを取り締まる米商品先物取引委員会(CFTC)はビットコインを商品(コモディティ)として捉え、昨年12月にCboeやCMEのビットコイン先物取引の開始を認可していた。その為、今回の法案で仮想通貨が有価証券ではなく、新たな資産クラスとして指定する法案は仮想通貨業界にとって大きなニュースであると言える。
専門家の意見
また今回の法案を提出した2名の議員の一人であるWarren Davidson議員は自身の議員サイトから発表された公式プレスリリースにて、以下の通り発言している。
インターネットの初期に、米議会は新たな技術を過度に規制することをせず、確実性を提供する法案を可決した。
我々の目的はこの革新的な業界においても米国経済と米国のリーダーシップの為に、同じ様な目的を果たしたい。
また今回の法案に関して、米国のブロックチェーンに特化しているJake Chervinsky弁護士は以下の様に言及している。
The Token Taxonomy Act would provide exactly the type of regulatory clarity the crypto industry needs. Legislation like this is orders of magnitude more important than non-binding guidance from agencies like the SEC.
— Jake Chervinsky (@jchervinsky) 2018年12月20日
Check out @BlockchainAssn's summary and read the bill here: https://t.co/Nbb5cwsJFX
トークン分類法は(実現すれば)仮想通貨業界が欲している規制面の明確化を提供することとなる。
このような法律はSECのような拘束力のないガイダンスより遥かに重要である。
さらに仮想通貨業界のロビイスト・グループであるBlockchain Associationもトークン分類法について公式声明を発表し、以下の通り言及した。
この法案は早期にあるどの法案と同様、まだ完璧ではない。しかし超党派の複数議員が一丸となり、イノベーションに対して共通したビジョンを持っている点は喜ばしいことだ。
来年1月から再開する国会で、デジタルトークンに関するアイデアが議題となることを期待している。
今後も引き続き重要な課題について意見を交わしながら、十分な消費者保護を保証しながら、業界の声を代表する様な規制に向けて努めていきたい。
同団体は米国仮想通貨取引所Coinbaseや、仮想通貨関連事業を展開するCircle社の他、Digital Currency Group等、仮想通貨業界を代表する複数の大手企業から構成されており、仮想通貨業界の声を代表しながら「分散化された技術やサービスを通して信頼、透明性、安全性とイノベーションを促進する」ことを目的としているロビイスト団体である。
なお、今回法案として提出されたトークン分類法はまだ法案が提出されただけで、正式な法令となったわけではないが、2018年の初めから仮想通貨業界の不安要素となっていた仮想通貨とICOの有価証券問題に長らく課題と言われてきた「明確な規制」に向けた確かな前進となったと言えるだろう。
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