
仮想通貨貸付のルールを明確化
韓国の金融委員会(FSC)は5日、暗号資産(仮想通貨)のレンディングに関するガイドラインを発表した。
このガイドラインは各国のルールなどをもとに、中央集権型取引所(CEX)による貸付向けに作成。貸出可能な仮想通貨を限定するなどの対策を講じて、利用者保護を強化し、市場の安定を図ると述べている。
今回の発表の背景には、レンディングの規制が不明確だったことがあるようだ。現状のままではユーザーが大きな損失を被るリスクがあるとし、暫定的にレンディングサービスを一時停止していた経緯がある。
今回のガイドラインでは、貸出可能な仮想通貨について「時価総額上位20位以内であること」や「韓国のウォン建てで3箇所以上の取引所に上場していること」といった条件をもとに銘柄を限定すると定めた。
また、担保価値を超えるレバレッジを効かせたレンディングサービスの提供を禁止。他にも利用者保護の観点から、ユーザーの経験や取引履歴などをもとに個別に貸付限度額を設けることも定めている。
さらに、サービスを提供する企業には、自社の資産を活用することを要請。規制を回避するためにサードパーティ企業と連携することを禁じた。
今回のガイドラインは、業界の自主規制団体「自主規制団体「Digital Asset eXchange Alliance(DAXA)」の監督のもとで5日から適用を開始。そして、今後の状況を見ながら、法制化を進めていくとしている。
韓国は仮想通貨取引が活発に行われている国の1つ。今年6月に、選挙キャンペーン中にステーブルコインや仮想通貨の積極政策を公約として掲げていたイ・ジェミョン(李在明)氏が新大統領に就任したことで注目度が高まっている。
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