
内部取引疑惑で
米ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、米証券取引委員会(SEC)と金融業界規制機構(FINRA)が、上場企業の仮想通貨購入発表前に発生した怪しい株取引パターンを調査していると関係者情報として報じた。調査は今年仮想通貨準備金戦略を発表した200社超の一部に対して行われているという。
規制当局の調査は異常に高い取引量や公式発表直前の急激な株価上昇など、通常と異なる取引パターンに焦点を当てている。SEC職員は企業に対し、重要な非公開情報を特定の市場参加者に選別的に共有することを禁じる公正開示規則の違反可能性について警告している。
2020年からビットコインを大量に購入してきたマイクロストラテジー(現ストラテジー)をモデルに、各業界の上場企業がトレジャリーの一部として仮想通貨取得計画を発表する動きが拡大している。いわゆるデジタル資産準備金企業(DAT)は今年これまでに200億ドル超の資金を調達した。
ストラテジーのマイケル・セイラーCEOが率いる同社は、ビットコイン・トレジャリーズのデータによると公開企業として最大のビットコイン保有者となっている。今週月曜日にも850 BTCを追加購入し、総保有量は639,835 BTCに達した。
なお、ロイターも同様の内容を報じており、SECはコメントを控え、FINRAは即座の回答を行っていないという。トランプ政権は仮想通貨推進政策を展開する一方で、規制当局はインサイダー取引などの不正行為に対する監視を継続しており、市場の健全性確保に向けた姿勢を改めて示している。
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