
価格操作の疑いか
米証券取引委員会(SEC)は30日、ナスダック上場のデジタル広告企業QMMMホールディングスの株式取引を10月10日まで停止すると発表した。
同社は今月初め、ビットコイン、イーサリアム、ソラナの購入計画を発表後、株価が22倍以上高騰していた。SECは声明で「SNSを通じた正体不明の人物による購入推奨により、株価と取引量を人為的に吊り上げる操作が行われた可能性がある」と説明した。
香港に拠点を置くQMMMホールディングスは月初、1億ドル相当の仮想通貨購入から始めるトレジャリー戦略を発表していた。金融市場のデータによると、9月だけで株価は2,152%以上上昇し、先週金曜日には119.4ドルで取引を終えた。
市場監視を強化するSEC
ウォール・ストリート・ジャーナルは26日、SECと金融業界規制機構(FINRA)が上場企業の仮想通貨購入発表前に発生した疑わしい株取引パターンを調査していると報じたばかり。調査は今年仮想通貨トレジャリー戦略を発表した200社超の一部を対象に行われており、異常に高い取引量や発表直前の急激な株価上昇を問題視している。
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規制当局は企業に対し、重要な非公開情報を特定の市場参加者に選別的に共有することを禁じる公正開示規則の違反可能性について警告しているという。マイクロストラテジー(現ストラテジー)をモデルに、各業界の上場企業がトレジャリーの一部として仮想通貨取得計画を発表する動きが拡大しており、いわゆるデジタル資産準備金企業は今年だけで200億ドル超の資金を調達した。
トランプ政権が仮想通貨推進政策を展開する一方、規制当局はインサイダー取引などの不正行為に対する監視を継続し、市場の健全性確保に向けた姿勢を示している。
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