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ブータン都市GMC、金裏付けトークン「TER」発行へ ソラナ活用

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国家戦略都市GMC、監督下銀行が販売

ブータン政府の特別行政地域「ゲレフー・マインドフルネス・シティ(GMC)」は11日、金(ゴールド)を裏付け資産とするデジタルトークン「TER」を17日にローンチすると正式発表した。国家が保有する金の価値をトークン化し、そのトークンを国の監督下にある銀行が販売する仕組みだ。ブータンの建国記念日に合わせた公開となり、同国が進めるデジタル経済戦略の象徴的な施策となる。

ブロックチェーンには高速処理と低コストを特長とするソラナ(Solana)を採用した。トークンは、国家が保有する金をチェーン上で表現するためのデジタル証書のような位置づけとなる。

TER は、ゾンカ語で「宝物」を意味する “Ter” に由来する国家支援型のデジタル資産で、実物の金を基盤として発行される。発行主体はGMC、カストディおよび販売はブータン初のライセンス取得デジタル銀行である DK Bank が担う。

ローンチ初期のフェーズでは、投資家は DK Bank を通じて TER を直接購入し、機関レベルのカストディ環境で保管される仕組みだ。金の購入に近い安心感を持ちながら、オンチェーンでの透明性、国際送金の容易さなど、デジタル資産の利便性も享受できるとしている。トークン化技術は Matrixdock が提供し、同社の金トークン化分野における実績が活用される。

GMCのJigdrel Singay取締役は「実物資産と主権国家の信頼を組み合わせ、価値ある資産をデジタル上で安全に表現する新たな基準を示す」と述べた。Solana Foundation の Lily Liu 氏も「国家が主導する高品質なアセットバック型デジタル商品の好例だ」と評価している。

ブータンは近年、国家のデジタル主権を強化する政策を相次いで打ち出している。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、BNB などを戦略準備資産として保有し、国民デジタルIDシステムをイーサリアムに統合。観光や商取引では Binance Pay の導入を進め、再生可能エネルギーを活用したビットコインマイニングにも早期から取り組んできた。今回の TER 発表は、こうした国家戦略の延長線上に位置づけられる。

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