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Uber共同設立者が立ち上げた米仮想通貨ブローカー企業「Voyager」、カナダの証券取引所に上場

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米仮想通貨ブローカー企業がカナダの証券取引所に上場
Uber共同設立者が立ち上げた米仮想通貨ブローカー企業Voyage Digital Holdingsが、カナダの証券取引所へ上場した。仮想通貨に関連する企業の上場を通した変化と、これまでの動きを掲載。

仮想通貨ブローカー企業Voyageが、カナダの証券取引所へ上場

米ニューヨークの仮想通貨ブローカー企業Voyage Digital Holdingsが、カナダに拠点を置くUC Resources社の全株買収により、新たにVoyager Digital (Canada) Ltdとして、カナダのTSXベンチャー取引所において、上場する運びとなったと発表した。 

Voyagerは、すでに操業を停止していた貴金属採掘会社で上場企業の、UC Resources社の全株取得契約を完了し、2月7日、社名をVoyager Digital(Canada)Ltd.と改名することを発表している。6,000万ドル(約65億8600万円)相当と言われる買収合併により、Voyager Digital社の株は、2月11日から、トロント証券取引所を所有するTMXグループの子会社、TSXベンチャー取引所において、取引開始が予定されている。

Voyagerは、配車サービス大手Uberの共同設立者やモバイルアプリ開発者をはじめ、証券業界のベテランを含む起業家グループにより設立され、個人及び機関投資家向けに、仮想通貨ブローカーサービスを提供している。

株式上場での変化

同社の共同創設者兼CEOであるStephen Ehrlich氏は、上場企業となり、株式発行が可能になることは、買収を通してビジネスを構築するための資金力へつながるだけではなく、企業として透明性を保つ義務があることから、顧客との強い信頼関係を築くことになると述べている。

さらに、今回の株式公開を通して、投資家が、最新の技術を基盤として構築された仮想通貨という重要な資産クラスと金融サービスへ、公開市場において参入できることが最も意義深いと、Ehrlich氏は強調した。

米Voyagerと仮想通貨

Voyagerは、昨年7月に手数料無しで、15の仮想通貨取引を提供する予定だと発表していた。

取引手数料無料のビジネスモデルでは、米Robinhoodのプラットフォームがマーケットをリードしているが、Voyagerは、個人及び機関投資家がモバイルアプリを使用し、一つの口座から、複数の取引所へアクセスしてより有利な価格で仮想通貨を売買できるようにするという。

Voyagerは取引手数料からではなく、スプレッドの差益から収入を得ることになる。 

証券ブローカーとして長年の経験を持つEhrlich氏は、取引所としてではなく、ブローカーとして顧客への価値の還元をモットーとして、世界中に散らばる数多くの取引所の価格のスプレッドや流動性に対して、独自のアルゴリズム開発により、取引履行の最高のタイミングを見つけていくビジネスモデルだと主張している。

 競争が増す仮想通貨市場において勝ち抜くためには、顧客へのサービスを充実させ、より快適な取引体験を提供することが重要だとも述べている。

さらに、Voyagerのビジネスモデルは、仮想通貨エコシステム全体へも、大きく貢献する可能性を持っている。 現在、仮想通貨市場では、ユーザーが複数の取引所をまたいだ売買を可能にするような、取引間の相互運用性が欠如しており、ユーザーがある時点で利用できる流動性が任意の取引所に限られてしまう。

そんな中、複数の取引所へアクセスして、最善の取引を可能にするVoyagerアプリの有用性は大きいだろう。 市場全体の流動性を高めることで、より成熟した市場とエコシステムの構築へつながるのではないだろうか。

Ehrlich氏によると、現在、Voyagerのプラットフォームは少数のユーザーによる試験運用の段階にあるが、今月中旬には、公開が予定されており、契約開始待ちリストに登録したユーザーは6桁に上るという。

また、6以上の機関投資家向けブローカーディーラーおよび取引プラットフォームが、VoyagerのAPI使用契約を結んでいるEhrlich氏は付け加えた。

Voyagerは米国の10州で送金ライセンスを取得しており、更に約30州において申請中だという。

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