
SEC、仮想通貨企業向け「イノベーション免除」制度を年内にも正式化へ
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は8日、仮想通貨企業が米国でデジタル資産や革新的技術を活用して製品を構築できる「イノベーション免除」制度を年内か2026年第1四半期にも正式化する意向を示した。
CoinDeskなどの報道によると、法律事務所カッテン・ムーチン・ローゼンマン主催のイベントで講演したアトキンス氏は、現在の政府閉鎖がSECの規則制定の進展を「妨げている」と認めつつも、この免除制度への取り組みが年末までの優先事項であると述べた。
アトキンス氏は先月のフォックス・ビジネスのインタビューで、規則制定プロセスを近日中に開始し、2025年12月までに免除制度を正式化するスケジュールに言及した。これは7月に立ち上げられた「プロジェクト・クリプト」の一環で、証券法をブロックチェーン時代に適応させ、米国の主導的地位を海外拠点から取り戻すことを目指している。同氏は「過去4年間、この業界は抑圧され、その結果、イノベーションが海外に押し出されてきた」と指摘した。
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イノベーション免除は、仮想通貨企業や分散型金融(DeFi)に参入する伝統的金融機関に対してトークン化資産に適さない「負担の大きい規範的要件」からの適用除外を提供する。これにより、新しい取引プロトコル、トークン化証券エコシステム、仮想通貨と株式を融合した「スーパーアプリ」などの市場投入が迅速化される。厳格なチェックリストではなく、投資家保護などの原則に基づくガードレールが適用されるという。
また、真の分散化を証明し、中央管理がないプロジェクトは完全な有価証券審査を回避できる可能性があり、これはクラリティ法などの法案と整合している。この免除は条件付きで期限付きであり、詐欺を排除するための基本的な登録が必要となる。企業は計画を報告し、証券法の中核的な目標に準拠するだけでよく、もはや「執行による規制」ではなくなる。
アトキンス氏は記者団とのQ&Aで、先月推進したこの免除制度を「解決したい」と述べた。同氏は「イノベーターを歓迎し、米国で事業を行えると感じてもらいたい。外国の管轄区域に逃げる必要がないようにしたい」と説明した。ただし、現在進行中の政府閉鎖により、仮想通貨関連を含む規則制定作業は一時停止されている。SECは「必須業務」を遂行できるが、規則制定は政府再開まで保留される見通しだ。
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