- 欧州規制当局議長が仮想通貨の規制に言及
- ESMA議長が、「FinTech Conference 2019」でのスピーチにて、投資家保護のため、仮想通貨に規制が必要であるとの考えを示し、今後、仮想通貨取引所を含む全ての取引所において、アンチマネーロンダリング(AML)強化に向けた支援をしていく方針を明らかにした。
欧州規制当局議長、仮想通貨の規制の必要性を主張
欧州証券市場監督局(ESMA)の議長Steven Maijoor氏が、「FinTech Conference 2019」のスピーチにて、投資家保護のため、仮想通貨に規制が必要であるとの考えを示し、今後、仮想通貨取引所を含む全ての取引所において、アンチマネーロンダリング(AML)強化に向けた支援をしていく方針を明らかにした。
同氏は、以下のように語っている。
もし仮想通貨が金融商品と見なされなければ、適切な金融規制が適用されず、投資家が重大なリスクにさらされる危険性がある。
これら事実は、既存の規制に従い、法的に仮想通貨を定義できないことを如実に表している。
また、ICOに新たな規制を定めることについても言及した。スピーチの内容によれば、欧州連合の大半では、投資家が仮想通貨によって利益や配当権を享受した状況下での、(仮想通貨に)適切な規制が必要であるとの見解が示されている。
昨年10月に、仮想通貨とICOを規制する方策について、最低でもアンチマネーロンダリング(AML)の要件を適用することや、投資家への適切なリスク開示の強化など「EU全体で適切な投資家保護を確保するために、欧州レベルで対処されるのが最も望ましいと考える。」とMaijoor氏は述べていたが、今回その規制方針でEUレベルの規制の必要性を訴える声が高まっていることがわかった。
以前より仮想通貨の規制に言及
今年1月9日、欧州の主要金融規制当局である、欧州銀行監督機構と欧州証券市場監督局はそれぞれ、欧州連合(EU)に対し、仮想通貨に関する全欧州レベルでの規範づくりの必要性を訴える内容の報告書を公表している。
EBAは「欧州委員会への助言を含む報告書:暗号資産について」と題された報告書の中で、EUの政策執行機関である欧州委員会に対し、現段階において、EUレベルでどのような措置が必要であるかを判断するため、包括的な費用便益分析(CBA: Cost-Benefit Analysis)を実施するよう勧告した。
同報告書内では、EUにおける暗号資産・仮想通貨関連の活動は比較的限られていることに加え、一般的には、EUの金融規制法の枠外であるとEBAは分析している。
しかし、EU各国で異なる規制のアプローチが起きている現状を鑑みると、消費者保護や市場の健全性、また公平な市場競争環境などの面で、潜在的な問題を引き起こす可能性があるため、今回EUレベルでの”ルール作りの必要性”を訴えていた。
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