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SBI北尾社長「仮想通貨を入れた金融商品をSBI証券で販売・XRP(リップル)をSBIレミットで利用」規制制定で事業を展開へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SBIグループの全体戦略

●フィンテック2.0に完全なブロックチェーン金融生態系

●デジタルアセット事業をなぜ始めたのか

●ブロックチェーン関連ファンドの設立

●デジタルアセットを基盤とする新たな金融生態系を構築

●SBIVCの取引所形式:開始予定時期を当初の2019年3月から7月に延期

●一部仮想通貨をいれた新たな金融商品を作り、SBI証券で販売へ

●XRPを利用した送金をSBIレミットで利用へ

SBIグループの全体戦略

SBIホールディングス株式会社は3月6日、SBIグループの持続的成長に向けた全体戦略などを掲載するプレゼンテーション資料をHP上で公開、大和インベストメントコンファレンス東京 2019で発表された内容が明らかになった。ブロックチェーンに関連するSBIの最新動向が語られたほか、仮想通貨事業に関する内容も公開された。

フィンテック2.0へ

まず、SBIグループの持続的成長に向けた当面の全体戦略の冒頭部で、 SBIが考えるフィンテックの進化が語られた。

この中で、フィンテックの進化過程を「フィンテック1.0、1.5、2.0」と分類、SBIが考えるフィンテックの最終段階に、完全なブロックチェーン金融生態系が入ることを公式に発表した。

北尾社長は、完全なブロックチェーン金融生態系としてのフィンテック2.0では、「全ての金融サービスの中に、ブロックチェーンが導入されていく世界を作っていく」とSBI主導で、ブロックチェーン利用拡大を促進していく点を強調した。

フィンテック 1.0

1999年の創業後16年で金融サービス事業の生態系を形成

フィンテック 1.5

AI、ビッグデータ、IoT、ロボティクス等々の要素技術を既存の金融サービスへ導入、完成したオンライン金融生態系で活用

従来のWebベースのオンライン金融生態系上でブロックチェーンを活用

フィンテック 2.0

ブロックチェーンを中核技術とし、革新的な金融サービスを提供:完全なブロックチェーン金融生態系

フィンテック2.0は、ブロックチェーンが中核技術とした中で、大きく異なる点として強調されたのが「インターネット上で価値の交換を可能に」という点で、これまで不可欠であったWEB(World Wide Web)は必ずしも必要なものではなくなると見ているという。

SBIにおけるブロックチェーンの発展過程は、Web上でのブロックチェーン活用や分散台帳技術(DLT)も進展が見られるなかで、ブロックチェーンとWebとの融合アプリケーションが、フィンテック1.5の過程であり、WEB依存なしに、金融サービスへのブロックチェーン導入が行われる「完全なブロックチェーン金融生態系」が、フィンテック 2.0となるようだ。

デジタルアセット事業の開始背景

仮想通貨に関連するデジタルアセット事業をなぜ始めたのかについても語った。

北尾社長は、創業時から「投資、導入、それを拡散する」といった事業拡大の基本戦略を持っていることを強調。

有力な技術の多くはベンチャー企業から派生していることを背景に、ベンチャー企業へ投資するベンチャー投資を中心に投資を行ない(投資課程)、金融生態系に組み込んでいく流れを説明(導入課程)。また、拡散課程して、社会変革を起こすような可能性のあるものであると判断できれば、持続的な事業拡大や社会変革につなげるため、拡散を行なっていくとした。

ブロックチェーン関連ファンドの設立

これらの課程の中で、投資導入課程における「ベンチャー投資」として、2015年12月に設立したFintechファンドが、すでに資金回収フェーズへ移行していることを報告、新たなファンド立ち上げに動いていることを明かした。

新たなファンドとして設立されたのが、ブロックチェーンにも関連する「SBI AI&Blockchainファンド(通称:SBI A&Bファンド)」だ。

同ファンドは、AIおよびブロックチェーン分野を中心とした有望なベンチャー企業を対象として、2019年1月に新設されたファンドで、既に計55社、約250億円の投資を決定済みであると発表した。SBIホールディングス等からの投資も合せると約350億円にも上るという。

出資者としては、56の地域金融機関の他、機関投資家、 大手金融機関、企業年金基金等、計約130社が参画している。

導入課程

2022年までにブロックチェーン市場の予想支出額については、IDC Japanのデータを引用し、120億ドル規模まで拡大することに触れ、クロスボーダー決済や貿易金融、カストディ(有価証券の管理など)などの金融セクターや、サプライチェーン、資産/商品管理といった流通/サービスセクターが、その拡大分野として掲載された。

導入課程として、SBI証券の債券における業務プロセス等を対象に金融市場インフラへのブロックチェーンの適用可能性について日本IBM社と検証していることを明かしたほか、住信SBIネット銀行では国内初の勘定系業務でのブロックチェーンの実証実験に成功したことを報告した。

勘定系業務でのブロックチェーン活用事例としては、サーバーダウンが起こらず、250万口座想定の大量トランザクションにも対応が可能になったほか、9~15%程度のコスト削減効果がある試算ができたとしている。

デジタルアセットを基盤とする新たな金融生態系を構築

注目の仮想通貨関連動向に関してだが、CoinPostのインタビュー内でも語られた、仮想通貨の投機な流れから、実需・実用性を追求するステージへ移行する点が強調された。

北尾社長も、実需実用性を加味することが、仮想通貨にとって重要であるとみており、SBIとして実需をどのように導入するかで悪戦苦闘していると発言した。これらの動きをSBIが新設したファンドで後押ししていくという。

また、SBIグループでは取引所やセキュリティ等、広領域にわたるデジタルアセットを基盤とする新たな金融生態系が、ほぼ構築完了したことを発表した。

バーチャル・カレンシーズについて

期待されるSBIの仮想通貨取引所に関しても、新たに2点の新情報が公開された。

  • レバレッジ取引:通常国会での証拠金倍率の規制審議を経て実装予定
  • 取引所形式:開始予定時期を当初の2019年3月から7月に変更

これまで、SBIVCでは、現物取引のみで、レバレッジ取引の開始は未定とされてきたが、証拠金倍率に係る規制審議を経て、実装していくことを発表した。

また、上記レバレッジ取引等規制環境の変化に即した安全性強化のためのプライベートクラウドの導入に伴って、取引所形式のサービス提供時期を7月に延期すると発表した。よって、7月までは現在の販売所形式でのサービス提供、7月にSBIVCが本格稼働することになる。

SBI証券で使用しているAWSがDDOS攻撃を受け、その影響が証券システムに及んだ事例を受け、SBIVCではAWSではなく、自社開発の「プレイベート・クラウド」を持ちたいと言及。SBIVCの延期には、これらのシステム強化を行い、仮想通貨取引所としても万全のセキュリティ体制と強固なシステムを完備してから、スタートしたいとの理由があるという。

また注目内容として、仮想通貨業界において注目されている、国会の仮想通貨規制審議に関して、SBIの発表内容から、7月までに行われる可能性が浮上した。

仮想通貨をいれた商品を作っていく意向を示す

SBIは、SBIグループ出資先企業である米運用会社CoVenture Holding Companyとの仮想通貨ファンド事業が準備完了段階にあることを明かした。

北尾社長は、同ファンドで、一部仮想通貨をいれた新たな金融商品を作り、SBI証券で販売していく計画があることを発表したが、法制度ができるまで待ってほしいと、金融庁から話されているという。

よって、法案が制定され次第、事業を迅速に開始を開始していくとした。

XRPを利用した送金をSBIレミットで

また、仮想通貨関連商品が、法案制定前を理由に、一時中断していることを明かした北尾社長は、XRPを使った送金をSBIレミットで行なっていきたいとする意向を表明した。

これらのことを含め、規制の制定が優先され、制定されることで、仮想通貨に関連する複数の事業を開始できることを明かした。

SBI北尾社長インタビュー『仮想通貨(ビットコイン)市場の将来性とリップルの展望』

SBI北尾社長インタビュー『仮想通貨(ビットコイン)市場の将来性とリップルの展望』
SBIグループは、仮想通貨取引所「SBIバーチャル・カレンシーズ」など、仮想通貨事業にも注力している。同グループの北尾吉孝CEOに、仮想通貨メディアCoinPostでインタビューを実施。ビットコイン市場やリップル(XRP)の展望などを伺った。
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