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米財務省が露銀行への制裁措置を発表、「仮想通貨ペトロ」への資金調達支援を問題視

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米財務省、仮想通貨ペトロに関する露銀行に制裁措置
米財務省が、経済制裁を行う南米ベネズエラの仮想通貨ペトロに資金調達支援を行なったとして、モスクワの銀行を「経済制裁対象」に加えると発表した。投資家からのベネズエラ政府口座への資金受け入れを担っていたという。

米財務省、仮想通貨ペトロに関する露銀行に制裁措置

マドゥロ大統領の「2期目」就任の正当性をめぐり、政治ならびに社会情勢の混乱が続く南米のベネズエラだが、同国政府発行の仮想通貨Petro(ペトロ)も、昨年2月の誕生以来、米トランプ大統領令により米国内での取引を禁じられるなど、国際政治の狭間で混沌とした運命をたどっているように見受けられる。

アメリカ財務省は11日、「ペトロへの資金調達を支援する(最も重要な)国際的金融機関」であるとして、ロシアの首都モスクワに本拠を置くEvrofinance Mosnarbank(以下Evrofinance 銀行と表記)を「経済制裁の対象リスト」に加えることについて発表した。

この声明では、Steven T. Mnuchin財務長官の「正当性のないマドゥロ政権は、ベネズエラの人々の苦しみから利益を得てきた」との発言を引用することで、アメリカ並びヨーロッパの主要銀行が、ベネズエラ政府との関係を絶つ中、同政府との関係を継続し、2018年にその純資産を50%以上増加させた「Evrofinance銀行」を非難する形をとっている。

米国大統領令に則った経済制裁対象には、ベネズエラの国営石油企業PdVSAに対し、「財政的、物質的、または技術的支援、あるいはそれらを支援する財またはサービスを実質的に支援、後援、または提供した外国の金融機関」が含まれるとされている。

この声明によると、Evrofinance銀行は、ロシアとベネズエラの石油ならびにインフラを対象とした共同プロジェクトに資金を提供するための二国間銀行として設立されたもので、設立当時は、ベネズエラでは前チャベス政権が国有開発基金(FONDEN)を通じて49%を所有している。

また、ロシアは国有企業Gazpromが株主であるGazprombankと、国有銀行VTB Bankがそれぞれ25%ずつを所有していたという。GazprombankとVTB Bankは、すでに2014年の時点で、米財務省の「経済制裁対象リスト」に加えられている。

ベネズエラのマドゥロ政権にさらなる打撃か

米財務省は声明で、「マドゥロ政権は、仮想通貨ペトロを発行することで米国の経済制裁を回避しようと目論んでいた」と指摘しているが、その際、投資家からのベネズエラ政府口座への資金受け入れをEvrofinance銀行が担っていたという。

1月23日、ベネズエラ野党指導者であるグアイド国会議長が、マドゥロ大統領に代わり、自ら暫定大統領に就任すると宣言したことを受け、同日にはアメリカのトランプ大統領が、続いてカナダやブラジル、コロンビアの各政府もグアイド氏を暫定大統領に承認すると発表した。

2月には、英仏独をはじめ、スペインもグアイド氏の暫定大統領承認を表明している。そのような状況にある中、国際政治の舞台で孤立化を深めるマドゥロ政権は、ますますロシアへの依存を深めるのではないかと米財務省は指摘している。 

今回、ロシアの銀行の経済制裁リスト追加により、マドゥロ政権は、さらなる打撃を受けることになると思われる。

世界初となった政府発行の仮想通貨ペトロの波乱の運命はますます深まるように思われるが、この事実が示唆するのは、国家発行の通貨(現行の法定通貨であれ、仮想通貨であれ)は、国際政治の駆け引きからは容易には逃れられないということではないだろうか。

あらためて、発行主体を持たないビットコインに代表される仮想通貨の「社会的価値」を見直す時がきているのかもしれない。

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