- 日本政府に対し、仮想通貨税制について質問
- 藤巻議員は、ネット中継される「参院予算委員会」で、仮想通貨税制について、一問一答形式で麻生大臣に質問を行なった。先日の衆院予算委委員会では、中谷議員の鋭い質問を受け、イノベーションの観点では前向きな見解を示す一幕もあった。
日本政府に対し、仮想通貨税制について質問
日本維新の会の藤巻健史議員は、本日行われる「参院予算委員会」で、仮想通貨税制について一問一答形式で日本政府に質問した。
先日の本会議での質疑では予想通り、ありきたりの答弁しか聞けませんでしたが、それを基に明日(木)には参議院財政金融委員会で15:28頃より37分間にわたって暗号資産税制についてじっくり一問一答で質問いたします。
— 藤巻 健史(経済評論家・参議院議員) (@fujimaki_takesi) 2019年3月12日
予算委員会の質疑応答は、「参議院インターネット審議」で中継された。
財務金融委員会は、日本の衆議院における常任委員会の一つだ。
2016年5月には、フィンテック、ファイナンシャルテクノロジーを取り込んでいうくための「銀行法」の改正について、財務金融委員会で質疑が行われ、ビットコイン等の仮想通貨をしっかりと枠組みに入れるにあたり、消費税法上で課税対象になるのか、銀行法や金融商品取引法における定義や政府の解釈について議論されるなどしており、仮想通貨市場の今後を占うにあたり、財政委員会は重要な位置付けと言えるだろう。
藤巻議員は7日、「参議院財政委員会」で理事になったことを発表したほか、財政問題、仮想通貨(暗号資産)税制問題について、安倍総理や麻生大臣に追求していくことを表明していた。
同議員は、国際競争が激化する中、新興業界の発展を阻害し国益を損ねるとして「仮想通貨税制を変える会」を発足させており、若年層を中心とした国民の声を国会に届けるべく、以下の四点について強く主張している。
- 最大税率55%の総合課税から(株やFX同様)税率20%の分離課税にすること
- 通貨を換える時の非課税
- 少額使用の時の非課税
- 損した際に、分離課税にして繰越を認めること
仮想通貨税制を変える会を発足致しました。
— 藤巻 健史(経済評論家・参議院議員) (@fujimaki_takesi) 2018年12月8日
私たちは仮想通貨・ブロックチェーン技術の発展のため、現在の仮想通貨税制を適切な税制へ変える必要があると考えています。
税制が仮想通貨やブロックチェーンの未来を奪ってはなりません。
詳細は会公式サイトをご覧ください→ https://t.co/tT0H6boXgA
一問一答
藤巻議員の質問と日本政府の答弁内容は、以下の通りだ。
藤巻健史議員政府は以前、「汗水たらした人が最高55%の税金をとられて、暗号資産で稼いだ人が20%の分離課税、そのようなのは不公平だ」と指摘していたが、暗号資産(仮想通貨)の場合も、リスクを取っていて冷や汗をかいている。
給与所得の場合は、マイナスの給与を貰うということはあり得ない、しかし、暗号資産の場合、利益が出た時だけ「55%の最高税率」をとられて、損したときは損益通算ができない、というのは不公平ではないだろうか。
麻生大臣それはつまり、暗号資産を「分離課税」で扱うべきであると?
藤巻健史議員最終的には、20%の「分離課税」にすべきだと思うが、とりあずは「譲渡課税」ではないか。
暗号資産の譲渡益は、少なくとも譲渡所得として計算すべき。総合所得の中の雑所得ではなくて、譲渡所得に相当するのではないかという議論をしている。
藤巻健史議員国税当局は、「暗号資産も外貨預金も、譲渡所得や一次所得にない」ことを証明しなければならない。
それが出来ないのならば、雑所得で分類すべきではない。
麻生大臣にしろ、安倍首相にしろ、国際的な動向を踏まえて暗号資産と呼ぶことが適当と、法律での文言を仮想通貨から暗号資産とするとおっしゃった。
法律的に”資産”と定義していると思うが、その辺はどうだろうか。
麻生大臣海外での一般的な呼称である「Crypto Asset」に倣っただけであり、定義を規定するような呼称の変更ではない。
藤巻健史議員可能性として、一時所得や譲渡所得の可能性もあるなら、課税の論理ではなく、どの範疇にすると国が元気になるかというのを考えるべきだ。
学問上、雑所得になるというなら話は別だが、一時所得や譲渡所得の可能性もあるなら、国にとって何が一番良いのか考えた方が良い。
例えば、外貨預金。
もっと有利な税制なら外貨預金をする人は多くなるはず。そうすれば、ドル高・円安、消費者物価指数、デフレ脱却、景気は上向きになる。
わざわざ異次元な量的緩和などという副作用で、出口もない苦しい金融政策をとらなくても、外貨預金、ドル預金を雑所得から譲渡所得、もしくは一種所得に変えるだけでド円は上がっていってデフレ脱却できる。
要するに、税金を取るという理論ではなくて、どうすれば国に勢いが出るかという視点が大事だ。
租税法の代表的教科書と言われる、東大名誉教授「金子ひろし」先生の教科書、1か月くらい前新しいバージョン(23)が出たが、261頁「譲渡所得における資産とは譲渡性のある財産権をすべて含む概念で、ビットコイン等の仮想通貨などがそれに含まれる」と。仮想通貨も譲渡所得の範疇だと明記されている。
学説的にもそう出ているのに、わざわざそれを否定して、雑所得にいれる必要はない。
雑所得は、どこにも入らないのが雑所得だ。次回はそれを否定する根拠をいただきたい。
衆院予算委員会でも仮想通貨税制について質問
また、2月28日に行われた「衆院予算委員会」では、民進党の中谷一馬議員による鋭い質問を受け、麻生大臣や日銀副総裁が、デジタル通貨や仮想通貨(ブロックチェーン)の税制を含めて、現状における見解について回答した。
中谷議員は、「キャッシュレス化を推進する前提において、デジタル通貨発行を経済成長を目指して戦略的に進めている国もある」として、中央銀行が発行するデジタル通貨「セントラルバンクデジタルカレンシー(CBDC)」に関する見解を政府に尋ねたほか、暗号資産やブロックチェーンに関しては、先進的に取り組む世界の事例を引き合いに、時代に適した研究・対応を進めていく必要があると述べ、政府の方針を確認した。
先日韓国に行ったが、イノベーション先進国のエストニア大統領を迎えて与党で議論を進めるなど、暗号資産やブロックチェーンに関する流れについて、発展させるべきという方向にシフトしつつある。中国中銀でも、デジタル通貨の発行構想も打ち出されている。
インターネットは、情報の流通や共有で社会を変革させた。ブロックチェーンは価値の交換・流通でイノベーションを起こす、インターネットの再来だと潜在的には思っている。ブロックチェーンの良い形での発展を望んでいる。
10〜20年後にはデジタル通貨が主流になっている可能性もある。時代に対応した、研究・対応を進めていく必要がある。
これを受け麻生大臣は、仮想通貨に対しては、2018年に諸問題が国内でも顕在化したことを含め”ネガティブな反応”を示す一方、イノベーションの観点にも言及した。
ブロックチェーン技術は、「将来大きく化ける可能性がある」とは考えている。
財務金融委員会でも、各党から、これまでも(仮想通貨などの)クリプトアセットに関して論議されている。技術や可能性はあると感じているので、ただ禁止するというよりは、注意深く育成していく方が望ましいというのは、私の基本的な考え方だ。
田中内閣府副大臣も、ブロックチェーン技術の利活用について、
暗号資産に関して、肯定的・否定的な見解が政府内にも混在する中、一般論で言えば、金融取引が低コストで行えるブロックチェーン技術と表裏を成すものという評価もある。価格変動の大きさでも、使用できるシーンが限定される。犯罪利用などのリスクも高いという指摘もある。
現時点での有用性は低いものの、インターネットの黎明期同様、試行錯誤を経て発展する可能性は十分にある。 利用者保護を確保しながら、イノベーションの観点から、しっかりと支援していきたい。
などと、ポジティブな見方も示している。
質疑応答の詳しい答弁内容は、以下の記事まで。
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