- 世界最大の金融商品先物取引所であるCMEがビットコイン先物取引を今年末までに導入する予定と発表
- ビットコイン投資の間口が広がり、銀行やヘッジファンドといった大手投資機関からの資金流入が期待できます。
- しかし、懸念点も指摘されている
- 間口を広げたことにより、ビットコインに対してマイナスイメージを持つ投資家達が多数参入し、先物取引による相場下落への賭けが増える可能性もあります。
世界最大の金融商品先物取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所(以下、CME)を運営するアメリカのCMEグループが、ビットコインの先物取引を今年末までに導入する予定と発表しました。
これによってビットコインへの投資の間口が広がり、今まで仮想通貨分野に投資していなかった投資家からの資金流入が期待出来ます。
特に銀行やヘッジファンドといった大手投資機関が事業をする際に、標準化された投資方法が生まれたことで、使える様になることが大きいでしょう。
シカゴ・マーカンタイル取引所とは
アメリカのシカゴにある、商品先物、金融先物を提供する取引所です。
農産物や通貨、金利や株価指数だけではなく、日経平均株価の先物、オプション取引も取り扱っています。
先物取引業界では世界最大級の規模を誇っているため、今回のニュースは市場が大きく反応を見せました。
今回のニュースによるビットコイン価格への影響
今回の発表により、10月に入って高騰を続けていたビットコイン価格は更に上がって、最高値では約75万円台を記録しました。
セキュリティ面に不安があるビットコインゴールドのハードフォークが完了し、Segwit2xによる次のビットコインハードフォークを間近に控えながらも上がり続けるビットコイン市場には力強さを感じます。
ビットコイン先物取引を監査するCFTCについて
まず前提知識として、アメリカでの先物取引は商品先物取引委員会(以下、CFTC)によって規制されています。
CFTCは先物等といったマージン取引を管轄し、不正な取引等を取り締まる機関です。ちなみに、現物取引は管轄外です。
2017年10月19日にCFTCがICOも監査対象に入る可能性があるといった内容が含まれた報告書を公開し、ビットコイン価格がそれを受けて下落したことも記憶に新しい出来事です(なお、この報告書は仮想通貨関連の情報提供のためのものであって、公式見解ではありません)。
ビットコイン価格への影響(長期的)
先物取引という明確化されたルールが導入されることで、市場へ参入する投資家は増えるでしょう。
それによって、ボラティリティー(価格の変動度合い)はある程度下がる可能性があります。というのも、株式などの市場に比べて現状のボラティリティーはあまりにも高いためです。現状のビットコイン市場は大き過ぎるレバレッジをかけることはあまり向いていません。
同時に、先物取引によって今後相場下落に賭ける投資家が増える可能性もあります。
ブロックチェーン技術に対しては肯定的な意見が大多数を占めるように感じられますが、その技術を使った通貨であるビットコインに対しては、ウォールストリートでも意見が割れていることからも分かるように、一定数のマイナスイメージを持つ人々が存在しています。
ビットコイン投資の間口が広がったことにより、そういった人々をも引き寄せるでしょう。
ビットコインにとってマイナスなニュースが飛び込んできた場合に、先物取引から参入したネガティブな投資家達の動向は、価格に大きく影響するかもしれません。
ただ、上記したような状況になったとしても、ビットコイン価格を暴落させるようなことにはならないかもしれません。
先物取引の拡大によるプラス材料として、大手銀行もビットコイン市場への参入が容易になります。よって、ビットコイン投資が他の主流な投資分野と匹敵するまでに成長する可能性があります。
つまり今回のニュースは間違いなくプラス材料ではあるのですが、懸念点も指摘されているといった状況です。
CoinPostでは、こういったビットコインの価格情報に関するニュース等を随時更新していきますので、TwitterやFeedlyなども合わせてご活用下さい。
Bitcoin Moves Toward Mainstream, Poised to Join Oil, Gold in Futures Trading
Oct,31 2017 by Alexander Osipovich
参考記事はこちらから
米CME、ビットコイン先物を年内に上場 取引拡大に弾み
2017年10月31日 日経新聞
参考記事はこちらから