TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

藤巻議員、麻生大臣や国税当局と「仮想通貨税制」について議論|参議院財政金委員会

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

藤巻議員、麻生大臣や国税当局と仮想通貨税制議論
藤巻健史議員は、参議院財政金委員会で麻生大臣や国税当局に対し、現行の仮想通貨税制は「矛盾があり非合理的だ」として問題提起。租税法や国益の観点から、雑所得ではなく譲渡所得や分離課税が妥当だと主張した。

藤巻議員、麻生大臣や国税当局と仮想通貨税制議論

日本維新の会の藤巻健史議員は14日、参議院財政金委員会で麻生大臣や国税当局に対して、暗号資産の税制に関する質問を行った。

質疑応答の内容

藤巻議員

暗号資産の税制に関してどう思うか尋ねたところ、黒田日銀総裁は、暗号資産に対して「値動きが激しいことで、支払い決済手段としてはあまり使用されておらず、大半が投機目的だ。」と回答した。

(ビットコインなどの)暗号資産は、支払い手段としてではなく、値上がり目的で所有している人が大部分である、つまり、資産という認識なのであれば、税制区分としては「譲渡所得」になるのではないか? 先日の答弁で、日銀総裁が暗号資産は、資産だと断定したと認識している。

値上がり益を目的とした商品であり、金商法の規制下に入る暗号資産であるということは、金融所得課税の一環として、外貨預金の為替益と含めて、「損益通算のできる20%の源泉分離課税」とするのが合理的ではないかと考えるがいかがか?

主税局長

資金決済法などの一部改正案で、仮想通貨から暗号資産に変更するが、定義自体が変更されるものではない。

対価の弁済のため、不特定の物に使用できる財産的価値として規定される。消費税法でも、支払い手段に類するものとして位置付けられる。

外国通貨同様に、その売却益等は資産の値上がりによる譲渡所得とは性格が異なるため、現行の「雑所得」の取り扱いを変更する必要はないと考えている。

暗号資産の源泉分離課税の対象とするのは、総合課税における高所得者が負担を大きくする「所得再分配」の考え方を損なってまで、暗号資産取引を政策的に支援するというのは適当かどうかの課題がある。

藤巻議員

暗号資産の定義は支払い手段だとしても、事実として黒田日銀総裁も指摘したように、支払い手段としては使用されていない現状がある。

仮想通貨の資産性を認めるのではあれば、譲渡所得に該当しないというロジックは、租税法の大家である金子宏先生が、「解釈論では、譲渡所得にも一理ある」と述べていることに矛盾する。全部で10の区分がある所得分類で、その他すべてに当てはまらないものが雑所得として分類される。国税がこれを否定するのであれば、立証責任があるはずだ。

国税当局

租税法に関しては、大学教授など有識者による研究の末、様々な学説があることは承知しているが、国税当局としては個々の学説についての見解は差し控える。

その上で、暗号資産の所得譲渡益にかかる所得について国税当局の見解は、資産の譲渡に関する所得と定義されている。資産の値上がりにより資産の所有者に帰属する増加益を課税するものが趣旨である。

国税当局としては、「暗号資産は資産ではあるものの、譲渡所得の起因となる資産には該当しない。」という認識は変わらない。

藤巻議員

定義が資産ではあるが、事実として支払い手段としては使用されていない。現実(実態)に促して、税制や定義を変更するのが、国が行うべきことではないか?

租税法の学説よりも、国税の見解の方が優先されるのか。資金決済法の定義を実態に促したものに変えるべきだけの話ではないか?

3月10日の新聞に、経済界の重鎮が、「平成時代に米中(の経済成長率)に敗北した日本、インターネットの時代になぜ波に乗れなかったのか?」という社説を寄稿しており、その中で人工知能(AI)、仮想通貨、ブロックチェーンが新たに台頭する中、平成時代のように遅れをとってはならないと指摘している。

日本の将来を現行の「暗号資産税制」で殺して、日本の飯の種を奪うことになってしまっても良いのか?そうではなく、生かすために使うべきだ。

消費者物価指数が現在よりも低い中、1985〜90年のバブルで経済が狂乱した理由は、土地や株価などの資産価格が上昇したからだ。個人投資家の保有資産価値の上昇は、今苦しんでいる日本経済のデフレ脱却にもつながる。

若者の間で人気の仮想通貨の値上がりは、日本の税収源としても貢献することになるはずだ。日本が税制改正して、海外の技術を導入するようになれば、将来性のあるノウハウも国内に蓄積できる。

麻生大臣

暗号資産に活用されているブロックチェーン技術は、フィンテック分野で大きな可能性がある。 技術の安全性を確保しつつ、利用者の利便性向上につながるよう、様々な主体が活用にチャレンジしていくのは大事なことだ。

他方で、税務上の取り扱いに関しては、雑所得ではなく譲渡所得というのは、所得区分については性質によって分けられる。特定の政策判断で決められるものではない。

株式投資の分離課税は、所得税の「再分配機能」を一定程度損なってたとしても尚、家計の投資を後押しする「貯蓄から投資」という政策的要請を踏まえたものであり、これを暗号資産と同列に扱うことは現時点では難しい。

藤巻議員

大臣はブロックチェーンを未来があり重要だとしたが、ブロックチェーンと暗号資産はコインの裏表のような密接な関係性にある。

性質が異なるとしても、租税法の最高権威者が「暗号資産は譲渡所得になり得る」との学説も提唱している。日本が他国と比較して不利な税制に留めておくのは、将来のためにも合理的ではない。

CoinPostの関連記事

「仮想通貨税制に関して国の政策はどうするか?」仮想通貨税制を変える会・第3回公演レポート
藤巻健史議員が会長を務める「仮想通貨税制を変える会」の第3回講演会が議院会館で開催され、コインポスト編集部も参加した。今回は、ゲスト登壇したTAOTAOの創業者、尹煕元氏の講演を含めたレポートをお届けする。
『なぜ、仮想通貨の税制を改正すべきなのか』藤巻健史議員インタビュー(前編)
仮想通貨の税制改正問題など、国会の場で問題提起されている参議院議員の藤巻健史先生に、CoinPostで独占インタビューを実施。ビットコインなど現在の仮想通貨業界に関する見解を伺った。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/22 金曜日
08:20
マイクロストラテジー、ビットコイン追加購入のための30億ドル調達を完了
米マイクロストラテジーは21日に仮想通貨ビットコイン追加購入のための、2029年満期の無利息転換社債の募集を完了したと報告した。
07:50
金融庁、仮想通貨仲介業の新設を検討
仮想通貨のイノベーションと利用者保護の両立に向けて、金融庁が仲介業の新設を検討。この会議ではステーブルコインも議題に上がった。
06:45
トランプ氏のメディア企業、「TruthFi」仮想通貨決済サービスの商標出願
トランプ次期大統領が保有するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは今週、デジタル資産取引やその他決済処理サービスのプラットフォーム「Truthfi」の商標出願を行った。
06:25
SECがソラナ現物ETFの審査開始、2025年承認へ期待高まる
米証券取引委員会はソラナ現物ETFの上場申請に関する審査を開始したようだ。SOLは本日8%上昇している。
06:08
トランプ次期政権の仮想通貨諮問委員会、ビットコイン準備金設立の可能性=報道
トランプ次期大統領が提案した仮想通貨諮問委員会は、米国のビットコイン準備金を設置する可能性があると報じられた。
05:45
SOLやXRPが上昇、ゲンスラーSEC委員長の退任確定を受け
仮想通貨のソラナやXRPなど、SECが規制の標的としている銘柄は22日、ゲンスラーSEC委員長の退任が確定したことを受けて大幅に上昇した。
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧