- コインベースにおいて高まっている機関投資家からの需要
- 米仮想通貨取引所コインベースのCEOであるBrian Armstrong氏がコンセンサス最終日に登壇、機関投資家から同取引所サービスの利用が順調に増加していることがわかった。
コインベース、高まる機関投資家の需要を語る
米国の大手仮想通貨取引所コインベースのカストディ事業や上級トレーダー向けのCoinbase Proにおける機関投資家の参入が順調に進んでいることが同社CEOのコメントから明らかになった。
“The most important thing to understand about the cryptoeconomy is that we’re not simply righting the wrongs of finance 1.0. We’re creating an entirely new way to access financial services.” @brian_armstrong shares his vision for the future of cryptoeconomy from #consensus2019 pic.twitter.com/NOg3XbEt3V
— Coinbase (@coinbase) 2019年5月15日
米時間15日で最終日を迎えたコンセンサスにてコインベース社CEOのBrian Armstrong氏はカストディ事業が発足してから1年ですでに10億ドル相当(約1100億円)の規模に達していると発言。また70以上の機関投資家が加入しており、毎月1億5千万ドル(約164億円)のペースで資金が増加していることを明らかにしたことが注目を集めている。
ほかにもカストディなどのサービスを利用している機関投資家は単純に仮想通貨の保管をしたいだけではなく、将来的には「ステーキングやボーティング、オンチェーンのガバナンス」も行なっていきたいとする声も見られていることを示した。
さらに機関投資家の間ではいまだにビットコインに対する人気と需要が最も高いとArmstrong氏は発言。このような傾向は機関投資家向けの大手仮想通貨投資ファンドGrayscale社のQ1レポートからも伺えており、ビットコインを主とした投資商品が全体投資額の99%を占めるまでに増加していたことが判明していた。
Coinbase Proの機関投資家参加
またArmstrong氏はコインベースが提供している上級トレーダー向けのプラットフォーム「Coinbase Pro」において約60%の出来高が機関投資家からきていることを明かした。
さらに今後の仮想通貨業界の展望に関して、Armstrong氏は機関投資家のような経済的な「パワープレイヤー」と非銀行利用者層などの経済的弱者の両方が仮想通貨を利用していくと予想している。仮想通貨の利点は大量送金やトレードが活発にできる点であると同時に、先日発表されたようにスターバックスでコーヒーを購入することが両方可能であるため、将来的には幅広い層のユーザーが仮想通貨を利用していく未来を掲げていると語った。
コインベースは昨年5月にコインベース・カストディを発表したばかりであった。そのため仮想通貨市場が下落を続けた苦しい2018年の中でも1000億円相当の資金を集めるまでに至ったことは機関投資家から新たな資産クラスである仮想通貨に対する将来性が一定の評価を得ていることを示していることが窺える。
またコインベース社CEOのArmstrong氏が機関投資家だけではなく、一般投資家、また未だに投資できていない層までに仮想通貨を普及させたいと示した姿勢からは同社のスローガンである「オープンファイナンス」に対するビジョンが垣間見えた。