はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FATFの仮想通貨監督ガイダンスをG20が支持「効果的かつ迅速な履行を」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FATFの新「暗号資産監督ガイダンス」がG20で承認
G20は、FATFの掲げる仮想通貨(暗号資産)に関する新たな「監督ガイダンス」を承認した。国際基準として強化される可能性が示唆される一方で、適切な規制が必要であるとの見方も示した。

G20、共通ルールづくりに向けて前進

大阪で開催された20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が6月29日に閉幕した。

米中貿易戦争による懸念が色濃く影を落とす中で開催された今回のサミットであったが、トランプ米大統領と習近平中国国家主席は協議再開に合意。予断は許さぬものの、ひとまず世界経済を揺るがすような最悪のシナリオは避けられたことに安堵する向きも多かったのではないだろうか。

「金融と世界経済に関する首脳会合」G20サミットは、2008年の世界金融危機への対応のため発足した。

しかし、自国第一主義「America First」を掲げるトランプ大統領への配慮もあってか、採択された首脳宣言の「大阪宣言」には、「自由で公正な貿易体制」の重要性は明記されていものの、「(貿易に関する)反保護主義」の文言は含まれていない。そのため、世界における経済問題に対処する協調策発信の場としてのG20サミットの存在意義を問う声も聞かれる。

しかしそのような批判もある一方で、個別に進展を見せた分野もあり、ある程度の成果をあげたことも事実である。

例えば、デジタル化が経済と社会のあらゆる側面に変革をもたらしているとし、データの有効利用の役割の重要性を指摘したことなどが挙げられる。特に「データ流通」の分野では、国境を超えた自由なデータ移動を認める「データ流通圏」構想が提唱され、世界における共通ルールづくりのための交渉開始が宣言された。「大阪トラック」と名付けられた交渉の枠組みで、2020年6月のWTO閣僚会議までに実質的な進展を目指している。

また電子商取引に関しては、「貿易とデジタル経済の接点の重要性を再確認し」WTOの作業計画を確認、推進することが合意された。

FATFの「新・暗号資産監督ガイダンス」を承認

仮想通貨に関しては、首脳宣言の中で次のような記載が見られた。

暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安定に脅威をもたらしていないが、我々は、注意深く進展を監視するとともに、既存の及び生じつつあるリスクに警戒を続ける。

続いて、「FATFの解釈ノート及びガイダンスの採択を歓迎」するとの記述もあった。6月21日の金融活動作業部会(FATF)の全体会議で採択され、大阪サミットに提言されていた、「マネーロンダリングおよびテロ資金供与への対策のための仮装資産や関連業社に対する新基準」の適用が承認されたことが確認できる。

さらに、「マネーロンダリング、テロ資金供与及び拡散金融と闘い、これを防止」する国際的基準を定めるFATFへの一致団結した絶対的な支持を表明。「FATF基準の完全、効果的かつ迅速な履行を求める。」と強調した。つまり、FATFが定めた新ガイダンスは、単なる指針(ガイドライン)ではなく、国際的な基準として強化される可能性が大きい

このFATFガイダンスは、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に銀行並みのAML/CFT(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策)を求めるものであって、仮想通貨業界に多大な影響を与えることが予想されている。

この状況を深刻に受け止めた仮想通貨業界では、G20と並行して仮想通貨サミット「V20」を同じく大阪で開催し、FATFをはじめとした規制当局関係者と仮想通貨業界のリーダーが二日間の協議を行った。そして最終日には、仮想通貨業界のルールで国際的な統一を図るため、新たな組織を設立するという覚書を締結するに至っている。

仮想通貨業界を根底にも影響し得るFATFガイダンスだが、規制当局をはじめ、政府も規制は諸刃の剣であることは認識しているようだ。

また大阪宣言の中には、次のような記述がある。

デジタル経済におけるイノベーションを更に促進するために、我々は効果的な政策と、規制のサンドボックスの使用を含め、革新的かつ機動的で柔軟性があり、デジタル時代に適応した規制アプローチ及び枠組みに関するグッドプラクティスの共有を支持する。

ここに表現されているように、規制当局と業界のコラボレーションで、バランスのとれた適切な規制がなされていくことが望まれるだろう。

CoinPostの関連記事

V20で財務省とFATFが仮想通貨規制に言及「消費者保護と技術革新を」
大阪でG20と並行開催された「V20」にて、日本の財務省副財務官三村氏と、FATFの書記官Tom Neylan氏などが登壇する重要セッションが行われた。参加者が提起したFATFのガイダンスの実施や「リブラ」などに関する質問を受け、様々な意見を述べた。
「全ての仮想通貨取引所は顧客データの共有が必要」FATFのガイダンス発表
FATF(金融活動作業部会)が暗号資産の監督法を明確化するためのガイドラインを新たに発表した。資金洗浄やテロ資金供与の防止を目標に、FATF加盟国に対して規制強化を促している。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧