CoinPostで今最も読まれています

ビットコインとの相関性から見る市場の変化 今イーサリアムに注目な理由|機関投資家向け仮想通貨取引所がレポート公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米仮想通貨取引所SFOX|イーサリアムは最早アルトコインではない
機関投資家向けに仮想通貨取引所を運営するSFOXが、仮想通貨市場の直近の変化と注目動向を記載するレポートを公開。市場の相関指数の変化から、今イーサリアムに注目すべき理由を述べた。

イーサリアムをアルトコインとして分類することは適切でなくなる

機関投資家向けに仮想通貨取引所を運営するSFOXが仮想通貨業界の注目すべき動向に関するレポートを発表。直近1か月間を通してイーサリアムは他のアルトコイン価格との相関性が低い一方、ビットコインとは著しく高い相関性を示していることを指摘し、この傾向が続くようなら、イーサリアムをアルトコインとして分類することは適切でなくなると主張する内容などが掲載された。

米ロサンゼルスに拠点を置くSFOXは毎月、世界の主要仮想通貨取引所8社のパフォーマンスデータを分析、月間レポートの発表を行なっている。

ビットコインのドミナンスとボラティリティ

最新レポートでは、今月の大きな動きとして、米トランプ大統領のビットコインおよびリブラに対するツイッター発言と、米連邦議会によるリブラプロジェクト公聴会を挙げ、このリブラ論争がビットコイン市場のドミナンスとボラティリティに影響を与えたと分析。今月の市場変動主要因であると指摘した。

SFOX

米国政府によるリブラの調査開始以降、ビットコイン価格は、トランプ大統領のツイート前(7月10日)の12,483.97ドル(約135万円)からリブラ公聴会当日(7月17日)の9543.13ドル(約103万円)まで24%安、ほぼ一貫して下落していた一方で、ビットコインのボラティリティ変動率は7月10日の89.33%から7月17日の100.30%へ上昇した。

レポートでは、ビットコインの30日間のボラティリティが100%を超えるのは、 2018年3月6日以来のことだと指摘。このような事例の中で、ビットコイン価格の下落しボラティリティの上昇が見られていることには投資家の理解度の低さが影響しているとした。マーケットの懸念材料に挙げられたプライベートブロックチェーン上で発行される仮想通貨(リブラ含む)に対する政府の監視や規制強化懸念が、パブリックブロックチェーン上で発行されるの仮想通貨(ビットコインなど)に与える影響をよく理解していないとした指摘だ。

また、アルトコイン相場が一斉に同じような動きをする傾向があることは、よく知られているが、ビットコイン価格と主要アルトコイン5種(ETH、 BCH、 LTC、 BSV、 ETC)との相関性データ分析では、直近数ヶ月間と比較して、ビットコイン価格とアルトコイン全体の相関性が低下した一方で、アルトコイン同士の相関性はより高まったと指摘した。相関性データから2分化されたマーケットが見られたとしている。

SFOX

イーサリアムとビットコインの相関性は突出して高い

一方、アルトコイン別にビットコインとの1ヶ月間の相関性指数を見ると(下記参照)、他のアルトコインと比較して、イーサリアムとビットコインの相関性が突出して高いことがわかる。

  • イーサリアム:0.788
  • ビットコインキャッシュ :0.638
  • ライトコイン:0.577
  • ビットコインSV:0.619
  • イーサリアムクラシック:0.602

同分析から、レポートを執筆したSFOX研究チームは、イーサリアムは徐々に「ビットコインと大変よく似た、独自条件の資産として公に認識されるブロックチェーン」になりつつあると結論付けている。

そして、イーサリアムを「ビットコインではないその他のコイン=アルトコイン」と一括りに分類することは、もはや適切ではないかもしれないと述べた。

さらに、仮想通貨分野が進化を続け、世間の注目を集めるにつれて、ビットコイン以外の主要プロジェクトが提供する独自のメリットが理解され、評価されることにつながる可能性も大きいと期待しているようだ。

存在感を増すビットコイン

ただし、現時点で明らかなのは、リブラ公聴会やトランプ大統領の発言等、国家による規制問題などの大きな動きが起こった場合、投資家は依然として、まずはビットコインにフォーカスし反応するという事実であり、それは、ビットコインの仮想通貨市場におけるドミナンスの高まりという形で表されている。

レポートでは、3月には約50%であったビットコインのドミナンスが、この時期には65%から75%に上昇したと指摘。リブラをめぐる一連の騒動で、ビットコインの知名度はますます上がり、主要メディアをはじめ、各国政府や国際的に影響力を持つ機関において議論されてきている状況に移行していることに業界におけるメリットがあると見ている。

SFOXのレポートが期待するように、「仮想通貨の次のステージの幕開け」をイーサリアムが予感させるどうかは業界や市場が今後の展開を見定めていくと見られるが、ビットコインの存在は金融システムの中で確実に存在感を増しつつあることは確かなようだ。

CoinPostの関連記事

機関投資家向け新仮想通貨プラットフォームSFOX、AirBnB共同設立者などが投資
機関投資家向け仮想通貨投資プラットフォームの設立を目論むSFOXが第一の投資ラウンドを完了。投資ラウンドAで約25億円の資金調達に成功し、AirBnB共同設立者などが投資を行った。
SFOX独自指標が強気目線となる理由、仮想通貨市場の継続上昇を示唆
機関投資家向けプラットフォームSFOXの独自指標は、4月末までのデータから相場を「やや強気」と示した。現在の価格上昇は一時的なものではなく、持続的な上昇を形成するものであると分析している。
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/01 金曜日
11:26
ビットコイン先物ETF「BITO」、運用資産額が過去最高値更新
米国初のビットコイン先物ETF「BITO」が運用資産で歴史的高値を更新。今年のBITOへの純流入額は11月24日時点で4億3,800万ドルであり、特に11月10日までの2週間で2億2,400万ドルが流入した。現物ビットコインETF承認への期待が高まり、BTC市場への機関投資は9週連続で純流入を記録している。
10:45
ビットコイン取引手数料で4億円超の過払い アントプールが返却へ
アントプールは、あるユーザーが過大に支払った83ビットコインの手数料を返却すると発表した。
09:45
大和証券ら4社、イーサリアムでST発行へ
大和証券グループは、パブリックブロックチェーン上でセキュリティトークンを発行するPOCを実施すると発表。基盤には仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンを活用する。
08:30
NYダウ今年の高値更新 10月PCEがインフレ鈍化示唆
米株指数NYダウは本日+520ドル超と大幅続伸。11月には今年の高値を更新し2022年1月以来の高値をつけた。一方、仮想通貨ビットコインの11月の上昇率は8.8%だった。
07:30
バイナンス、新たな機関投資家向けソリューション提供へ
仮想通貨取引所バイナンスは、機関投資家向けの新たなソリューショーンを発表。開発の目的やプロジェクトの現状を説明している。
07:15
韓国Upbit、仮想通貨「SPACE ID」新規上場 一時30%高
韓国最大手仮想通貨取引所Upbitは30日、銘柄SPACE ID(ID)をBTC建て通貨ペアとして新規上場した。上場ニュースを受けてIDは一時30%急騰。
06:30
米SEC、フィデリティのイーサリアムETF上場申請で審査開始
米SECは新たに、フィデリティの仮想通貨現物イーサリアム(ETH)のETF上場申請について、パブリックコメントを募集し始めた。
05:30
約6億ドル分のビットコイン買い増し、マイクロストラテジー
米マイクロストラテジーは30日夜、再びビットコインを買い増ししたことを発表した。
11/30 木曜日
18:11
トークンブリッジ「Wormhole」 330億円を調達、Web3市場で今年最大規模
ブロックチェーン間互換性技術を手掛けるWormholeが330億円を調達。Web3エコシステムにおける今年最大級の動きとなり、ブレバン・ハワードやJump Tradingなど著名投資家が参加。ハッキング被害からの回復力も示し、新たな製品投入に期待が高まる。
16:03
「DOGE-1」月探査プロジェクト、SpaceXロケットで実現へ一歩前進
暗号資産(仮想通貨)ドージコインで資金調達した「Doge-1」月探査ミッションは、SpaceXロケットでの打ち上げを年明けに予定。プロジェクトを率いるジオメトリック・エナジー・コーポレーションが、規制承認の進捗を明かした。
14:30
Web3ゲーム「Big Time」、Bithumbに新規上場
暗号資産(仮想通貨)取引所BithumbがBIGTIMEとSTMXの新規取扱を発表。BIGTIMEはWeb3ゲームで、先月に米Coinbase(コインベース)に上場を果たした。韓国市場への進出が注目されている。
13:50
米フォーブス誌、24年版「30歳未満の30人」で仮想通貨関連で9名を金融リーダーに選出
米フォーブズ誌が選ぶ「30歳未満の30人」の2024年北米金融部門で、仮想通貨・ブロックチェーンに関連のある専門家9名が受賞することとなった。また、フォーブズは、13年の歴史で選出を後悔している10人を「恥の殿堂」として発表した。
13:20
ドイツ規制当局、ビットコイン・グループに資金洗浄対策を命令
ドイツ連邦金融監督庁は、ビットコイン・グループに対してマネロン対策の不備を是正することを命じた。
10:50
Web3ゲームの4分の3が失敗に=CoinGeckoレポート
仮想通貨データサイトCoinGeckoは、過去5年間でGameFiの4分の3が失敗に終わっているとのレポートを発表した。
10:10
フィリピンSEC、バイナンスの規制違反を指摘
フィリピンSECは、仮想通貨取引所バイナンスは同国で認可を取得せずに有価証券を販売していると国民に注意を促した。現地メディアはSECがバイナンスへのアクセスを遮断するなどと報じている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア